仏像オールスターがお出迎え?CBC佐藤楠大が岡崎市・瀧山寺を語る

毎週木曜日の『ドラ魂キング』では、パーソナリティの佐藤楠大が仏像に関するトピックを紹介します。5月15日の放送で紹介したのは、愛知県岡崎市にある瀧山寺の秘仏・薬師如来と脇侍の仏像。注目して欲しい点があると力を込める佐藤です。
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佐藤が瀧山寺を訪れたきっかけはリスナーからの投稿でした。
「地元の岡崎市にある瀧山寺と言うお寺で、50年に一度の御本尊御開帳が行われています。参拝して来ましたが、優しいお顔をしていました。11日までなので佐藤アナ、ぜひ行ってみて下さい」(Aさん)
佐藤「バイクのツーリングがてら、滑り込みで行かせていただきました」
東名高速道路の岡崎インターから瀧山寺まではバイクで15分。大きな赤門があり、お寺に入る前からワクワクする場所だったんだとか。
また別のリスナーからも投稿が。
「瀧山寺、私も行きました。50年に一度の仏像を拝観してきました。石段を何回も登ってかなり疲れましたが、下りる時の方がずっと怖かった」(Bさん)
足のサイズが26.5センチの佐藤。階段はそのサイズ分ぐらいの幅しかなく、膝を70度ぐらいまで上げないと登れないほど急だったそうです。
佐藤「下りは裏側の坂を下って帰っていったんですけど、その坂も急でしたね」
1300年以上の歴史
天武天皇の時代に開かれたとされる瀧山寺は、三河地方でも屈指の、1300年以上の歴史を誇る由緒あるお寺です。
いったん荒廃してしまったそうですが、1120年頃この方に仏法を広めるためにやって来た僧が霊場を建てたことで、布教活動の中心として復興したとの記録もあるそうです。
「本堂は薄暗くて静かで圧巻でした」
本堂には薬師如来像だけでなく、たくさんの仏像があると佐藤。
「仏像の四つのグループ、如来、菩薩、明王、天部。このすべての仏像が本堂の中におりました」
薬師如来の両脇には、脇侍と言われる日光・月光菩薩がそれぞれいたそうです。
これは奈良の東大寺大仏殿と一緒の並びだそうです。
「さらにその両隣には四天王と言われる毘沙門天とか不動明王が。さらに天部十二神将という十二体の仏像さんがいて、トータルで17体。オールスターで仏教の世界観を表現しているんですよ!」
モデルがいた?
50年に一度しか見られない薬師如来は、平安時代の仏像。高さ160センチ。柔らかい雰囲気で優しく包み込んでくれるような印象だったそうです。
「立った姿で160だったらそんなに大きくないと思うかもしれませんが、座って160センチなんで大きくて圧巻です!」
めったに外に出されることがなく保管されている秘仏だけに、顔が艶やかで傷もなく、木目が見えるほど状態が良かったとか。
160センチの高さがある薬師如来は、台の上に置かれており、正面から顔を見上げると、薬師如来の伏し目がちの目とちょうど視線が合うそう。
「ここまで計算されつくして作られているんだな、と感じました」
じっくりと顔を見ていた佐藤、あることに気づきました。
「よく見ると、若干ケツ顎というか顎が割れてたんです。もしかしたら誰かを参考にしたんじゃないかと思った仏像さんでした」
いつも会える仏像
50年に一度の御開帳のため、薬師如来はしばらく見られませんが、十二神将はいつでも見られます。
仏像の位は一番上から如来、菩薩、明王、天部。十二神将は天部で、薬師如来の眷属の武神。十二体の戦いの神様なんだそうです。十二神将の十二は干支だとか。
仏像を作る上では如来、菩薩、明王、天部と位が下に下がるほど、表現の自由度は逆に上がるそうです。
信仰の中で高い位にあるものはだいたい同じ形。「○○如来と言ったらだいたいのフォルムが一致してる」と佐藤。
天部に注目せよ
「けれど天部は比較的自由度が高いので、作り手の個性が出てくるので、いろいろと違うんですよ」
例えば波夷羅(ハイラ)という武神。瀧山寺の仏像は、戦いの神なのに防具をつけていなくて裸足なんだそうです。
「なんで?って感じなんですが、これも作り手の意図があるんだと思って見ると、面白いと思いました」
秘仏はもう見られませんが、瀧山寺にはまだまだ魅力がいっぱい。
「仏像を見る時は、周りにいる天部を見ると、作り手による表情、服装の違いがあっておススメでございます」
(尾関)
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