単独首位から失速した立浪ドラゴンズに問いかけたい5つの「なぜ?」

単独首位から失速した立浪ドラゴンズに問いかけたい5つの「なぜ?」

竜は強いのか?弱いのか?2024年のペナントレース、4月前半には6連勝があり、8年ぶりの単独首位にも立った中日ドラゴンズ。しかし、その後は“勝ち星の貯金を使い果たす”5連敗などもあり、借金2で下位に低迷している(成績は5月12日現在)。柳裕也の好投で連敗はストップしたものの、その戦いぶりはどこか安定しない。開幕から1か月半、ファンの立場で首を傾げたい采配も目立つ。(敬称略)

(1)開幕ロドリゲスの「なぜ?」

「サンデードラゴンズ」よりクリスチャン・ロドリゲス選手©CBCテレビ

2年連続最下位からの逆襲を狙う立浪和義監督が“最重要課題”と取り組んできた二遊間の整備。開幕スタメンのセカンドには2年目の田中幹也、そしてショートにはクリスチャン・ロドリゲスが選ばれた。キャンプからオープン戦まで好調だった2年目の村松開人ではなく、開幕直前に育成選手から支配下登録したロドリゲス。高い守備力を買われての驚きの大抜擢だった。

しかし、攻守に精彩を欠き、開幕シリーズ0勝2敗1分のチーム成績もあって、開幕早々4試合目でスタメンは村松と交代した。現在は2軍である。開幕から村松という選択はなかったのか。また、チームの“起爆剤”として期待したのならば、腹をくくってもう少し使い続けるべきではなかったのか。“開幕ロドリゲス”には不思議な思いを抱く。

(2)中田休養日の「なぜ?」

「サンデードラゴンズ」より中田翔選手©CBCテレビ

ここまでのドラゴンズをけん引しているのは、間違いなく開幕から「4番」に座った中田翔である。神宮球場の開幕ゲームでの力強いホームランに、竜党は歓喜した。ところが、開幕9試合目に中田はスタメンを外れた。35歳になった中田の体調を考え、シーズンを通して活躍を維持したいという狙いだと言う。このゲームは1対0で辛勝したが、中田の“休養日”はその後も設けられている。落としたゲームもある。

ベンチが熟考した上でのことだろう。しかし、どのチームよりも開幕ダッシュが必要なドラゴンズ。戦いが軌道に乗るまで、せめてもう少し“休養日”は先送りできなかったのだろうか。ここへ来て「4番」に座る細川成也の打撃が好調なのが救いだが、体調への配慮が必要というセカンドの田中と共に、この“休養日”コントロールは今後へも課題である。

(3)中5日ローテ変更の「なぜ?」

「サンデードラゴンズ」より柳裕也投手©CBCテレビ

12球団でも屈指と言われるドラゴンズの投手陣。開幕からの先発ローテーションもきちんと出来上がり、安定した試合が続いていた。ところが、4月18日の神宮球場での東京ヤクルトスワローズ戦で、柳がそれまでの「中6日」を1日早めて「中5日」で先発した。5対11で敗戦。

翌19日には、ウンベルト・メヒアがやはり「中5日」で先発して、4回4失点で降板。チームはこの後、5連敗を喫していった。試合日程など考慮しての「中5日」登板だったのだろうが、開幕直後だけに、ここはもう少し好調なローテーションを続けてもよかったのではないだろうか。

(4)盗塁が少ない「なぜ?」

「サンデードラゴンズ」より田中幹也選手©CBCテレビ

なぜ走らないのだろうか?ここまでドラゴンズの盗塁数は3である。36試合を戦って、3つしか盗塁がない。その内、ルーキーの尾田剛樹が代走の際にけん制球に誘い出された末での“盗塁成功”もあるので、そもそも盗塁自体を仕掛けていない。ちなみに去年の同じ試合数時点では盗塁は9つあった。

盗塁数3は、セ・リーグどころか、12球団でもレベルの違う少なさである。最も多い讀賣ジャイアンツは20盗塁、ドラゴンズに次いで少ない阪神タイガースでも10盗塁である。

4月後半に1軍に合流した福永裕基が、それまで2軍のウエスタン・リーグで記録していた盗塁数は、実に11もある。1年前に右肩を脱臼した田中が、頭から塁に戻れないため大きなリードが取れないことだけは納得できるが、他にもちゃんと走れる選手も多いはず。ベンチの作戦として、なぜこんなに盗塁が少ないのだろうか。

(5)日替わりオーダーの「なぜ?」

打撃30傑には、ドラゴンズから、細川、中田そして田中の3人しか名前がない。この3選手しか規定打席に達しておらず、セ・リーグで最も少ない。それは、先発スタメンが固まっていないことの証しでもある。

立浪監督は、昨シーズンも143試合で114通りの先発オーダーを組んだ。ドラゴンズのスタメンは目まぐるしく変わっている。しかし当コラムでも再三にわたって指摘してきたが、打順にはそれぞれの役割がある。個々の打者が“点”ではなく“線”として繋がってこそ、得点に結びつく。8番に入った村松が、翌日には2番、そして次の試合はベンチ。これでは、選手自体も戸惑うのではないだろうか。選手は役割を踏まえた打撃をして“線”を紡いでゆくはずである。スタンダードがあってこその“やりくり”であるはずだ。

5つの「なぜ?」について、立浪監督も首脳陣も“当然”回答は持っているはずである。シーズンはまだ100試合以上ある。どうか、これからの戦いの中で、きちんとその答えを示してほしい。ただ、ファンから見て「なぜ?」という疑問が多いチームよりも、「なるほど!」という采配が多いチームの方が、最終的にペナントレースを勝ち抜いていくことは間違いない。

【CBCテレビ特別解説委員・北辻利寿】

※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『屈辱と萌芽 立浪和義の143試合』(東京ニュース通信社刊)『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲  愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)ほか。

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