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医学的に解明?異性に対する好みは初恋や初体験が影響

医学的に解明?異性に対する好みは初恋や初体験が影響

11月29日放送のCBCラジオ『北野誠のズバリ』には、「異性に求めるフェチは遺伝子的なもの?」という質問が寄せられました。異性に対する好みはどのような過程で形成されるのでしょうか?リスナーの質問に、心療内科本郷赤門前クリニック院長で医学博士の吉田たかよし先生が答えます。

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異性の好みはどう作られる?

58歳男性の質問です。

「異性に対して好感を持つのはいろいろあります。下世話な言い方をすれば、太目、細目、メガネっ子、年上、年下、巨乳、貧乳など。男性が女性に惹かれるタイプはそれぞれです。女性はそれに比べ、あまり外観は問わないように思います。

異性に求めるさまざまな感覚は遺伝子的なものなのでしょうか?成長の過程で派生していくものでしょうか?」(Aさん)

「ぜひ興味本位ではなく聞いてください」と前置きして質問に答える吉田先生。

吉田「異性に対する好み、フェチは2つの要因で決まってきます。ひとつが遺伝的要因、遺伝子の違いで性的な好みが決まる。もうひとつは環境的要因で、これは大人になるまでの経験によるもの。特に初恋とか性的な初体験は、その後の性的な好みに大きな影響を与えます。

何が魅力的かは文化や時代によっても大きく異なります。これも生まれた後に脳が影響をうけることで形成されるもので、環境的要因です」

バストに魅力を感じる理由

「遺伝的要因」とはどのようなものでしょうか?

吉田「遺伝子は子孫を繁栄させるのに有利なものだけが選ばれて残ります。特に性的な好みはそれで子孫の遺伝子が決まりますので、医学研究で詳しく分析すると、大半はなるほど!と思える理由が見つかることが多いです。

例えば、女性のバストに魅力を感じる男性は多いですけど、これは人間に進化する前、四足歩行していたサル以前の時代、オスはメスのお尻に反応していましたが、立ち上がって二足歩行したらお尻が目立たなくなりました。

そこで女性はより目立つ胸の部分にお尻の形を再現する遺伝子を発達させて、また男性の脳はそれに対応してバストの膨らみに反応する遺伝子を発達させました」

男性が惹かれるもの

男性が女性の外見に惹かれる場合も多いですが、それはどうしてでしょうか?

吉田「男性が子孫を残すため人は女性に妊娠してもらう必要があるわけです。その場合、女性ホルモンのエストロゲンが多い方が有利になります。それでふっくらとした唇とかすべすべした肌、女性的な特徴、これはエストロゲン優位な外見といい、女性ホルモンが多いことを外見でアピールしているわけです。

顔が小さい女性にひかれるのも、成長期に女性ホルモンが豊富に分泌されると、顔の骨の成長が止まり小顔になるからです。

ウエストのくびれに惹かれる男性は多いです。これは妊娠してお腹が膨らんだ女性と性交渉しても自分のこどもは生まれてこない。
ウエストとヒップの比率が0.7に近いと生殖能力が高い傾向があって、だから細いウエストと丸みのあるヒップの組み合わせに性的興奮を覚えるように男性の脳が進化したわけです」

女性が惹かれるもの

一方、女性は男性の内面に惹かれると言われますが、これはなぜでしょう?

吉田「女性が子孫を残すには出産や子育てに男性の協力が必要です。だから自分や産まれてくるこどもを守ってくれる内面を男性に求めるように女性の脳が進化したわけです。

また、女性の脳の特徴として、男性の能力にも惹かれる傾向があります。

男性が狩猟が下手で食料を確保できなければ一家揃って餓死します。また、生き残る能力が低い遺伝子を男性から受け継いだら、せっかく生んだこどもが生き残れなくて子孫を残せません。だから、女性の脳は男性の能力にも恋をするように進化したわけです」

若い時の体験

好みやフェチを決めるのは何ですか?

吉田「脳の神経可塑性と言いますが、こどもや若い人は非常に柔軟で、経験に応じて、神経のネットワークが進化しますので、特定の経験が性的嗜好に影響を与えます。

特に初恋とか初めての性的経験をすると、脳内で快感ホルモンのドーパミンが大量に分泌され、その作用で記憶の神経ネットワークの形成が促進されます。

例えば初恋の相手がメガネをかけていたら、メガネが性的に魅力的だと感じる神経のネットワークが形成されます。その他にも髪型、声、香りも影響が大きいです」

親の影響

吉田「ハンガリーの大学の研究ですが、さまざまな家族を対象に顔を14分割して厳密に分析したら、夫の容姿は自分の父親と似ているというデータが出ました。
夫と自分の父親はまったく血縁関係がないです。これは娘が無意識に自分の父親と似た男性を好きになったということです。

理由はふたつあって、男性に対する好みが母親から娘に遺伝したため。もうひとつは、こどもにとって初めて見る異性は父親や母親ですから、異性の好みの原型が親によって形成されたということです。

実際、幼い時期に見た親の行動や価値観が大人になったときの性的嗜好や、恋愛の理想形に大きく影響を与えることが発達心理学の研究からも実証されています。だからあたたかい夫婦関係はこどもの将来に大きな影響を与えるので大事にしていただきたいです」

恋愛の好みは、幼い時見た親の顔や行動、若い時の初恋や初体験などに大きく影響を受けるようです。
(みず)
 

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