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牛島氏が指南した福田選手の打開策に納得。落合元監督は悩める新人王を「練習量が足りないだけ」と一刀両断。

牛島氏が指南した福田選手の打開策に納得。落合元監督は悩める新人王を「練習量が足りないだけ」と一刀両断。

【あるドラライターの参考書的サンドラ活用法】
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)をみたコラム

先週、6月24日の放送で森繁和監督が後半戦のキーマンの1人として挙げていた福田永将選手が、同29日のジャイアンツ戦で自身初となるサヨナラ打を放ってチームの連敗を止めてくれました。ひと振りで試合を決めた活躍は素晴らしい! 素晴らしいのですが・・・、福田選手に期待することが“代打の切り札”かと問われたならば、首を縦には振れません。昨季はシーズン途中からの出場にも関わらず自己最多の18本塁打をマーク。ゆくゆくは「4番」をも期待したくなる福田選手には、不動のレギュラーとしてチームの中心にいてもらわなければドラゴンズの明るい展望を描くことはできません。
今週のサンドラは、森本稀哲さんが福田選手の現状に迫ったインタビューを放送。福田選手の言葉からバッティングへの揺るぎない信念は伝わってきたのですが、同時に不安を抱いてしまったのが率直な感想。不振から脱する手応えが語られなかったからなのです。

ホームランへのこだわりが、愚直なまでの直球狙いに

福田選手の不振は開幕当初から始まっています。3・4月の成績が打率2割1分8厘、2本塁打、7打点。5月に3割2分3厘と上げるも、6月はふたたび2割4分3厘。不振の原因については、「相手投手がストレートでストライクを投げてこなかったので、どうしても『ボールを見極めよう』という意識が強くなってしまい、受け身になりすぎていました」と福田選手自身も理解していました。
打席における心構えとしては、「基本はストレート待ちながら、変化球に対応していく」というスタンスであることを明言。ただし、今季のセ・リーグ各球団のピッチャーが変化球主体で攻めてきていることを痛感しながら、それでもこのスタンスを頑なに崩さない意図を次のように語っています。

「1試合で2、3球だけのストレートを打てば気持ちいい。ホームランバッターを自負しているので、(シーズン)20本塁打は打ちたいです」

福田選手のホームランにおける並々ならぬこだわりは頼もしいかぎり。ただ、そのためには「どうするべきか」という具体案が最後まで聞くことができなかったのです。

「ゾーンを上げて」。牛島氏が納得の打開策を提案

ホームランを打つために、ひたすら直球を狙う―。

このスタイルを善とするか悪とするかは、指揮を執る首脳陣によって判断される範疇にあるのだと思います。チームから求められるものが打率ではなく本塁打であれば、決して福田選手の考え方は責められるものではありません。そのことについてはスタジオ解説の牛島和彦さんも一切否定はされておらず、そもそも福田選手のバッティングにおける根本的な問題点は別にあるのだと指摘されていました。

「あのね、(ヒッティング)ゾーンを上げてほしいなと思うんですよね。自分の有利なカウントに持っていってほしいなと。ボール球を振ってしまうと、ピッチャーが有利になってしまいますから」

牛島さんのこの言葉に納得をした方も多いのではないでしょうか。福田選手は早いカウント、特に初球のアウトコース低目のボールゾーンに落ちていく変化球を空振りする光景が多く見られます。そして、福田選手は不利なカウントの成績が悪いことは数字にも表れているのです。(※カウント「0(ボール)-2(ストライク)」は打率5分、「1-2」は同1割6分7厘、「2-2」は同1割6分3厘)
福田選手がとことん本塁打にこだわるのであれば、球種だけでなくコースも本塁打を狙えるゾーンだけに絞ってもいいのではないでしょうか。1試合の2、3球に懸けているのであれば、その通りのバッティングを見せてほしいと思ってしまうのです。「このコースにきたストレートは必ず本塁打にしてしまう」―。福田選手にはそんな相手投手にとって危険度の高いスラッガーになってくれることを願うばかり。何よりドラゴンズが息を吹き返すためには、福田選手の“本塁打力”が必要不可欠であることを、“あの方”も認めておられたからです。

「野球漬けの日々を」。昨季の新人王に“オレ流”エール

この日の放送の終盤には、ジャイアンツ戦を解説する落合博満元監督がナゴヤドームからの中継で生出演されていました。ファンからの質問に答えられていた中で最も興味深かったのは、「現在、不調の京田選手にアドバイスを送るとしたら?」との問いを受けた場面。GMとして最後のドラフトで指名に携わった悩める昨季の新人王に“するべきこと”を明確にしておられました。

「練習量が足りないだけでしょ、おそらく。練習しなきゃ。寝る暇を惜しんで、それぐらいやらないと。野球漬けの日々を送らないと復調はしないと思います」

落合監督といえば12球団一過酷と言われたキャンプで常勝軍団を築き上げ、4度のリーグ優勝と1度の日本シリーズ制覇を成し遂げられたことで有名。監督として指揮を執っていた頃と変わらぬ持論に懐かしさが込み上げながら、あることを思わずにはいられませんでした。今のドラゴンズは当時と同じ、それ以上の練習量をキャンプも含めて日々こなしているのか―。落合政権の参謀役を担い、共に戦っていた森監督を信じています。

落合監督ならこうする!京田は1、2番。福田をスタメンに

落合さんは解説を務められたジャイアンツ戦の最後に、この試合で組まれた先発オーダーを取り上げながら、ドラゴンズの今後に向けた戦い方においても言及されておりました。

「京田の7番は何の魅力もない。たしかに京田の状態が悪いのは分かりますけど、もう一回戻さないといけないと思う。大島、京田(の並び)なのか、京田、大島なのかは別として。それとやっぱりサードに福田を入れるべきですよ。あのパンチ力、長打力というのは魅力ですから」

それはまさしく開幕当初の先発オーダー。混迷を極めているのであれば、今こそ基本に立ち返るべきなのかもしれません。救いは大きな故障者が出ておらず、それができる状況にあること。まだまだ諦めるには早いはずです。

ドラゴンズライター高橋健二

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