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事業承継において「トップ面談でNGなこと」とは?

事業承継において「トップ面談でNGなこと」とは?

昨今、少子高齢化により、中小企業や小規模事業者の後継者難が大きな経営課題となっています。そして、元気なうちに資産の管理や、次世代へのスムーズな承継について考えていく必要性も高まっています。CBCラジオ『北野誠のズバリ』「シサンのシュウカツにズバリ」では、事業承継と資産承継について専門家をゲストに学んでいきます。11月27日の放送では、フィットネスジムのフィランチャイズ加盟店の承継事例について北野誠と松岡亜矢子が三井住友トラストグループ株式会社 経営承継支援 植田駿一郎さんに伺いました。

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オーナーが出した無理難題

今回藤原さんは、フィットネスジムのフィランチャイズ加盟店の事例を紹介しました。

なぜM&Aを選択したのでしょうか?

藤原「オーナーさんがフィットネス事業を売却して、お金を手に入れて新事業を始めたい、ということでM&Aを希望した」

ただ、このオーナーはスタートから無理難題を言ってきたそうです。
具体的にどういうことなのでしょう?

藤原「(仲介の業者が出す)企業価値算定結果はだいたい1.5~1.8億円でしたが、売却価格を4億円という理論値からかけ離れた希望金額の条件を出された」

北野「この売り手社長さんも、なんか思い込みでモノ言っている?」

藤原さんから見ると、このオーナーは現在の事業の価値算定ではなくて、新しく始める事業でかかるであろう費用を提示してきたのではないかと予想。なので、「目線が違っているんだろうな」と思ったそうです。

買い手会社は見つかった?

その価格のまま、進めたのでしょうか?

北野「買い手見つからなかったでしょう?」

藤原「まずは現実を見て頂くために、買い手と面談をし、目線というか価格の期待値を下げる調整から始まりました」

話し合いの結果、オーナーから2~3億円であれば売却検討可能、というところに落ち着いたのですが、それでも目線が高い状況だったと藤原さん。
その金額で挙手する買い手会社は見つかったのでしょうか?

藤原「(買い手会社を)いろいろ紹介したのですが、(売り手会社の)目線が下がらないので、まずはM&Aのマッチングプラットフォームに掲載して反応をみることに」

掲載した後、同じフィットネスに加盟する会社から問い合わせがあり、希望価格も承諾とのことで、藤原さんは早速両社のトップ面談を行ったそうです。

トップ面談では価格交渉はNG

契約はトントン拍子に進んだのでしょうか?

藤原「ところが、両経営者とも百戦錬磨の交渉人でして、トップ面談中にいきなり価格交渉が始まってしまいまして…」

最初から価格は提示していたのに、買い手は「1億でないと買わない」とか、売り手も「その価格では売らない」と譲らずに不穏な形で面談は終了してしまったそうです。

北野「そんなトップ面談で価格交渉なんてするんですか?」

藤原「通常は、トップ面談では価格交渉を行わないのが鉄則なんです」

藤原さんは、「恥ずかしい話、担当者の仕切りが悪かったのか…」と苦笑しつつも、買い手には価格交渉はしないよう事前に説明をしたけれど、全員が全員、素直に話を聞いてもらうのが難しいところがあったと続けます。

北野「では、この交渉は棚上げになってしまった?」

藤原「価格交渉ではトラブルがあったけど、同業でもあり、買い手さんも興味はありましたので、お互いに諦めずにそれぞれの妥協点を伺った」

その後、調整を重ねて価格に折り合いがつき基本合意を締結する方向になったそうです。

北野「よく売り手さんが折れましたね」

藤原「売り手の価格目線が調整できた要因は、新事業の立ち上げが現実的になってきていつまでも待っていられないと(笑)」

北野「現実にお金が要るんだと?」

藤原「なので、金額よりもスピード重視で、『折り合いもこの辺でいいや』となって成約に至った」

北野「ワンマン社長けっこう怖いですね(笑)」

今回は、「価格より早く売却したい」というオーナーの気持ちが「金額面」から「スピード面」へ優先順位が変わった点が大きく関係した事例でした。
北野は、価格交渉はトップ面談ではNGなのだと気付きがあったようです。
(野村)

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