40代で直面する心と身体の不安。女性ラジオパーソナリティが救われた漫画
12月8日放送のCBCラジオ『八木志芳の私たちは求めてる』では、パーソナリティの八木志芳が、アラフォー独身であることや将来の自分に不安を感じ思い悩んでた時に「救われた」という漫画を紹介しました。それは『あした死ぬには、』(雁須磨子著/太田出版刊)という作品です。
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20代ほどがむしゃらじゃない、30代ほどノリノリじゃない。40代で直面する心と身体の変わり目。
更年期障害、取れない疲労、美容の悩み、お金の不安、これからの人生プラン。
イライラしたり、涙腺が緩んだり、おばさんと言われて悲しくなったり。心身の変化に戸惑いながら迷いながら、私たちは明日を生きる。切実に生きる女子たちの「40代の壁」を描く作品です。
八木「この漫画は数年前まで連載されていた作品になります。連載を読んでいた時、私は37歳くらいで、これからの人生どうなるんだろうってまさに悩んでいた時」
当時八木は、仕事もどうなるかわからないし独身だし…と、とても思い悩んでいたそう。そんな時は、参考になる自分を重ねられる人を探したくなるもの。
八木「1歩前に進んでいて、同じような独身でバリバリ仕事をしている年齢が上の人を探したいんだけど、40代独身でバリバリ仕事をしている人って身近に少ない」
メディアでも「40歳独身で仕事頑張っている人の声」が取り上げられていないと感じていた八木。もう、自分は世間に忘れ去られた存在なのかなとモヤモヤしていた時にこの作品に出逢ったそうです。
歳を重ねたからこそできること
八木「この漫画は、すごくアラフォー独身のリアルを見事に描いてる作品だと思う」
例えば、主人公・本奈多子が、謎の体調不良で病院に行ったところ、医師に「なんともないですよ」と言われます。若い頃とは違う自身の身体の変化に戸惑う多子ですが「これが本当リアルだなと思う」と八木。
八木「たぶん大人はわかると思うんですけど、なんか疲れが取れないとか、なんか気持ちがうまく運べないとかある。若い時にはできたことができなくなっていくことを突きつけられる」
そして現実味を帯びてくるのは「死」です。
この作品のテーマにも「あした死ぬ」とありますが、多子の周りに同世代でガンを患って亡くなる人や、自ら死を選ぶ人が出てくるなど、身近になってくる死もリアルに描かれています。
とはいえ、ただ悲壮感のある苦しい40代という作品ではなく、その中でもできることもあるよね、この年になってできること増えてきたよね、というのが感じられ、八木はとても救いになったそう。
八木「昔は落ち込んだら何日も引きずってたけど、その気持ちの持っていき方とか、運び方上手になってきたよねとか」
変化することを受け入れていける私たちになってきている…というところが描かれているそうです。
白黒つけるだけじゃない時期
この作品のとくに好きなところを挙げる八木。
八木「登場人物の心の機微みたいなものが見えること」
雑に40代の感情が描かれていなく、揺れ動く心がとても丁寧に表現されているのだと続けます。白黒はっきりつけることが正しいわけじゃないのだと感じたそう。
八木「曖昧な部分が男女の距離感とかでもこの作品には描かれていて、若い頃だったら性欲で突っ走ってるけれども、歳をとる恋愛ってそれだけではないよねって」
つまり、身体の関係だけに依存しない恋愛もあるのだということ。
これから年老いて人生どうなっていくんだろうと不安を感じている人や、今まさに人生に迷ってるという人に「救いになる」作品なので、ぜひ読んでもらいたいと締めくくりました。
この作品は4巻で完結しており、全話書店で購入することができるそうです。
(野村)