伝説の名選手から吉見、浅尾、そして若竜たちへ!脈々と受け継がれるドラゴンズブルーの血!
CBCテレビ野球中継「燃えよドラゴンズ」燃えドラch
吉見一起の“ヨシトーーク”開幕投手のウラ側編
元ドラゴンズの絶対的エース・吉見一起さんの初々しいトークが評判の燃えドラch『ヨシトーーク!』。現役時代さながらの絶妙なコントロールで球界裏話や同僚、ライバル話をビシバシ投げ込む!
前回に引き続き、おなじみ同級生・浅尾拓也二軍投手コーチをゲストに迎えてのスペシャルトーク!胴上げ投手のウラ側の後編!吉見さんが浅尾さんを寵愛するエピソードから、守護神だった岩瀬仁紀さんに代わり、胴上げ投手を務めた浅尾さんのなんとも心苦しかったことなど2011シーズンを振り返った二人。今回は色濃いドラゴンズ愛へ話が進みます!
ニセモノの防御率0.41
球団史上初となる2年連続優勝を遂げた2011年の中日ドラゴンズ。
吉見、浅尾さんふたりともキャリアハイとなる活躍を見せつけたシーズンとなりました!
ところで!野暮な質問かもしれませんが…
ビールかけってやっぱり楽しいものなんですかね、おふたりさん?
浅尾『楽し~いねぇ~』
吉見『2年連続のビールかけになったんですけど、2011年はニューオータニのプールでやったんです。これがまた深いプールで!酔っぱらって入った人は死にますよ!』
聞けば水深3メートルはあろうかというお子ちゃま用プールではない、本格的な設備だったという。
浅尾『そんな深いと思わないから、飛び込んだら下に行き過ぎて、上がるのがヤバかったです。深いのなら深いと早く言ってくれと思いましたね!』
お互い主力として一年間戦い抜いただけに、喜びようはかなりのものだったようだ。
吉見『楽しかったですね。野球選手の幸せっていうものはビールかけにあると思う。タイトルもそうだけど、優勝してビールかけできるのが、野球やっていて良かったなって思える瞬間やな』
この年はまさに浅尾イヤー!MVPも受賞しました。
浅尾『いやあ、何回も言っているんですけど、吉見の勝ちを2つ消しているんで』
吉見さんはこの年、18勝3敗、防御津1.65で最多勝を獲得。
浅尾さんが言う、もし2つ勝ちを拾っていれば、20勝を挙げていたことになります。
浅尾『2つ取れていたら、沢村賞も絶対獲れていたんじゃないですか?』
しかし吉見さんはこう当時を振り返る。
吉見『タクは(2勝を)消していると言っていますけど、ボクはケツ拭いてもらっているんで』
ケツを拭いてもらった。
しっかりその回を完了して、バトンを渡したわけではなく、ピンチを作って途中でマウンドを降りた吉見さんには浅尾さんに対して借りがある、そう思っているのだ。
2011年6月9日の対日本ハム戦。
8回1死満塁のピンチを作り、吉見さんは無念の降板。
後を継いだ浅尾さんがタイムリーと犠牲フライを打たれ3失点。
吉見さん自身の勝ちが消えたとはいえ、自分が蒔いた種だから仕方なしと感じていたのである。
浅尾『だからその0.41というのはニセモノなんですよ』
前の投手が残したランナーをホームに返した記憶が鮮明に残っているからこそ、完璧に抑えたという印象が残っていない、と浅尾さんは話す。
浅尾『その前の年が一回も残したランナーを返さなかったんですよ、確か』
吉見『周りはたぶんタクが人のランナー返しているって記憶はないよ!』
白い歯を見せたら負け
同じ年、吉見さんはこんなエピソードも残している。
巨人戦でも4-0とリードし、完封ペースで投げていたものの、9回表にまさかの4失点!勝利をモノにできなかった悔しさだけが残る試合があったという。
吉見『その時、内海さんと投げ合っていて、試合中に相手ベンチにいる内海さんに向かって、 “イエーイ!”と言いながらVサインとかやっていたんです。一緒にタイトルを争っていたので』
そんな余裕をかましていたのが運の尽き?
その後マウンドに上がり、パカーンと打たれて意気消沈!
吉見『その時に思ったのが、“やっぱ白い歯を見せたらアカンな”と思いましたね』
救援陣もエースが投げていて4点差の9回。
“もう今日の出番はないだろう”と思えたシチュエーション。
その時点において確実にスイッチが切れていたであろう。
吉見『そういう時はたいがい打たれるんです。だからボクが悪いんです』
確かにベンチの中でVサインをしておどけているエースを見れば、誰もが
“この日はもらった!”と、確信したはず。
浅尾さんはじめ、その後打たれた救援陣を誰も責めることはできません!
その話を聞いて、浅尾が吉見さんに向かって、苦言を放つ!
浅尾『いぇい!はアカンすね!』
穏やかな表情ながら、しっかりとダメ出し!(笑)
浅尾『すごく楽しく野球をやるのはいいことだと思うんですよ』
浅尾拓也のガチ説教が始まりました!
浅尾『経験があるんですけど、気を抜いたらダメだよね。笑ったらダメです。それがいい結果になったとしても、すべてにおいてマイナスしかない気がする』
ドラゴンズブルーの血が流れる
さらに深まる話へと突入する浅尾さん!
浅尾『高校野球は笑顔で楽しく、明るくって感じなんですけど、プロって相手も真剣、こっちも真剣。ふざけてやるスポーツじゃないのかなと思っちゃうんですね。だから青い血が流れるって言われる』
青い血が流れる…それはドラゴンズブルーの血が身体に流れているっていう意味なのでしょうか!?
それは誇れること!熱血ドラゴンズ戦士ってことじゃないですか!
浅尾『知ってます?ドラゴンズの古い人、吉見もそうですし、ボクもそうですし、ボクたちには青い血が流れているらしいんですよ』
吉見『ボクは昨日抜きましたけどね。引退しましたから(笑)』
浅尾『誰かに言われたんです。“浅尾さん、まだ流れているんですか?”って。でもそういう時代で野球をやってきたので、笑っちゃいけないとか。ボクらなんてまだ全然薄い青い血なんだろうですけど』
青い血に濃淡があるんだ!(笑)
でも古き良きドラゴンズの慣習を受け継いでる世代、それが吉見さん、浅尾さんたちなのである。
だから試合中は決して白い歯を見せてはダメ!
相手に隙を与えてはいけないのだ!
浅尾『今、厳しいとか、そういう時代じゃないとか言われますけど、絶対プラスになったことも多い。せっかく代々受け継がれてきたものがなくなっていくのは、もったいないかと思いますね』
では、あえて聞きましょう!
ドラゴンズブルーの血が濃い人は誰なのでしょうか?
浅尾『立浪さんのイメージです!』
さすが!ミスタードラゴンズ!
立浪さんには今後ともドラゴンズへ入団する新人すべてに、濃いドラゴンズブルーの血を“輸血”してもらいましょう!
冗談はさておき、時代は変われどドラゴンズの古き良き伝統は継承していってもらいたいものです。
吉見『時代時代で合わせなくちゃいけない。でもある程度言わないと、この子、失敗するなと思うわけですよ。大野雄大然り。ほっといたら失敗するだろうと思ったから、トレーニングに連れて行って、最低限のことを伝えたこともありました』
ここまでくると現役選手も気になります!
浅尾『現役なら…山井さんです。山井さんは青い血を引き継いでいますから。ちょっと濃いめの青です(笑)』
吉見『入団した頃、なんで?と思うほど説教するうるさい人で。ボク、最初は山井さんにも言ったんですがイヤだったんです。うるさいなと思ったんですが、上から言われたことを言う。“ちゃうねん!オレも言いたくなかってん!”と言うんです。“(朝倉)健太が言うと、お前らビビるやろ?だからオレが言ってたんや”と』
結論は男気があるのです、山井セブンは。さすが!濃いめの青(笑)
しかし…朝倉健太って、どれだけ若手をビビらせてたのだろうか?(笑)
(竹内茂喜)