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狙いは何?小学校低学年で「通知表」廃止

狙いは何?小学校低学年で「通知表」廃止

小中学校の頃、夏休みや冬休み、春休みは待ち遠しかったものの、その前にどうしても通らないといけなかった試練が親に「通知表」を見せること。その通知表をこの春から廃止する自治体があるという記事が中日新聞で掲載されました。なぜ今、通知表を廃止する動きが出てきたのでしょうか?5月2日放送『CBCラジオ #プラス!』では、パーソナリティの天野なな実が気になるニュースとして取り上ました。聞き手は竹地祐治アナウンサーです。

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小学1、2年生が対象

記事によれば、岐阜県美濃市では小学校の全5校で、この春に入学した1年生の通知表を廃止、来年度以降は2年生まで廃止し、通知表は3年生以上とする方針がわかったとのこと。
通知表の廃止は県内では初の取り組みとのことです。

親からすると学校で何を学習してきたのか、また成績以外に気になることがわからないというデメリットがあります。

ただし何も通知しないわけではなく、年度末に学習や生活の様子を記した総合所見を修了証とともに手渡すそうですが、あくまでも教科ごとの評価はつけない方針とのこと。

通知表を配るかどうかの決定は校長に委ねられたそうですが、昨年11月に市の総合教育会議で廃止の提案があり、5校すべてで合意されました。

通知表のデメリット

通知表の廃止を採用した理由としては「低学年の発達段階を考慮している」とのこと。

また、「通知表がない方が、こどもがのびのびと自信を持って成長することにつながるのではないか」との意見もあるようです。

中日新聞の取材では教育長が「丸の数によってクラス内の序列につながったり、劣等感を抱く子がいたりするかもしれないので、それがないようにする」という狙いを語られています。

特に低学年での勉強では、その時に何点取ったかが大事ではなく、学ぶことそのものが大切です。
理解を積み重ねていくことが重要なのですが、児童にとってはゲームの得点のように、結果だけが気になってしまうようです。
 

全国に広がるか

低学年の通知表廃止について、天野は賛成の立場。

天野「こどものうちっていろんなことをやらせてあげて、結果だけがすべてじゃないんだよ、やる過程ややろうとする気持ちが大切だったり、その時間というのがまず大事だということを伝えるためには、私はこの制度はすごくいいかなと思っていて。

結果ということよりも学校で友だちとどんな対応をしていて、どんな優しさを持っていてとか、そういうところを見てくれる、それを親に伝えてくれればいいかなと」

竹地「僕も天野さんの意見に賛成です。通知表って誰が見るかによって感覚も変わるのかなと思っていて。
今回、美濃市の教育関係者や校長先生たちは小1、小2に関しては廃止で良いんじゃないかということで、一律こういう対応をしたということですよね。

おそらく親御さんの中では『それでいいんじゃない?』って思う人と、『やっぱり数字でちゃんと見せてくれないとわかんないよ』って人もいるかもしれない。

それからこどもたちも『なくてよかった』っていうふうに捉えるのか、『数字見てみたかった、お兄ちゃんお姉ちゃんたちは数字をもらってたし』っていうのもあるかもしれない。

これから2年かけて状態を定着させていくってことだとすると、経過みたいなものが多くの方たちに共有されると良いかなと」

実は長野県のある小学校では1956年度(昭和31年度)から、神奈川県のある小学校でも2020年度から廃止しているとのことで、この動きは今後全国に広がる可能性もあります。
(岡本)
 

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