コロナ禍以後の5年間、取材を通じて大石邦彦アナが伝えたかったこと
この5年間、コロナ禍の取材にライフワークのように打ち込んできたCBC論説室の大石邦彦アナウンサー。さまざまな立場の方への取材を通じ、健康被害救済制度の問題に真正面から取り組んできました。9月27日の放送で最終回を迎えたCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、大石が5年間に渡るコロナ禍の取材について振り返ります。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴くさまざまな方と出会ったコロナ禍
2020年から2023年まで、専らコロナ禍の取材に打ち込んできた大石。
この間、対面接触が憚られ、他人と会えないことで生きる気力を失った方も少なくありません。
コロナウイルスに感染して亡くなった方や、ワクチン接種後に亡くなった方など、さまざまな方やその関係者を取材しました。
大石「因果関係はわからないとされていますが、接種前に元気だった人が高熱が出て命を落としていた」
健康を損なわないためのワクチンで体調不良になった方にスポットを当ててきた5年間。
「ニュースの光の部分は放っておいてもよいが、一方で影の部分は埋もれてはいけない」と自らの信条を改めて明らかにします。
5年あまりで、ワクチンを接種した後に亡くなったと国に報告された方は2,295人。
また、ワクチン接種によって健康被害で亡くなったと死亡認定された方は1,035人。
大石「皆さんの想像より多いですか?少ないですか?日本での出来事です」
健康被害救済制度の是非
1970年代に始まった健康被害救済制度。
過去45年でインフルエンザや日本脳炎など、25種類のワクチンで死亡認定された方は151人。
一方、新型コロナワクチンは4年間で6倍以上の1,035人。4億回以上接種されたコロナワクチンがいかに急速に普及したかがうかがえます。
コロナ禍の報道が正しかったかどうかについては、「自身も失敗と反省がある」と明かした大石。
大石「未知のウイルスについて私自身、脆弱でした。知らないことが多すぎた。コロナワクチンについてもそうです」
「反ワク」と呼ばれて
新型ウイルス、そして前例のないワクチンだけに、多くの専門家でさえ当初はそのような状況でした。「これを見逃せば、再び同じことが起きる」と警告する大石。
大石「国がすることは全て正しいのか?ちゃんと検証しないといけない」
中途半端な状況で、次に行こうとする姿勢を疑問視します。
ただし、自身の立場について「ワクチン推進派でもなく、ワクチン反対派でもない」と中立を主張する大石。
あくまで厚労省や医師などが出しているデータを見せてきたに過ぎないといいます。
大石「でも反ワク反ワク、言われたわけですね。おかしくないですか?」
解釈や見せ方次第で、白にも黒にもなるデータ。隠す気も煽る気もなかったものの、そのデータを客観的に伝えることの難しさを改めて考えさせられたと振り返ります。
思考停止でず自身の頭で考えていく
思い思いの主張を十把一絡げにする「反ワク」という言葉について「思考停止を促した」と大石。
それでもなお、ワクチンを取り巻く状況は変わらないと続けます。
大石「とても残念です。ただ、世の中は変わります」
例として挙げたのは教育問題。
20年前、不登校児に対する世間の風当たりは厳しく、「学校に戻るのがベスト」と言われるのが当たり前の風潮でした。
ところが昨今は風向きが変わり、フリースクールなど、他の選択肢を認める指導が広まりつつあります。
「多くの犠牲があったからこそ、世の中の常識が変わってきた」と大石。
時間が解決するこうした事例は教育や医療に限らず、リテラシーが上がる日は遠くないかもしれません。
大石「多くの方に認められていくのではないかと。皆さんの頭で考えてください」
番組の最後を「3年半、ありがとうございました」と感謝の言葉で締めくくる大石でした。
(nachtm)
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