ついにミスタードラゴンズ立浪和義氏も認めた、中日の黄金ルーキー 新守護神・鈴木博。一方、その座を明け渡した“タジマ神”は今、何を想う―。
【あるドラライターの参考書的サンドラ活用法】
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)をみたコラム
夢も、希望もある!
もちろん!
後半戦のドラゴンズのこと!
つい2週間前は自信を持って「ない!」でした。間違いなく。(苦笑)
いたずらに浮かれているわけではありません。前半戦の折り返しは借金6を抱えての5位。決して楽観視できる状況でないことは重々理解しているのですが、前半戦のラスト3カードを5勝2敗と勝ち越し。とくに連勝で締めくくったハマスタ2試合。厚い雲に覆われていた空が青く晴れ渡っていくかのような、そんな痛快な勝ち方だったからです。
10日はダヤン・ビシエド選手のグランドスラムを含む4発の打ち上げ花火で乱打戦をモノにすれば、翌11日は先発・小笠原慎之介投手から「又吉―鈴木博」の“新・勝利の方程式”で「2対1」の接戦を逃げ切り勝ち。1点差の勝利は今季も何度か見てきたのですが、これぞ“守り勝つ野球”。「こういう勝ち方が当たり前に感じていたときがあったなぁ―」と、懐かしい感覚を思い起こした方も多かったことでしょう。
さらに期待を膨らましてくれたのは、スター選手の登竜門で名を上げた若竜の存在。高卒2年目・石垣雅海選手がフレッシュオールスターで豪快なバックスクリーン弾を放ち、1992年にイチロー選手(当時:鈴木一朗)も獲得したMVPに輝きました。「(ホークス)柳田選手のようなフルスイングできる選手になりたい」というのも頷けるバッティングは、左足を上げた状態でボールを待ち構え、インパクトの力強さと大きなフォロースルーが魅力。他球団を羨ましく思うことも多くありましたが、見ているだけで心が躍るような選手がドラゴンズにいるということを単純に嬉しく思いました。1軍で躍動するその日を心待ちにしています!
「野球好き芸人サミット」が今年も開催!“モヤショック”で鯉は竜に苦手意識
と、まぁこんな明るい話題に溢れているからこそ、今週のサンドラは心の底から愉しめたわけであります。1年ぶりに開催されたスペシャル企画「2018野球好き芸人サミット」。議会の中心にいたのは名人芸のものまねを連発したタイガースファン代表の松村邦弘さん。ジャイアンツファン代表のはなわさんが、今なにかと話題となっているゲレーロ選手について「思っていたより活躍していない」と不満を吐露すると、「ゲレーロはどうでもいい時しか打たないんだよ!」と出川哲郎さんにキャンプで言われた場面を再現して爆笑をさらっていました。
議題が『気になる竜戦士』について討論されると、ドラゴンズファンとしてはうれしいお言葉ばかりが並びます。
カープファン代表のアンガールズ・田中卓志さん。「カープはドラゴンズにだけ負け越している。この状況を作り出したのはモヤ! いきなり出てきたと思ったら、めちゃくちゃ打たれて3連敗。それから苦手になっちゃった」。(※4月21~23日の3連戦。モヤの打撃成績は13打数9安打)
たしかに! モヤ選手がいなければあの3タテは成しえなかった! 後半戦もカープキラーの切り札として、さっそく16日からの3連戦で爆発してもらいましょう(笑)
松村さん。「平田選手が異常。打ち過ぎですね」。
いやいや、これが平田選手の実力です! 必ずや首位打者を獲ってくれることでしょう(笑)
ベイスターズファン代表のU事工事・福田薫さん。「高橋周平選手はもっと活躍できるんじゃないかなと。森野選手みたいになったら恐ろしい」。
まさに、おっしゃるとおり! 周平選手の覚醒はこんなもんじゃありません(笑)
スワローズファン代表のずん・飯尾和樹さん。「山井投手ですね。防御率見てください。2点台ですよ! 安定感がある」。
前半戦は史上9人目となる40代での完封勝利も挙げました。後半戦も期待しています(笑)
はなわさん。「やっぱり松坂大輔。松坂を獲ったドラゴンズのことも好きになっちゃいました。大事に起用していて球団の優しさを感じる」。
そうなんです! ドラゴンズは愛に溢れたチームなんです。はなわさん、いつでもドラゴンズファンへの転身をお待ちしています(笑)
竜の爆笑王・憲伸さんが参戦!芸人顔負けの“笑いのセンス”披露も、後半戦のキーマンについては名解説者として提言
そして、このサミットにドラゴンズファン代表として参加された川上憲伸さんは、激論を交わすお笑い芸人さんに負けず劣らずの軽妙なトークで対抗します。「ボクがメジャーに移籍するまでの平田選手はプロ野球チームを育てるゲームが強くて、実際の野球にはまだハマっていなかった」と持ちネタを惜しみなく披露すれば、「松坂投手は球団に気を遣われているけど、ボクの時は違った。『1回抹消するから休めよ』と言われたら、そのままシーズンが終わっていた」と、自虐ネタを絡めたお笑い路線を展開。それでも、『わが軍 後半戦イチ推し選手』の議題では一変して名解説者の顔に。悩める守護神の名前を挙げて改善策を唱えていました。
「田島慎二投手。今は調子が悪いですけど、ボクの考えは1度ファームで調整した方がいいんじゃないかなと。2軍で完璧な状態にしてから(1軍に)上げて、1勝を勝ち取らせたい」
クローザーの任を解かれた田島投手は6月30日のジャイアンツ戦に中継ぎとして2イニングを投げると、その後は登板機会がないまま前半戦を終えました。田島投手自身が1軍帯同を志願したとのことですが、起用されていない状況を考えると、憲伸さんが提唱する「2軍で完全復調を図らせる」という選択の有効性を感じずにはいられません。
「鈴木博に代わるクローザーはいない」と立浪さんも太鼓判
田島投手の不調は大きな痛手ではありましたが、それを感じさせていないのは代役を任された鈴木博投手が見事に務め上げているからに他ありません。クローザーに配置転換されてからの4試合の成績は3セーブをマークするなど無失点投球を継続。そんな黄金ルーキーを新守護神として認められていたのはスタジオ解説の立浪和義さんです。
「鈴木(博志)は田島の不調でクローザーというポジションが巡ってきたわけですけど、これはチャンス。一時は疲れや(打たれることへの)怖さから打ち込まれることもありましたが、今は自信を取り戻しているので、見ていても非常に安定感がありますよね。鈴木博に代わってクローザーを任せられる人間はいないですし、それぐらいの存在になっています。頑張ってもらいたいですね」
ミスタードラゴンズのお墨付きを得たことで、俄然、頼もしさが増した鈴木博投手には、その地位を確固たるものにしてくれることを期待しています!
苦境に立つ田島投手はいかにして復調を遂げるか
奇しくも配置転換が奏功したかのように上昇の気配を感じさせているドラゴンズ。しかし、ごく当たり前のことですが、誰一人として活躍をしなくてもいい、活躍を期待しなくてもいい選手なんているはずがありません。5年連続Bクラスに沈んでいるからこそ、それはなおのこと。田島投手がドラゴンズの後半戦の戦い方において、どのような役割を担おうとも、やはり欠かせない一人であることは間違いないのです。
田島選手は何を想い、日々を励んでいるのか―。今は苦境に立たされていようとも、必ずや華麗なまでの復調を遂げてくれるはず。そして、壁を乗り越えた先のサンドラの独占インタビューでは、苦しかった胸の内もあの屈託のない笑顔を見せながら、過去のこととして笑い飛ばしてくれることを信じています!
ドラゴンズライター高橋健二