なぜ?“日本一短い国道”には理由があった!「国道174号」が生まれた背景とは
全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』では、道マニアがイチオシの道をご紹介。今回は、兵庫県神戸市にある道マニア厳選の“三大道路”を巡りました。(この記事では道情報だけをまとめてご紹介します)
国道なのに187mしかない!?日本一短い「国道174号」
神戸港の近くには、西日本の交通の大動脈である国道2号と神戸港をつなぎ、物流を支えることを目的に造られた「国道174号」があります。しかしその「国道174号」はたった187.1mしかなく、“日本で一番短い国道”として知られています。
三ノ宮駅前を通る現在の県道21号は、かつて国道2号だった過去があり、その国道2号に合流していた「国道174号」は、今よりも距離がありました。
昭和34年、兵庫県が三宮を発展させるため、昭和初期に造られた地下道を広げて飲食店などが並ぶ地下街を作るプランを立てましたが、当時は地上に国道2号が走っていたので、法律上その地下の施設も国の管理になってしまうことを懸念。
そこで国と兵庫県が話し合い、地下街の地上に国道が走らないように国道2号のルートを変更し、県道に付け替えるという奇策が取られました。それに伴い174号は短くなり、たった187.1mしかない国道になったそうです。
「調整池」で洪水被害が激減 暗渠道になった「宇治川」
神戸駅の北側にある「宇治川」には、水を貯めて水量を調整する「調整池」があります。流木や土が流れ込まないように調整池の中にはフェンスが設置されており、その先は川にフタをして造られた暗渠道になっています。
大倉山公園に近いエリアは、昔から度重なる豪雨災害に悩まされてきました。それを解決するため、昭和47年に大規模な河川改修工事を実施。
川幅を広げてその上に強固なコンクリートでフタをし、調整池を作るなど数々の対策をしたことで、現在は洪水被害が激減したそうです。
宇治川の河口に向かう暗渠道には、「宇治川」と書かれたマンホールのフタが見られます。一般的なマンホールのフタには「雨水」や「汚水」と書かれていることが多いので、川の名前が書かれているのは非常に珍しいとのこと。
震災で崩落し、廃道化されたかつての県道
六甲山の東を走る県道16号沿いには、廃道になったかつての県道があります。
1995年に起きた阪神・淡路大震災の影響で、県道が崩落。修復が困難だったため、トンネルを掘って新しく道が造られたことで旧道となり、そして廃道に。
30年前まで現役だったとは思えないほど今は草木が茂り、残ったままのガードレールや看板は緑に埋もれています。
10月17日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より