三重・伊勢市の「清川」は“聖と俗”を分ける境界だった!?伊勢神宮と街を支えた川の暗渠道を辿る旅
ミキの昴生と亜生がMCを務める、全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』。今回は、川が流れていた場所の上にできた“暗渠道(あんきょみち)”をこよなく愛する道マニア歴15年の髙山英男さんが、三重県にある暗渠道から伊勢神宮との関りを深掘りします。
勾玉池と繋がっている!?枝分かれしながら流れていた「豊川」の暗渠道

髙山さんと一緒に旅をするのは、愛知県出身のタレント・池山智瑛(ちあき)さん。2人は、三重県伊勢市にある「伊勢神宮」を訪れます。
(道マニア・髙山英男さん)
「伊勢といえば『伊勢神宮』。また、水の街としても知られている。時代とともにいくつかの川が暗渠になってしまったが、水の街の面影や痕跡が色濃く残っている」
天照大御神(あまてらすおおみかみ)を祀る「内宮」と、豊受大御神(とようけのおおみかみ)を祀る「外宮」を中心とした、全125社から成り立つ全国の神社の中心「伊勢神宮」。

境内には神社と深い関係のある水場も多く存在し、「五十鈴川(いすずがわ)」や「勾玉池(まがたまいけ)」などはお清めや憩いの場として多くの人に親しまれています。
そんな神聖な街に流れていた川は、「江戸時代までは水運にも使われていた。多くの物資を街に運んでくる、とても大事な川だった」と髙山さんは言います。神宮と川の関わりを紐解くべく、2人は外宮へ。

(道マニア・髙山英男さん)
「ここは『勾玉池』。池の水は外に流れ出るはずだから、必ずその先に川がある。川が地図になければ、そこが暗渠」
まずは勾玉池の東へ。外宮からほど近い市役所方面へ行くと、「城之橋」の東側には川が流れていますが、西側は暗渠に。駐車場に姿を変えています。
(道マニア・髙山英男さん)
「暗渠道は、駐車場や駐輪場などに使われることが多い」

暗渠になっているのは、かつて街の中を枝分かれしながら流れていたという「豊川(とよかわ)」。特に伊勢市駅の近くではその痕跡が色濃く残っているそう。駅前の「世木(せぎ)神社」に行くと、川に蓋をした痕跡を発見!その蓋から先に続く暗渠道の痕跡を辿ります。すると…

(道マニア・髙山英男さん)
「暗渠のサインである“車止め”がある。下が脆いから、重い車が入ってこないように立っている。これは豊川の流れの一部であることは間違いない」
周辺の住民に話を聞くと、近くのお店や住居の下に、今も豊川が流れているとのこと。また、台風で天気が荒れた際、勾玉池のすぐ北側を流れる豊川に鯉が流れてきたこともあったそうで、豊川と勾玉池は通じているのではないかと言います。

そんな豊川は外宮のすぐ近くを流れることから、市街地からの延焼を防ぐ“火除けの川”として機能した大変重要な川でした。外宮前に架けられている「火除橋(ひよけばし)」はその歴史の名残と言われ、豊川は街の発展だけでなく神宮を支える川としても貢献。
後に、豊川から取水した人工水路「豊川百間堀(ひゃっけんぼり)」も誕生し、氾濫の多かった川を治水しつつ神宮や町を洪水から守りました。
「清川」はかつて“聖と俗”を分ける境界だった!?駐車場に転用された暗渠道

続いて2人は、伊勢市駅から西の新道(しんみち)商店街へ。伊勢神宮と深い関わりを持つ「清川」の暗渠道を辿り、髙山さんイチオシのポイントに到着すると…
(道マニア・髙山英男さん)
「コンクリートで蓋がされた場所がずっと続いていて、その上が駐車場になっている」

宮後(みやじり)・一之木(いちのき)・大世古(おおぜこ)の3つの町に渡って設置された、距離にして約530mの暗渠の駐車場。収容台数100台という大掛かりな駐車場ですが、分厚いコンクリートにより強度が保たれているそう。その暗渠には、かつて架かっていた橋の痕跡が今も残されています。
周辺の住民曰く、清川は神宮と市街地を隔て、“聖と俗を分ける境界”のような役目を果たしていたとのこと。※諸説あり
しかし、参拝客の増加や駅周辺の都市化により、清川の役割は次第に農業・生活用水へと変わりました。
その後、昭和中期になると新道商店街が繁華街として栄え、“伊勢の銀座”と呼ばれるまで賑わいを見せることに。結果、商店街近くの清川は駐車場へと転用され、時代の流れとともにその姿を消しました。

新道商店街の西側には、清川に架けられていた「筋向橋(すじかいばし)」の痕跡も。「昭和3年に架け替えられた橋の痕跡で、伊勢神宮を語る上で最も欠かせない要所」と髙山さん。
全国から伊勢神宮の参拝客が集う合流地点であり、“神都(しんと)・伊勢の入り口”とみなされたこの橋は交通の要衝となり、多くの人々が行き交いました。
(道マニア・髙山英男さん)
「おそらく、ここで川の水を使って体を清めてから伊勢神宮に向かった方も多かったと思う。お社を中心に、お城の堀みたいに川が何重にも流れていて、何か守りたいものがあったように見えてくる」
CBCテレビ「道との遭遇」2025年10月7日(火)午後11時56分放送より





