「大腸がん」を早期発見せよ!…苦しい?つらい?何をする?「大腸内視鏡検査」の一部始終
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身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは、医療法人社団 隆風会 藤井隆広クリニック 理事長 医学博士 藤井隆広先生です。
今回のテーマは「〜忍び寄る“サイレントキラー”〜大腸がんを早期発見せよ!」
がん患者の中でも、近年突出して多いのが「大腸がん」。部位別のがん死亡者数でも女性1位、男性2位と多く、年間約5万人が亡くなっています。がんのできる大腸の粘膜には知覚神経がないので極めて気付きにくく、自覚症状がないまま進行してしまうため“サイレントキラー”と呼ばれているそうです。そんな大腸がんを早期発見できるのが「大腸内視鏡検査」ですが、大腸がん検診の受診率は約4割と半分以下。「恥ずかしい」「怖い」「下剤が辛そう」など、マイナスイメージで避けている人も多いそうです。そこで今回は、大腸内視鏡検査の一部始終を専門医に教えてもらいました。
大腸がんの検査方法
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大腸がんの検査方法は、大きく2つあるそうです。
<(1)便潜血検査>
便潜血検査とは、大腸にあるポリープなどからの出血が、便に付着しているかを調べる検査。気軽に受けられますが、早期がんの約40%、進行がんの約10%が見逃される可能性があると言われているそうです。
<(2)大腸内視鏡検査>
大腸内視鏡検査とは、内視鏡を使って大腸を調べる検査。大腸内を直接見るため、がんを
より見つけやすいそうです。
苦しい?つらい?何をする?「大腸内視鏡検査」の一部始終
<検査3日前>
大腸内視鏡検査を受ける人は、3日前から腸に繊維質を溜めないよう消化に良いものを食べるようにします。検査前日にオススメの食べ物は「うどん」や「おかゆ」だそうです。
<検査当日>
検査当日は、今までの病歴やアレルギーの有無などを問診。続いて下剤を飲み、腸の中を空にしていきます。最終的に、便が透明に近い状態になれば検査の準備はOKだそうです。
<下剤について>
たくさん飲むイメージのある下剤ですが、先生のクリニックでは、現在の下剤は凝縮されているため0.5L。10年前まで下剤を2L飲んでいたそうですが、現在は下剤0.5L+水1Lとトータル1.5L程度で済むとのこと。(※藤井隆広クリニックの場合)。気になる味は、レモン風味や、オレンジ風味、梅風味などもあり、以前より飲みやすくなっているそうです。
<便の確認がアプリでできる!?>
2024年5月に国立がん研究センター東病院が開発したアプリ「ナースコープ」は、便を写真に撮ればAIが「検査を受けていいか」判定してくれるので看護師さんを呼ぶ必要がないそうです。
<大腸内視鏡検査>
内視鏡の管の直径は13mm・11mm・9mmがあり、大腸の状態に合わせて使い分けます(※病院によって取り扱う機器は異なります)。先端には超小型CCDカメラがついており、100倍まで拡大が可能。麻酔を使い眠らせて検査を行う病院もありますが、先生のクリニックでは鎮静剤を打ち、眠らせずに検査をするのだとか。内視鏡は、まず大腸の一番奥の盲腸あたりまで入れて、引き戻しながら異変がないかくまなく確認していくそうです。
<大腸内視鏡検査で見つかる主な病気>
大腸内視鏡検査で見つかる主な病気は「炎症」「ポリープ」「大腸がん」など。「がん」は必要な栄養を取り込むため、血管を新しく作り出すそうです。大腸内視鏡検査では、NBIと言われる青い光を当てることで血管を強調し、がん細胞があるかを確認。さらに、より正確に診断するため、青い色素のついた液をいれながら確認をするそうです。
<腫瘍性ポリープが見つかった時は?>
腫瘍性ポリープとは、腸の壁の粘膜層の一部が盛り上がってできた突起。良性は、色や形が均一であることが多く表面も滑らかですが、悪性の場合は、猫が爪で引っ搔いたような傷があることが多いそうです。ポリープは、大きくなるほどがん化する可能性が高く、ポリープの大きさが2cm以下の場合は検査中に切除が可能。大腸には知覚神経がないので、切除の時も痛みは感じないそうです。ポリープを切除した後は、出血防止のため切除した箇所を長さ10mmのクリップでとめます。食事は、クリップを止めた翌日から通常通り食べて問題ないそうです。
<検査費用(保険適用3割負担)>
大腸カメラ検査 :約5,000円〜7,000円
大腸カメラ検査+生検(病理検査):約1万円〜2万円
大腸ポリープ切除術 :約2万円〜3万円
(※受診内容により値段は異なります)
<お腹の調子が悪い人は大腸がんになりやすい?>
先生によると、快便でも便秘でも、大腸がんとは関係がないそうです。だからこそ、大腸がんの早期発見に役立つ内視鏡検査を受けるのがおすすめだそうです。
見つけにくい大腸がん「陥凹型(かんおうがた)大腸がん」
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<「陥凹型大腸がん」とは?>
陥凹型大腸がんは、ポリープのように膨らんでいなく、凹んでいるため見つけにくいと言われています。さらに、ポリープはゆっくり発育していくのに対して、陥凹型大腸がんは極めてスピーディーに進行がんになっていくそうです。
<最新AIを使えば発見しやすい?>
非常に見つけにくい陥凹型のがんですが、近年では最新AIを使うことで内視鏡検査の際に陥凹型がんなど見つけにくいがんを発見してくれるそうです。
口から飲み込む!大腸カプセル内視鏡
<飲むだけで検査ができる!最新カプセル内視鏡とは?>
大腸カプセル内視鏡の大きさは、幅11mm、長さ31mm。カプセルの両側には超小型カメラが入っており、カプセルを薬のように飲み込むとフラッシュで暗い腸内を光らせ、移動しながら自動で写真を撮っていきます。ほぼ360度の範囲を撮影可能で、6〜8時間かけて身体の中を通り、多い時で10万枚も写真を撮影するのだとか。お尻から入れる内視鏡と違い、カプセルを飲むだけで検査ができるので患者の肉体的・精神的負担が少ないそうです。
<大腸カプセル内視鏡検査の手順>
(1)前日の夜8時までに食事を終える
(2)当日 下剤を飲んで腸の中を空にする
(3)画像を保存する機器を取り付ける
(4)受信した画像データを記録する装置を肩にかける
(5)カプセル内視鏡を水などと一緒に飲み込む
(6)撮影中の6〜8時間は自宅に帰ってOK
(※高圧送電線など強い電波を発する場所は避けてください)
(7)6〜8時間後病院を訪れ機器を外して終了
飲んだカプセルは便と一緒に排出されるそうです(※取り扱いは医師の判断に従ってください)。
<ポリープが見つかった場合は?>
大腸カプセル内視鏡ではポリープを発見しても切除ができません。そのため、改めて大腸内視鏡を使って切除する必要があるそうです。
<40歳以上の人は一度大腸内視鏡検査を>
大腸がんの罹患者数は、30代と比べ40代は約4倍に跳ね上がります。「無症状だから大丈夫」と決めつけず、40歳を超えたら一度は大腸内視鏡検査を受けましょう。先生によると、大腸内視鏡検査は2〜3年に一度のペースで受診した方が良いそうです。
(2025年2月9日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)
番組紹介
![健康カプセル!ゲンキの時間](/magazine/content/items/cat/icon_genki.png)
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