採択から10年、学校教育に見るSDGs

2015年9月25日、国連総会で「2030 Agenda」が採択され、2030年までに達成するべき持続可能な開発目標(SDGs)として、17の世界的目標と169の達成基準が示されて10年となります。5月14日に放送されたCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、教育現場のおけるSDGsの学習について、つボイノリオと小高直子アナウンサーが紹介します。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴くどの教科で学ぶのか?
小高「学校の教科書にも、SDGsに関する内容が当たり前のように掲載されるようになってきてるんですよね」
つボイ「SDGsはいろんなジャンルが含まれてますけど、一体どの教科に入ってくるんですか?」
代表的な教科は、社会科の「公民」や「公共」(かつての「倫理」)が多いようですが、この他にも、国際問題や国際協調についての項目で見かけると答える小高。
また総合的な学習の時間に、SDGsの目標の中から自分が興味のあることを個人、またはグループで調査する授業もあります。
理科だけでなく家庭科にも
小高「気候変動やエネルギー問題については、理科系の教科。インフラ整備や技術革新については技術科。衣食住に関わる身近な話題は家庭科。様々なテーマに応じてSDGsの目線からの記述がされているようですよ」
つボイ「確かにSDGsは貧困対策や食料・水問題の解決、世界平和や差別の解消、環境保護に国際協力…たくさんの目標があることを考えれば、いろいろな教科に関連しているのは納得です」
理念については道徳の課題に取り上げられることもあるそう。
それぞれのテーマの文章が英語や国語の長文読解の問題や、小論文の題材となることもあります。
芸術教科である音楽や美術でも「世界の多彩な文化などを学ぶ機会になるのでは?」とつボイ。
さらに健康に関係した内容は保健体育にもつながっており、ほとんどの教科にまたがっていると言えそうです。
達成目標まであと5年
小高「SDGsの目標には番号が付いていますよね。教科書によっては、その数字のマークが記載されるケースも増えているそうですよ」
つボイ「こどもたちにとってはSDGsは、小さい頃から身近にある当たり前の考え方になってるんですね。大人の方が、こどもから学ぶことが多いかもしれません」
もし、こどもや孫がいる親・祖父母は教科書を見せてもらうと「今はこんなことを学んでいるのか」「昔と違って、教科書の記載もずいぶん変わったな」と目からうろこの体験ができるかもしれないと話す小高。
本来5年後の2030年を達成目標として掲げられたSDGs。
ただ、現時点ではその多くが未達成に終わる公算が大きいと言われています。
その達成にはしっかり教育を受け、社会に出るこどもたちの感覚がまだまだ必要となりそうです。
(葉月智世)
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