全国で7,200人が参加!「地域おこし協力隊」ってナニ?

全国で7,200人が参加!「地域おこし協力隊」ってナニ?

過疎地などに移住して地域活性化に取り組む「地域おこし協力隊」をご存知でしょうか?2023年は2022年と比較して隊員数が753人増え、過去最多の7,200人となっています。4月23日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、CBC論説室の北辻利寿特別解説委員が「地域おこし協力隊」について解説します。聞き手は光山雄一朗アナウンサーと山本衿奈です。

地域おこし協力隊とは?

まず「地域おこし協力隊」とはどのようなものでしょうか?

北辻「過疎・高齢化が進む地域に都会から移り住んで地域のブランドや地場産業の開発やPRなど地域おこしを手伝います。
ポイントは移り住むことです。隊員が住民票を移動させてその土地の人になるのです。

隊員を募集して任命するのはそれぞれの地方自治体。仕事の内容や待遇は各自治体によって違います。だいたい任期は1年以上、3年以内です。

もともと制度は15年前の2009年度から始まっていて、総務省によって制度化されました。国の補助もありまして、人件費とか、活動費で年間ひとり当たり400万円を特別交付税によって自治体が財政的に優遇されます」

活動内容

隊員数は年々増えていて7,200人になっています。

北辻「内訳は男性6割、女性が4割。世代は幅広いですけど、7割が20、30代です。政府は2026年までには1万人を目指しています」

具体的な活動について「すごく幅広いです」と北辻委員。

北辻「例えば地場産業、地産地消の推進。森が多い地区だと森林や自然の保全活動。観光地なら観光ルートを作ったり、観光客のサポート。教育関係では学校行事の支援とかこども活動の支援。医療福祉では病院や買い物のサポートとか。それぞれの地域によって仕事があります」

協力隊の魅力

隊員になりたい思ったらどうすればいいのでしょうか?

北辻「各自治体が募集しているのでそこに手を挙げればいいと思います。
協力隊にいく隊員は、自分自身の希望や能力を生かした活動に参加できます。活動を通して新しい暮らしや生きがいができたりします。

地域にとっては隊員によって、町おこし、村おこしの新しい発想が入ってきます。若い隊員の情熱や行動が地域おこしに役に立つこともあります。

自治体にとっては、行政だけではなかなか進まない地域おこしが進むというメリットがあります。

地域おこしをやってきた隊員たちがそのまま地域に残る場合があります。実は65%の人が残っています。起業する人は古民家カフェをやったり、農家レストランをやったり、そのまま行政関係に勤めて行政で仕事をやる人もいます」

人と人とのつながり

いいことばかりに見えますが、課題や問題点はあるのでしょうか?

北辻「地域計画を専門とする徳島大学大学院の田口太郎教授の論文では、2つの指摘があります。

ひとつは人と人との相性です。人的支援のために関わる人の個性やスキル、人生観がうまく地域とマッチするか。マッチしないと人と人とのつきあいで離れてしまいます。

もうひとつは自治体側の問題ですが、地域おこし協力隊というと人を集めやすいです。だから集めておいて、役所の仕事を手伝わせるとか、そういう自治体もないことはないです。すると『こんなはずではない』と隊員が離れてしまうことがあります」

定住された方が65%という数字は、マッチングがうまくいっているのかなと感じます。

北辻「理想的な姿は、3年の任期中は地域に溶け込んで地域おこしをして、終わった後は定住するもよし。離れたとしても、外部の応援団として他の地域からその町を応援するのが理想的ですね。人と人とのつながりが生きていくのがいいことだと思います」
(みず)
 

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