2019夏反攻へ!ドラゴンズ後半戦巻き返しのカギを握る6人の戦士たち!
「【ドラゴンズライター竹内茂喜の『野球のドテ煮』】
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム」
力負けを感じた前半戦
今、この原稿を書いているのは7月7日、時間は18時30分。令和最初となる七夕の日だ。この日予定されていたスワローズ戦前にスマホアプリに書いたバーチャル短冊に書いた言葉は、
“ドラゴンズが今日勝ちますように”。
結果は皆さんすでにご存知のように先発柳が初回山田に一発を浴びたものの、8回散発8安打、8奪三振1失点のナイスピッチング。見事今シーズン6度目となる連敗ストッパーの役目を務め、ハーラーダービートップタイとなる9勝目を挙げ、今、気分よくキーボードを叩いている。
ただ連敗はストップしたものの、なかなかチーム状況が上がってこないことにもどかしい思いでいっぱい。143試合を折り返した77試合を消化し、34勝43敗の借金9。交流戦を3連勝で締め、リーグ戦再開後を含めて連勝を5に伸ばし、いよいよ竜の季節かと思いきや、宿敵ジャイアンツに敵地3連敗。惜しい戦いはあったものの、力負けを認めざる得ない内容であった。
そう、力負け。
交流戦で3連敗を喫したホークス、そしてライオンズ、そして今回のジャイアンツと戦いぶりを観ての感想はひとえに戦力の厚さの違いに他ならない。なんとしても7年連続Bクラスを阻止するためにも、戦力の底上げが急務といえよう。
今週のカープ三連戦を終えるとオールスターブレイクを迎える。後半戦巻き返しに向け、ドラゴンズはチームを立て直すことはできるのか?そのヒントは今週のサンドラに隠されていた。
チームの空気を変える二人
思い起こせば、ドラゴンズが借金生活に喘ぐきっかけとなったのは、投では笠原、打では平田の主力選手らの戦線離脱。しかし開幕前から松坂、小笠原、藤嶋らを欠く先発陣となったことが開幕ダッシュできなかった一番の要因であったことは誰もが知るところ。そしていよいよチームの空気を変えよとばかり一人二人と救世主が戻ってくる!
藤嶋が先陣を切って先週のスワローズ戦から一軍昇格。故障で調整中のロドリゲスの穴を埋めるべく、まずは8回の男として今まで投げたくても投げられなかったフラストレーションを相手バッターに炸裂してもらおう。
『去年より良い感覚が自分の中にある。チームの力になることができればそれが一番良い』
尊敬する上原浩治を彷彿させる小気味の良い投球スタイルで完全復活をアピールしたい。
そして平成の怪物・松坂大輔がいよいよ満を持して令和のマウンドへ戻ってくる。4度目となる二軍での登板も、6回103球被安打4、奪三振7、失点1と結果を残した。
以前、CBC解説者である川上憲伸さんは松坂のピッチングを一目見ただけで
『これくらいのクラスになれば、投げられただけでもう大丈夫!』
と話し、またこの日のゲスト解説者・岩瀬仁紀さんも一軍復帰へ向け、太鼓判を押した。
『もう全盛期と違って、打たせて取るという意識が見て取れる。ピンチでも動じることなく投げている』
松坂自身もやれる術はすべてこなしたと言わんばかりにインタビュワーの質問に答えた。
『(一軍に)呼ばれたら、いつでもいけるという気持ちでやっている。(状態は)いつもと変わらない』
準備万端整い、あとは一軍首脳陣からの一声待ちといったところだろう。
足りないピースを埋めたトレード
モヤ、ダブル松井を失っても、バファローズから得た松葉貴大投手と武田健吾外野手の獲得は後半戦の戦いに向けて朗報となった。
大野に次ぐ左の先発として期待のかかる松葉。伊東ヘッドは“ゲームを作れる、良いピッチャー。ロッテ時代、随分苦しめられた投手”と高評価。まだ28歳。チーム内では福谷と同期の同じドラフト1位。プロ入り通算23勝のサウスポーがドラゴンズ先発陣の一角を託されるのは間違いない。
また武田は“新庄二世”との異名を持つ強肩俊足の外野手。ドラゴンズファンであれば、新庄というよりも英智コーチのような、終盤の守備固めで鉄砲肩を見てみたいと思っている人は多いはず。
笠原復帰を含め、それぞれが個々の力を思う存分発揮さえすれば、竜が後半戦台風の目となり得るのは至っておかしくない話。なんとしても首位を走るジャイアンツにひと泡吹かせたい。そう願うばかりである。
ルーキー石橋、経験を積め!ボールを受けろ!
そして願わくは、2019年シーズンに爪あとを残してもらいたい新星をひとり挙げたい。
石橋康太捕手。昨年関東一高からドラフト4位で入団。強肩強打のキャッチャーとして期待されているルーキーだ。7/7のスワローズ戦で一軍昇格。早速プロ入り初打席に立ち、なんとデッドボールで出塁するという、なかなか真似できないデビューを飾った。
その石橋、昨年のサンドラ出演時に公約として掲げた自身の未来予想図。一年目“一軍昇格”を前半戦で早々とクリア。3年目・レギュラーを獲るという目標もおぼろげながらも視野に入ったのかもしれない。そして10年目には日本を代表するキャッチャーになるという大目標に向け、スタートを切った。
プロに入ったら誰のボールを受けたいとの質問に、
『生まれる前から活躍していた松坂大輔さんのボールを受けたい』
と答えていた石橋。このまま後半戦も一軍残留を果たせば、その目標さえもクリア可能。谷繁二世・石橋が一軍の猛者たちに揉まれ続ける日が続けば続くほど、ドラゴンズ扇の要は少なくとも20年は安泰だ。一球でも多く一軍投手のボールを受け、多くの経験を積んでもらいたい。
信じてやまない常勝復活!
目を瞑り、後半戦のドラゴンズの戦いを妄想してみた。もう楽しみしかない!底にいた前半戦とは違い、あとは上昇するのみ。何を戯言言っているんだ!と罵声を浴びてもいい。それぐらいの覚悟はできている。だってファンである私たちが信じなければどうするんだ!きっと私たち以上に首脳陣、選手たちは悔しい思いを抱いているはずだ。
過去は夏に強いと言われたドラゴンズもここ数年、苦戦を強いられているのは百も承知。ただ、先発陣もようやく揃い、リーグでも屈指の攻撃陣が援護すれば、Aクラスも射程距離!彼らの熱い戦いぶりをこれからも引き続き応援していこう!
がんばれドラゴンズ!燃えよドラゴンズ!
(ドラゴンズライター 竹内茂喜)