「若返り」血管・腸・骨・筋肉…名医に学ぶ!身体の様々な部位の若返り法
身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは、
愛媛大学附属病院
抗加齢予防医療センター長
医学博士 伊賀瀬道也先生
国立消化器・内視鏡クリニック 院長
医学博士 吉汲祐加子先生
北里大学大学院
医療系研究科医学専攻主任 教授
整形外科医 医学博士 高平尚伸先生です。
今回のテーマは「〜年は越しても年取るな!〜年末若返りスペシャル2025」
今年も番組では様々なテーマを扱ってきましたが、気になる身体のお悩みは改善できましたか?来年こそはより健康な1年になるように…そんな思いを込めて、今回のテーマは「年は越しても年取るな!年末若返りスペシャル2025」。血管・腸・骨・筋肉、身体の様々な部位の若返り法を各分野の名医に教えてもらいました。
75歳が大転機!「90歳の血管若返り術」

<血管が若いとは?>
血管が若いというのは「血管が柔らかい」「ごみ(プラーク)がない」「血圧が安定して血流がスムーズ」であること。一方で、老いた血管はプラークが溜まっていたり、動脈硬化が進んで硬くなったり、血流が悪く血圧も高くなりがちだそうです。
<血管が若くないと病気のリスクが上がる?>
血管が老化すると、脳だと「脳卒中」心臓だと「心疾患」につながるため、血管を若く保つことはとても大切だそうです。
<血管年齢の若い90歳に密着!>
小林照子さん(90歳)は、現役のメイクアップアーティスト。見た目もとても若々しく、血管年齢は78歳。血管年齢を若く保つ秘訣は、有酸素運動が効果的と言われていますが、ある調査によると、運動習慣がある女性でも血管年齢の平均は実年齢の約-8歳。そんななか、小林さんは年齢より12歳若く、血圧も正常範囲内。血管にまだまだ弾力性もあります。特別意識はしていないとのことですが、小林さんの普段の暮らしの中には血管の若さを保つ秘訣が色々ありました。
<血管若返りポイント(1)脳や手を使う趣味を持つ>
小林さんの趣味は、彫刻と絵画。彫刻は75歳から始め、絵画も80歳になってから始めたそうです。先生によると、脳を使うと脳神経細胞が活発になり、脳の血流が増加します。血流が増えると、脳内の血管内皮細胞が活性化されます。活性化された内皮細胞は、一酸化窒素(NO)を分泌し、血管を拡張・柔軟化するサポートをしてくれるそうです。さらに、手を使った作業は末梢血管の拡張・収縮を促し血管の弾力を保つのに効果的なのだとか。小林さんの場合は、75歳から始めた趣味が刺激になり、血管年齢に良い影響を与えている可能性が考えられるそうです。
<血管若返りポイント(2)1日2L程度の水分補給>
1日最低2Lは水を飲むという小林さん。実はこれも血管若返りポイント。水分が不足すると血液が濃くなり、血管内を流れる時の抵抗が増えます。これが続くと血管の内壁に負担がかかり、血管の老化が進みやすくなるそうです。一方、十分な水分を摂ると血液がサラサラに保たれて血管への負担が減るので、柔軟性が保たれやすいのだとか。そのため、小林さんのように1日2Lを目安に無理のない範囲で水を飲むのが、血管の若返りにオススメだそうです。
<血管若返りポイント(3)たんぱく質を意識して摂る>
この日の小林さんのランチは焼肉。好んで牛肉をよく食べるそうです。先生によると、血管のために一番良いのは、魚に含まれるDHA・EPAという脂。そして、意外と知られていませんが牛肉の赤身も良いそうです。血管壁はコラーゲンやエラスチンなどのたんぱく質でできているので、その再生・修復には、動物性・植物性どちらのたんぱく質も必要。つまり、肉を適度に摂ることは、血管のしなやかさを保つ土台づくりになるのだとか。先生によると、1日に推奨されるたんぱく質の摂取量は、健康な高齢者の場合、体重1kgあたり1.0〜1.2g。体重が60kgなら、60〜72g必要のこと。例えば、1食でたんぱく質20gを摂るには、鶏・豚・牛、それぞれ約100gになります。牛肉は赤身がオススメ。肉の脂には動脈硬化の原因となる成分が含まれているので食べ過ぎには注意しましょう。
<血管若返りポイント(4)ふくらはぎを使う運動を行う>
小林さんは、普段からなるべくエレベーターには乗らず、階段を使うようにしているそうです。階段を上り下りすると、ふくらはぎのポンプ作用で血流がアップ。血管の柔軟性を保つのに重要な一酸化窒素(NO)の分泌を促すので、血管の若返りにつながるそうです。
<血管若返りポイント(5)世代の違う人や新しいコミュニティと関わりを持つ>
小林さんは、15年前から通信制高校のサポート校の運営を始め、日頃から生徒たちと積極的にコミュニケーションをとっているのだとか。先生によると、違う年代の人やこれまで関わりのなかったコミュニティとの触れ合いは、脳への新鮮な刺激となり血管若返り効果が期待できるそうです。
<容姿と血管年齢の関係>
見た目や年齢が実年齢よりも若い人は、血管年齢も若かったという研究成果があります。先生によると「肌つやが良い」「姿勢が良い」など、見た目が若い人は、普段から食事に気を使ったり、運動習慣があったり、結果的に血管に良い暮らしをしている人が多いそうです。
先生直伝!どこでもできる簡単血管若返り術

<かかと上げ下げ運動>
かかとを上げ下げすることでふくらはぎの血管に圧力がかかり、一酸化窒素(NO)が分泌。血管若返り効果が期待できるそうです。電車の待ち時間などを利用しても良いし、座りながらでもOKとのこと。まずは1日3分程度から始めてみてください。
消化器の名医オススメ!掛川市の快腸グルメ
<腸の健康を保つと身体にはどんなメリットが?>
腸の若返りは、免疫機能や自律神経のバランスを整え、様々な病気から身体を守ることができるそうです。
<健康長寿の町 静岡県掛川市>
静岡県は、健康寿命が男女ともに1位という健康で長生きの人が多い県。なかでも掛川市は、がんによる死亡率が低い市区町村で、過去には男女ともに1位になったことがある健康長寿の町です。
<掛川特産!自然薯の「腸」若返り効果>
掛川の特産が倉真(くらみ)自然薯。自然薯のネバネバ成分には食物繊維がしっかりと含まれています。腸内細菌は食物繊維を食べて増殖するので、腸の働きが良くなり腸内環境の改善につながるのだとか。しかも、「レジスタントスターチ」という胃で分解されにくいでんぷんを多く含み、それを腸内の善玉菌が食べることで「酪酸」という物質が多く作られます。酪酸には、腸のバリア機能を強化し、腸の若さを保つ効果が期待できるそうです。
<掛川の郷土料理「いも汁」の腸若返り効果>
いも汁は、擦った自然薯に特製の味噌汁を混ぜて伸ばしながら作ります。茶碗の白ごはんが隠れるくらいいも汁をかけて、ネギなどの薬味をのせたら完成。かき混ぜていただきます。いも汁の味噌汁に使っているのは、サバ出汁。サバ出汁に含まれるDHA・EPAには「血液サラサラ」「認知機能向上」「腸の免疫調整作用」が期待できるのだとか。しかも、DHA・EPAには腸の炎症を抑える効果もあり、発酵食品の味噌との相乗効果で腸の若返りにとても良いそうです。
<腸に効果抜群!「深蒸し茶」>
掛川でよく飲まれる深蒸し茶は、煎茶の一種。渋みを抑えて味をまろやかにするため、茶葉を通常よりも2〜3倍の時間をかけて蒸します。先生によると、お茶に含まれるカテキンは、腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌の増殖を抑え、腸内環境を整えるなどの作用があるとのこと。しかも、深蒸し茶のカテキンの量は一般的な煎茶の約1.2倍。そのため、腸の若返りにとても良いのだとか。深蒸し茶は、全国のスーパーなど小売店でも購入可能なので、お近くのお店で探してみてください。
<腸に良い食文化とがん死亡率の関係>
先生によると、高い免疫機能はがんの発生を抑える要素の一つで、掛川市のがん死亡率の低さと、腸に良い食文化には因果関係がある可能性が考えられるそうです。
<食物繊維・レジスタントスターチが多い食材>
食物繊維やレジスタントスターチは、長芋・さつまいも・じゃがいもなどの芋類や、いんげん豆、えんどう豆などの豆類にも豊富だそうです。
40代の時の骨を維持!名医の骨と筋肉若返り生活
<健康に重要な要素「骨と筋肉の若さ」>
骨と筋肉を若く保つことは、転倒からくる寝たきりの予防や、自立した暮らしを送るのに大切だそうです。
<若い骨をキープしている名医に密着>
骨と筋肉治療のエキスパート高平尚伸先生(61歳)の骨年齢を測ったところ、40代の頃から骨の質が低下していないことがわかりました。先生は普段から骨と筋肉の若返りを意識した生活を送っているそうです。
<ポイント(1)骨と筋肉を意識した食事>
高平先生の朝食は骨が若返る、名付けて「Re bone朝食」。そのメニューは、ヨーグルト約100g・納豆約80g・野菜サラダ・肉入りちまき・コーヒー。骨と筋肉を意識した朝食を8年間続けているそうです。
・ヨーグルト
ヨーグルトや納豆に含まれるたんぱく質は、骨のしなやかさを保つ重要な栄養素。毎日食べることで骨折の予防にもつながるそうです。
・納豆
納豆に含まれるビタミンKは、カルシウムが骨に定着するのを助け、骨を強くする働きがあるそうです(※ワルファリンカリウムを含む抗凝固剤を服用中の人は納豆を控えてください)。
・サラダ
サラダには、リコピンを含むトマトや、たんぱく質とカルシウムを含む卵やサラダチキンなどが入っていてボリュームたっぷり。先生によると、トマトに含まれるリコピンが骨を壊す破骨細胞の働きを抑えることで再生力が上回り、丈夫な骨を作ることができるのだとか。さらに、サラダのドレッシングとして使うのが、オリーブオイルとバルサミコ酢。オリーブオイルに含まれるオレイン酸とバルサミコ酢に含まれるクエン酸は、どちらもカルシウムの吸収を助ける効果があるそうです。
・コーヒー
先生が朝に必ず飲むのがコーヒー。コーヒーには抗酸化作用があり、骨の老化防止が期待できるそうです。
<ポイント(2)1日8000歩を目標に歩く>
毎日2つ前のバス停で降り、700mほど歩いて出勤するという高平先生。1日8000歩を目安に歩いているそうです。歩くことは骨への刺激となり、骨を再生する骨芽細胞を活性化させ、若返りに役立つのだとか。また、先生が目安とする8000歩は、骨折を招く恐れがある骨粗しょう症や筋力低下の予防につながるそうです。
<ポイント(3)早歩きで骨を若々しく>
大事なのが歩行の質。早歩きは骨に強い刺激を加え、骨芽細胞を活性化。新しい骨の形成を促してくれます。さらに、大股で歩くと大殿筋を中心に使うので、筋肉を鍛えるのに良いのだとか。そして、バッグは手提げカバンではなくリュックに。肩甲骨を意識して腕を大きく振って歩くことで、上半身の筋力トレーニングにもなるといいます。ポイントは、普段より約20cm歩幅を広げ、大きく腕を振り、早歩きで歩くこと。まずは、最低3分頑張ってみてください。
<ポイント(4)週1回負荷の強い10分程度の筋トレ>
高平先生は、週末に自宅のトレーニングスペースで、ベンチプレスやダンベル、ぶら下がり健康器を利用しているとのこと。翌日、筋肉痛になるくらいの強い強度の懸垂も習慣にしているのだとか。約10分を毎週行うことで筋力低下を防ぐことができるそうです。
<ポイント(5)仕事の合間や就寝前のストレッチ>
高平先生が夕食後に行なっているルーティンが、ストレッチ。筋肉は、定期的にほぐさないと猫背など悪い姿勢のまま固まり、老けた見た目になる可能性があるそうです。先生によると、老けない身体を作るにはストレッチが一番良いのだとか。さらに、寝る前に行うと血流が良くなり、副交感神経優位で自然な眠りにも導いてくれるそうです。
猫背改善!姿勢若返りストレッチ
<猫背改善!姿勢若返りストレッチ(1)>
▼タオルを持ったイメージで両手を上にあげる
▼後頭部の後ろをタオルが通るイメージで腕を下げながら胸を張る
▼肩甲骨を意識して上記を3回ゆっくり繰り返す
ポイントは、無理をせず痛気持ちいい程度で行うこと。痛みが強い場合は中止してください。このストレッチを行うことで鎖骨の下の小胸筋がほぐされ、猫背改善につながります。また、僧帽筋の血流が良くなり、肩こりの予防・改善効果も期待できるそうです。
<猫背改善!姿勢若返りストレッチ(2)>
▼胸の前で輪を作るように両手を組む
▼組んだ手を前に出し 輪の中に頭を入れお腹を覗き込む
▼背中を丸めるようにして10秒キープ
▼左右の肩甲骨を開くイメージで手をより前へ伸ばして10秒キープ
※痛みが強い場合は中止してください
後頭部と肩甲骨周りにある僧帽筋を伸ばすことで、正しい姿勢に戻りやすくなるそうです。1回20秒気がついた時に実践し、若々しい姿勢を目指しましょう。
(2025年12月28日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)
番組紹介
ニッポンの皆様に健康生活を!この言葉をキーワードにすぐに役立つ健康情報をお伝えします。「人」「家族」の未来を創り出す、CBCテレビの健康情報番組。



