骨卒中を防げ!健康的な骨の作り方

2020年12月6日(日)放送 【第435回】
骨卒中を防げ!健康的な骨の作り方

サマリーSummary

ゲスト:秋本奈緒美
ゲンキリサーチャー:なすなかにし
ドクター:東海大学医学部付属東京病院 抗加齢ドック 医学博士 山田千積
今注目されている健康のキーワード「骨卒中」。骨卒中とは、一度骨折するとその後死亡までの期間が極端に短くなってしまう事。その原因の1つが「骨粗しょう症」といわれています。その患者数は推計1280万人。女性に多い病気と思いがちですが、男性も決して安心できないそうです。そこで今回は、健康な骨をキープする方法を専門医に教えてもらいました。

骨の基礎知識~骨の強さに重要な「骨密度」と「骨質」~

骨の強さは、7割が「骨密度」残り3割が「骨質」といわれているそうです。骨の構造を鉄筋コンクリートに例えると、コンクリートを示しているのが「骨密度」(成分:カルシウム)。鉄骨にあたるのが「骨質」(成分:コラーゲンなどのたんぱく質)です。このたんぱく質が骨の中で網の目状に張り巡らされているため、骨の弾力性を保ち折れにくくしているのだそうです。

・骨密度
20代の頃が最も高く、以降加齢とともに減少していきます。50~60代になると骨密度を気にした方が良いそうです。

・骨質
骨質が悪くなると、たんぱく質が劣化し弾力を失います。すると、骨がもろく折れやすくなってしまうそうです。

骨卒中とは?

骨卒中とは、一度骨折するとその後死亡までの期間が極端に短くなる事。65歳以上の高齢者が足の付け根を骨折すると5年後の生存率が63%というデータもあるのだとか。その原因の1つが、骨がスカスカになる「骨粗しょう症」。骨がもろくなると、次々と骨折を繰り返して生活の質が落ち、寝たきりつながる原因となってしまうそうです。

なぜ骨がスカスカになる!?

私たちの身体の中では、古くなった骨を壊す「破骨細胞」と、破骨細胞が作った穴に集まり新しい骨を埋める「骨芽細胞」が働き、約5か月をかけて骨を入れ替えています。2つの細胞がバランス良く働く事で健康で強い骨が完成されますが、そのバランスが崩れて破骨細胞の働きが上回ると、骨を作る速度が追いつかなくなり、骨がスカスカになってしまうそうです。すると、少しの衝撃でも骨折しやすくなる骨粗しょう症につながります。

<細胞のバランスが崩れる主な原因「女性ホルモン」>
女性ホルモンには、破骨細胞の活動を抑える働きがあります。しかし、40代以降に減少してしまう事で破骨細胞が活発になり、骨密度が下がりやすくなるのだとか。そのため、女性で60歳を超えると、骨粗しょう症の割合が急激に増加する傾向にあるそうです。

男性も女性も要注意!骨粗しょう症のリスクがわかる「骨のセルフチェック」

骨がもろくなる原因は、女性ホルモンの減少だけではありません。
下記の項目に当てはまる項目が多いほど、骨粗しょう症になるリスクが高くなります。

<骨のセルフチェック>
□痩せ型である
□運動不足である
□顔のシワやたるみが気になる
□血糖値が高め

骨のセルフチェックの解説&ドクターおすすめ対策法

・「痩せ型である」「運動不足である」
骨に適度な負荷がかかると、骨をつくる骨芽細胞の働きが活発になります。そのため、体重が軽い人や、運動不足の人は、骨にかかる負荷が減ってしまう事によって骨密度の低下につながるそうです。

<対策法>
運動以外のおすすめは下りの階段を積極的に利用する事。足からの負荷が全身に伝わり骨に嬉しいトレーニングになるそうです。

・「顔のシワやたるみが気になる」
先生によると、頭蓋骨も加齢によって骨密度や骨量が減ってしまうとの事。ある研究では70代の頭蓋骨の重量が40代の半分以下に減っているというデータもあるのだとか。頭蓋骨が小さくなると皮膚も緩むため、シワやたるみの多い老け顔につながってしまうそうです。例えば、顎の骨が痩せると頬のシワやほうれい線に、目の周りの骨が痩せると目のくぼみや目尻のシワに。顔のシワが多い人は顔の骨密度が低い事がわかっているので、全身の骨密度も下がっている可能性があるそうです。

<対策法>
シワやたるみの予防にはガムを噛む事がおすすめ。顔の骨へ負荷がかかり、骨芽細胞が活発になるそうです。また、顔の筋肉からアプローチする「ほほえみ体操」もおすすめです。

~顔の骨の老化を防ぐ「ほほえみ体操」~
▼上下の歯の間を1cmほど開ける
▼口角を奥へ押し上げて10秒キープする
▼上記を5セット繰り返す
顔の筋肉からの引っ張り刺激によって骨に負荷がかかり、骨の老化を防げるそうです。

・「血糖値が高め」
血糖値が高いと、「糖化」といって血液中のブドウ糖が骨のたんぱく質とくっつき劣化を起こしてしまうそうです。すると、骨質が悪くなり骨がもろく折れやすくなってしまいます。また、骨質が悪くなる原因は血糖値以外にも、加齢・高血圧・動脈硬化・閉経・喫煙・運動不足・肥満・遺伝などがあるそうです。

骨粗しょう症予防をしよう!ドクターおすすめ「骨を強くする食材」

<骨密度を上げる食材>
・カルシウム(牛乳・チーズなどの乳製品、にぼしなど)
・ビタミンD(青魚、鮭、きのこ類など)
先生曰く、骨密度を上げるにはカルシウムの他にカルシウムの吸収を助けるビタミンDをしっかり摂る事が大切。日本人は、ビタミンDが不足しがちなので積極的に摂取すると良いそうです。

<骨質を良くする食材>
・たんぱく質(肉類など)
・ビタミンK(納豆、ブロッコリー、ほうれん草など)
骨質を良くするには、原料となるたんぱく質の他にビタミンKを摂ると良いそうです。

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