鼻水・鼻づまり!その対処法は正しい?…今すぐ改善したい「鼻トラブル」正しい対処法

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは、東邦大学医療センター 大橋病院耳鼻咽喉科 専門医 中野光花先生です。
今回のテーマは「〜その対処法は本当に正しい?〜この時期必見!春の鼻トラブル」
もうすぐ春本番!だんだんと過ごしやすくなるこの時期ですが、やっかいなのがスギ花粉。なかでも困るのが「鼻トラブル」。鼻トラブルは花粉症・ハウスダスト・風邪などさまざまな原因で起こりますが、正しい対処をできていない人が多いそうです。そこで今回は、今すぐに改善したい鼻トラブルの正しい対処法などを専門医に教えてもらいました。
1日に分泌される鼻水の量は?

鼻の粘膜は、異物から身体を守ったり、吸い込んだ空気を加湿したりする重要な役割を担っています。その鼻の粘膜を覆っているのが鼻水。鼻水は、健康な人でも1日に約1.5L分泌されていると言われているそうです(※成人済みの場合)。その多くは喉に流れるため、無意識に飲み込んでいるのだとか。ところが、アレルギーや風邪などで鼻が刺激されると、異物を排出するため分泌量がさらに増え、鼻水として外に出てきているそうです。
正しく攻略!鼻水・鼻づまり「鼻トラブルの疑問と対処法」
<正しい鼻のかみ方は?>
正しい鼻のかみ方は、片方の鼻をおさえ口から息を吸い、小刻みに5回くらいに分けながらゆっくり鼻水を出してあげます。一方、間違った鼻のかみ方は「左右の鼻を同時に強くかむ」こと。鼻腔と耳の圧力差で鼻水が逆流しやすくなり、中耳炎の原因や鼓膜に出血がおこる可能性があるそうです。
<鼻にティッシュをつめるのはNG!>
鼻水が止まらない時に鼻にティッシュをつめるのはNG。鼻の粘膜は、花粉や細菌などの異物を感知すると、異物を排除するために鼻水を多く分泌するそうです。ティッシュも異物なので、鼻にティッシュをつめると止めたいはずの鼻水が余計に増えてしまうのだとか。さらに、つめたティッシュによって鼻の中が傷つくこともあり、その傷が化膿すると治りが遅くなるばかりか、細菌感染などを引き起こす可能性もあるので注意が必要だそうです。
<いくら鼻をかんでもスッキリしないのはなぜ?>
先生によると、鼻づまりの原因は鼻水だけではないとのこと。花粉症によって鼻に刺激があると、それが炎症になり、鼻の粘膜自体が腫れて空気の通り道が狭くなってしまうのだとか。すると、いくら鼻をかんでもスッキリしない状態になってしまうそうです。
<鼻づまりにオススメ!簡単対処法>
鼻づまりの人にオススメなのが「足湯」。鼻づまりは鼻粘膜に炎症が起こり、血管が拡張することで起こります。足を温めると、血管の伸び縮みを調節する自律神経が刺激され、交感神経が優位になるのだとか。それにより、身体や鼻の粘膜の血管が収縮。腫れを抑える効果があるそうです。目安は40℃程度のお湯で5分間。また、日頃から厚めの靴下を履くなどして足を温めるのも効果的だそうです。
<メントールやミントは、鼻づまりに効果あり?>
ミントやメントールで鼻が通るのは、「冷感刺激」という効果。実際に鼻の粘膜の腫れはひいていませんが、清涼感により鼻が通ったように感じられるのだとか。そのため、鼻づまりの一時的な対処には、ミントやメントールを活用するのもオススメだそうです。
<くしゃみは鼻をつまんでも大丈夫?>
周りに人がいる時にくしゃみを我慢しようと、鼻をつまんでおさえるのはNG。くしゃみは、鼻に入った異物を外に出す行為。空気を吐き出すスピードは時速57kmにもなると言われています。そんなくしゃみを無理におさえると、圧力が身体の中に拡散し、鼓膜が破れたり、気道を損傷したり、圧迫骨折などの可能性もあるのだとか。くしゃみをする場合は腕や手でカバーし、周りに広がらないよう遮って空気を吐き出すようにしましょう。
<正しくないと逆効果!?掃除のNG行為>
掃除のNG行為の1つは、部屋の窓を全開にすること。花粉が部屋に入ってしまうだけでなく、部屋に溜まっている花粉やほこりが舞い上がってしまい、症状がより悪化するリスクがあるそうです。さらに、先に掃除機をかけるのもNG。床の花粉やハウスダストを掃除機で舞い上がらせてしまうそうです。そのため、花粉の時期の掃除は窓を開けずに行いましょう。そして、最初にドライシートなどで花粉やほこりを取り除いてから掃除機をかけ、水拭きを行うと良いそうです。
<アレルギー性鼻炎と風邪の見分け方は?>
・鼻水→風邪◯(黄色っぽく粘り気がある)、アレルギー性鼻炎◯(サラサラで透明)
・目のかゆみ→風邪×、アレルギー性鼻炎◯
・熱→風邪◯ 、アレルギー性鼻炎△(悪化すると微熱が出る場合あり)
・咳→風邪◯ 、アレルギー性鼻炎◯
先生によると、アレルギー性鼻炎と風邪を見た目だけで判断するのは難しいそうですが、一般的にアレルギー性鼻炎の鼻水はサラサラで透明。風邪による鼻水は、初期はサラサラで透明ですが、進行すると鼻水に粘り気が出たり、黄色や黄緑色になったりするそうです。
<アレルギーになっても元に戻る?>
先生によると、一度アレルギーを発症すると元に戻すのは難しいと言われているとのこと。しかし、最近では「舌下免疫療法」など花粉やハウスダストを異物と認識しなくなる治療法もあるそうです。「舌下免疫療法」とは、舌の下でアレルゲンの成分が含まれた薬を毎日取り入れ、徐々に身体をアレルゲンに慣らす治療法。治療期間は3年以上でアレルギー症状を軽減したり、長期間症状をおさえたりする効果が期待できるそうです。(※花粉の時期以外にも継続の必要があります。※現在はスギ花粉とダニアレルギーの人のみ対象の治療法です)
長引く鼻詰まりには要注意!鼻に潜む意外な病

<鼻に潜む意外な病(1)慢性副鼻腔炎(蓄膿症)>
慢性副鼻腔炎とは、ウイルスや細菌感染が原因で起こり、鼻腔や粘膜の炎症が3か月以上治まらない病気。副鼻腔からの分泌物や異物を排泄できなくなり、鼻水や膿が溜まってしまうそうです。
<鼻に潜む意外な病(2)好酸球副鼻腔炎(鼻茸)>
好酸球副鼻腔炎は、ポリープができる難治性の慢性副鼻腔炎。鼻水や鼻づまりに加え、ポリープによる鼻閉感や、口呼吸による喘息発作の危険性もあるのだとか。再発もしやすいため、国が定める指定難病になっています。先生によると、完治するのは難しいそうですが、適切な薬の処方や手術によって症状を改善することはできるそうです。
<早めに医療機関を受診しましょう>
鼻トラブルは、花粉以外でもさまざまな要因で起こるそうです。たかが鼻水・鼻づまりと考えず、早めに医療機関を受診しましょう。
(2025年3月9日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)
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