「自分は同性愛者」父との溝埋めるため一大決心 カミングアウトして自分らしく生きる 眠らない街『女子大小路』に密着

2023年2月27日(月)放送
「自分は同性愛者」父との溝埋めるため一大決心 カミングアウトして自分らしく生きる 眠らない街『女子大小路』に密着

ディレクターが一人でカメラを回し、ディープな街で“ハートフル”を探すドキュメント番組「ハートフルワールド」。舞台は、愛知県名古屋市の歓楽街「女子大小路」。道行く人にハートフルな人や場所を尋ね、“眠らない街のリアル”に迫りました。

CBCテレビ:画像 『ハートフルワールド』

「思い出になってくれたら」子どもたちに無料で飲食をふるまうご主人

CBCテレビ:画像 『ハートフルワールド』

ホストクラブにフィリピンパブ、ゲイバーなどがひしめき合う歓楽街「女子大小路」。夜になるとそのエリア内にある「池田公園」には多くの人がたむろし、深夜0時を回っても賑やか。特にホストや風俗関係のお店で働く若者が目立ちます。

池田公園近くのフィリピンクラブで出会ったのは、日本に来て2年半ほどと言うフィリピン人のカイラさん。カイラさんにとってハートフルな人は、近くの串カツ店「だけ屋」のご主人とのこと。「(ご主人に)日本語や日本のマナーを教えてもらった」と話します。

CBCテレビ:画像 『ハートフルワールド』

ディレクターは「だけ屋」を訪ねてみることに。店内のメニューを見ると、なんと「お子さま無料」と書かれています。女子大小路には、深夜に仕事をする親と一緒に子どもが来店することも少なくないのだとか。

そんな子どもたちに、お店のご主人はドリンクや食べ物を無料でふるまい、さらにはクリスマスプレゼントも個別で用意。子どもたちは、「こんなのはじめてもらった!」と喜びます。

CBCテレビ:画像 『ハートフルワールド』

「お金だけもらっても思い出に残りませんからね。何か見返りが欲しいわけじゃない。ただタダで食べて帰ってくれたら、思い出になるじゃないですか。それだけでいい」と話すご主人。遅くまで働く人やその子どもたちにとって、お店のご主人は温かく受け入れてくれる“よりどころ”なのでした。

「自分は同性愛者」本当の自分でいるためにカミングアウトを決意

CBCテレビ:画像 『ハートフルワールド』

続いて出会ったのは、ゲイバーで働き始めて約7年のゆんとさん(30歳)。明るくふるまっていますが、心の奥にはある悩みを抱えています。

「ゲイだと隠しながら両親と暮らすのが苦痛で、23歳の時ぐらいに実家を飛び出して一人暮らしを始めた。もう7年経つけど、ずっと実家に帰っていない」と話すゆんとさん。

物心ついたときから男性のことが好きで、学校の生活に溶け込めず、しゃべり方や仕草でいじめられたことも。それでも自分なりに隠し続け、自分が同性愛者であることを両親に打ち明けられないまま今に至るそう。

「今では親というより他人のような感覚」と父親とはずっと距離を置いてきたゆんとさんでしたが、「やっぱり親なんで、自分のことを知ってほしい」とついにカミングアウトを決意。思いを伝えるため、覚悟を決めて父親に電話をかけます。

CBCテレビ:画像 『ハートフルワールド』

(ゆんとさん)
「ずっと言えなかったことがあって。実は物心ついたときから女性に興味がないんだよね。いわゆる性同一性障害っていうのに当てはまるんだけど。昔からずっと言えなくて。気づいてた?」

すると、ゆんとさんの父親は…

(ゆんとさんの父親)
「薄々そう思っていた。なんとなくそうじゃないかなって。許す許さないもないし、恥じることでもないし、隠すことでもないとオレは思っていた。それならそれで認めるつもりでいた」

さらに「自分の思うように精一杯生きてくれればそれでいい。“それが自分だ”と胸を張れるんだったら、オレはそっちの方がカッコいいと思うな」と優しい口調でゆんとさんを応援。

CBCテレビ:画像 『ハートフルワールド』

ゆんとさんは緊張から解放され、「明日から胸を張って生きられそうです」と胸をなでおろします。その数日後、ゆんとさんは初めて父親と2人だけで食事へ。止まっていた2人の時間が、再び時を刻み始めました。

眠らない街『女子大小路』。そこは性別も国籍も関係なくありのままの自分でいられる場所。様々な事情を抱えながらも、仕事や家族と真摯に向き合う人が集う街でした。

2月27日(月)深夜0時59分放送 CBCテレビ『ハートフルワールド』より

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