名古屋のソウルフード「とんちゃん」が愛される理由とは!?
味噌などで味付けした豚のホルモンをジュージューと煙をあげながら焼く、名古屋では言わずと知れた絶品料理「とんちゃん」。しかし、東京や大阪などでは知名度は高くない。 こんなに美味しいのに知らないのは損!名古屋に来たら定番の名古屋めしもいいですが、「とんちゃん」も是非とも食べたい逸品。今回は名古屋の人に愛され続けるソウルフード「とんちゃん」をご紹介します。
名古屋の「とんちゃん」ってどんな料理?
平仮名で「とんちゃん」と表記されるため、何の料理か分からない人もいるかと思います。その正体は、豚のホルモンに赤味噌をもみ込み、七輪や鉄板で焼いたもの。実は、とんちゃんと呼ばれるホルモン焼きは全国各地にあるのですが、豚の内臓+赤味噌の組み合わせは名古屋特有。味噌の味付けが「これぞ名古屋」と感じさせます。昭和時代から味噌とんちゃんは庶民的な焼肉として親しまれており、現在も名古屋ではこの形で愛され続けています。
とんちゃんの広がりは焼肉の大衆化とともに
今では愛知県内の焼肉店でも提供するお店が増えたとんちゃんですが、県外で広く知られているわけではありません。焼肉店は90年代頃から大手外食企業による近代化が急速に進み、世代や性別を問わず気軽に利用できるファミレス的な大型店が主流になりました。一方、名古屋のとんちゃん専門店は、こうした業界の動向とはほぼ無縁の下町の小さな店が中心。それは現在も同様で、雰囲気も客層も、昔ながらの居酒屋に近いというのが特徴です。
そんな中、朝挽きの新鮮なとんちゃんを提供する名古屋の「やぶ屋」、さらに春日井市に拠点を置く焼肉チェーン店「あみやき亭」が店舗展開を進め、とんちゃんの知名度も広がっていきました。特に「やぶ屋」は「義理と人情を大切にする古き良き居酒屋」をめざして創業され、まさに「とんちゃんといえばこのお店」として今も人気を博しています。
とんちゃんの名店紹介。それぞれ違った秘伝の味が味わえる
お店によってそれぞれ秘伝のタレが受け継がれていると言われているとんちゃん。ここで、絶品のとんちゃんが食べられるお店をご紹介します。名古屋で最も食べられているとんちゃんとの呼び声が高い「やぶ屋」は誰でも入りやすいカジュアルな居酒屋として人気です。
とんちゃんの味付けは、様々な調味料をブレンドして作った八丁味噌ベースのオリジナルのタレ。七輪で焼くので、味噌が焦げる香ばしさが広がります。また、ミノ、レバー、ハツなど様々な部位が入った 「MIX」は、それぞれの食感の違いを味わえるのも楽しみです。
「がんこちゃん」は、名古屋のザ・ソウルフード味噌とんちゃんを味わうことができます。今はなき大須が誇るとんちゃんの名店「岡ちゃん」の味を受け継いでいることで知られ、多くの地元客に支持されています。「がんこちゃん」は待ち時間が時には1時間になるほどのとんちゃんファンお墨付きの人気店。最近では、昔ながらのシンプルなとんちゃん一本勝負ではなく、サガリやナンコツ、ミノ、野菜などのメニューが充実しており、より多くの人に親しまれる美味しさを提供しています。
続いて 「とんちゃんや ふじ」。開店前から行列ができるほどの大人気店。大須の裏通りのお店からは食欲をそそる香りが外まで漂い、のれんをくぐると店内はもやがかかったように煙が立ち込めています。20席余りの店はもともと喫茶店。実はここでも「岡ちゃん」の味が受け継がれています。「とんちゃんや ふじ」は「岡ちゃん」のすぐ近くにお店を構え、「岡ちゃん」が店じまいした後の 2001 年に店主から秘伝のタレを伝授してもらい、味を引き継ぎました。
常連客の中には「赤味噌ましまし」といって、焼けたとんちゃんをお皿に移した後に再度味噌をつけ、二度焼きして楽しむ人もいるそう。それほどタレが絶品なのでしょう。外国人旅行者も数多く訪れる大須で、今も下町情緒を感じられるお店です。
下町から生まれた「とんちゃん」は日本人以外にも…
下町の食文化として今も愛される「とんちゃん」。安くて美味しい、そして癖になる味わいは海外からの旅行客にも親しまれるようになっています。昔ながらの名古屋の下町料理を一度味わってみてください。
ライター名
ゆぺ
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#名古屋めしデララバ