ヒール靴で歩くのが苦手になった…「ゆる足首」かも?「ねんざ」放置は危険!足首トラブルの原因や解決法

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは、レイクタウン整形外科病院 SOLIFAS足の外科センター センター長
医学博士 栃木祐樹先生です。
今回のテーマは「〜繰り返すねんざはキケン!?〜足首トラブルの原因と対策」
誰もが一度は経験したことがある「ねんざ」。実は、ねんざをした後に正しい処置をせず放置するのはとても危険なことだそうです。放置すると足首が不安定になり、全身のバランスが崩れて肩こりや腰痛などに。最悪の場合、自律神経の乱れにつながり頭痛・不眠・動悸などの症状を引き起こす可能性もあるのだとか。そこで今回は、全身の健康に重要な「足首」について徹底調査。足首トラブルの原因や解決法について専門医に教えてもらいました。
足首の働き

足首は、複数の骨・じん帯・筋肉が連携して構成されており、歩行や立位時に身体を支える役割を持っているそうです。
足首セルフチェック
下記の項目に1つでも当てはまる場合は、足首が不安定になってけがをしやすい「ゆる足首」の可能性があるそうです。
□つまずいたり転んだりしやすい
□繰り返し足首をひねる
□デコボコの地面を歩くのが不安
□階段や坂道を下るのが不安
□ヒール靴で歩くのが苦手になった
足首のゆるみについて
<足首のゆるみと「じん帯」の関係>
先生によると、足首のゆるみの原因で最も多いのが「じん帯のゆるみ」。足首は、骨・関節・筋肉・じん帯が複雑に連携し、歩くなどの動作を行なっています。その歩行に大切な関節が正しく働くよう支えているのが「じん帯」。じん帯は、骨と骨をつなぎ、足首の安定性と動かしやすさを確保しています。しかし、じん帯がゆるむと、関節の安定が保てなくなり足首が不安定になってしまうそうです。
<じん帯がゆるんでしまう原因は?>
じん帯がゆるむ大きな要因は、ねんざやケガ。「ねんざ」とは、じん帯が過度に伸ばされて傷ついてしまうケガのこと。足首に多く、腫れや痛みを伴うのが特徴です。「ただひねっただけ」と思われがちですが、じん帯を損傷している状態で、重症度はⅠ度~Ⅲ度に分類されます。ねんざによってじん帯を損傷すると、今まで張っていたじん帯が治る際にどうしてもゆるんでしまうのだとか。じん帯がゆるんだままだと不安定な状態が続き、足首をひねってしまうリスクが高くなることから、再びねんざをしてしまう原因に。その結果、ねんざを繰り返すという負のスパイラルを引き起こしてしまうそうです。
<足首のゆるみと身体の不調の関係>
足首が不安定だと全身のバランスに影響を与えます。歩き方のバランスが崩れるとひざに負担がかかったり、足首の不安定さが身体の緊張感になって肩の痛みや腰の痛みにつながったりすることもあるのだとか。さらに、足首が不安定で、背骨周りの筋肉が過度に緊張すると、そこに沿って走る自律神経に悪影響が及び、頭痛・睡眠障害・めまい・うつ・動悸など全身にトラブルを招く場合もあるそうです。
じん帯のゆるみからくる足首の病

<(1)不安定感がある「足根洞(そっこんどう)症候群」>
足根洞とは、足の外くるぶしの前側にあるくぼみのこと。足根洞症候群は、その空間にあるじん帯が、ねんざによって傷ついた後に炎症を繰り返し、痛みや不安定感を引き起こす病気だそうです。
<(2)軟骨がすり減る「変形性足関節症」>
変形性足関節症とは足首の軟骨がすり減り、痛みが生じ可動域が狭くなる病気。ねんざでじん帯をゆるめて、ゆるんだじん帯がそのままになることで段々軟骨が削れていくケースが多いのだとか。50歳以上の一般人を対象とした日本の研究では、約10人に1人の割合で変形性足関節症がみられるそうです。
<「変形性足関節症」の治療法>
変形性足関節症の治療法の1つが「人工関節置換術」。傷んだ関節を人工の関節に置き換える手術で痛みの軽減や歩行機能の改善が期待できるそうです。
ねんざの正しい応急処置「RICE処置」
ねんざの応急処置で大切なことは「RICE」。RICEとは4つの英単語「Rest(安静)」「Ice(冷却)」「Compression(圧迫)」「Elevation(挙上)」の頭文字をとった応急処置の合言葉。挙上とは、患部を心臓よりも高い位置に保つこと。血液やリンパの流れを促進することで、腫れや内出血を軽減する効果が期待できるそうです。先生によると、大切なのは二次的な炎症を抑えてなるべく状況を悪化させないこと。全部の処置をやる必要はなく、できることをやれば良いそうです。
ねんざの再発・ケガを防ぐ!名医直伝「足首を鍛える方法」
足首を鍛える方法は、周辺にある筋肉を継続して鍛えること。足首を安定させ、トラブルを防ぎましょう。
<座位かかと上げ体操>
▼硬さのある約5cm程度の台を用意する
▼椅子に浅く座り 台に両つま先をのせ体重をかける
▼ゆっくりとかかとを上げ下げする
▼10回を1セットとし毎日朝・昼・晩3セット行う
※無理のない範囲で行なってください
ふくらはぎの筋肉を鍛えることで、関節がぐらつかずじん帯にかかるストレスを軽減することができるそうです。
<ねんざをした後にもオススメ!座位かかと上げ体操発展Ver.>
▼硬さのある約5cm程度の台を用意する
▼椅子に浅く座り 台に両つま先をのせ体重をかける
▼親指側に力を入れかかとを上げ下げする
▼10回を1セットとし毎日朝・昼・晩3セット行う
※無理のない範囲で行なってください
ポイントは、親指側に力を入れてかかとを上げ下げすること。力を入れるのが難しい場合は、台の端に親指だけを置くと力が入りやすくなるそうです。こちらの体操で鍛えられるのがねんざの予防をしてくれる「腓骨筋」。腓骨筋は、ふくらはぎから足首の外側にある筋肉で足を外側に動かしたり安定させたりする働きがあります。腓骨筋がしっかりと働くことで、ゆるんだじん帯をサポートし足首のぐらつきの支えになるそうです。
足首のトラブルは専門医に相談を
「足首の痛みがなかなか治らない」「ねんざを繰り返す」など、気になる症状がある場合は病院で受診しましょう。足や足首の病気・けがを専門にする医師の団体「日本足の外科学会」の公式サイトでは、全国にいる足の専門医を検索することが可能だそうです。
(2025年6月29日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)
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