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ドラゴンズ温故知新!07「三塁手」編~高橋周平さらなる高みをめざせ!

ドラゴンズ温故知新!07「三塁手」編~高橋周平さらなる高みをめざせ!
ドラゴンズ温故知新!
論説室コラム

ドラゴンズ温故知新!07「三塁手」編~高橋周平さらなる高みをめざせ!

 2020年1月1日(水) 10:10
北辻 利寿
北辻 利寿

新しい年2020年を迎えた。中日ドラゴンズにとっては球団創設84年目のシーズンとなる。伝統あるその球団史は数多のスター選手に彩られ、熱き戦いの記録と記憶をファンの心に刻みつけてきた。筆者が独断で選んだ歴代ベストナインと現役選手を比較しながら、7年続くBクラスからの脱出に向けて、新たなシーズンへの期待と応援を届ける連載企画である。
第7回のテーマは「三塁手」。(敬称略)

歴代ベストナインは「落合博満」

この選手がドラゴンズの歴代ベストナインに入ってくることは、多くの方々から賛同を得られると思うのだが、さてポジションは?
プロ入りした後のロッテオリオンズ時代は「二塁手」、ドラゴンズに移籍した後は基本「一塁手」、しかし1986年(昭和61年)暮れに1対4という“世紀のトレード”でドラゴンズに移籍した直後の「4番サード落合」という印象は強烈だった。サードの守備は堅実で、ベストナインに10回選出されている中、「三塁手」部門では4回選ばれている。「一塁手」部門の回数と同じであり、とても器用な選手だった。中日への移籍直後から密着取材したが、最初の沖縄キャンプから報道陣が殺到し続けて“社会現象”とも言えるフィーバーだった。すべての球をバットの1点だけで、それもボールが最もよく撥ね返る“堅い木目”部分(打芯)で捉える技術など、打者としての技術は他の追随を許さないスーパースターだった。ドラゴンズでは7年間プレーしたが、後の監督時代の8年間と共に、球団史に名前を刻んだ「落合博満」である。

ベストナイン選考理由

「これが4番だ!」とドラゴンズファンに見せつけたゲームは、移籍3年目の1989年8月12日、ナゴヤ球場。今なお竜党の間では語り草になっている讀賣ジャイアンツ戦だ。巨人の先発・斎藤雅樹は9回1死までノーヒットノーランの好投だった。3-0から1点を返した後、4番落合は右中間にホームランを打つ。逆転サヨナラ3ランによって、斎藤の大記録の夢を打ち砕くと共に、ドラゴンズに勝利をもたらした。
ドラゴンズでは打点王と本塁打王をそれぞれ2回獲得したが、前人未到4度目の三冠王はドラゴンズブルーのユニホームでは達成できなかった。しかし、あの真夏のホームランだけでもベストナイン確定!と言いたいほどに、ファンをしびれさせた竜の4番打者だった。

竜党が愛するサード島谷

もうひとり名前を挙げないと、多くのドラゴンズファンからお叱りを受けるかもしれない選手がいる。島谷金二。中日のホットコーナーと言うと、この背番号「8」を思い浮かべるファンは多い。その印象の最大要因は、20年ぶりにリーグ優勝を決めた1974年(昭和49年)の大洋ホエールズ戦。先発のエース星野仙一が投じた球はライナーで三塁へ。それを軽くジャンプして取ったのが島谷だった。この優勝の瞬間は島谷金二という「三塁手」と共に、深く記憶に刻まれることになった。その後、トレードで阪急ブレーブスに移籍、ドラゴンズのユニホームを着たのは、落合の7年を1年だけ上回る8年間だった。それでも「サード島谷」は球団史で鮮やかな光を放っている。

待っていたぞ!高橋周平

2019年シーズンにおける野手部門での大きな収穫は、高橋周平が「三塁手」レギュラーに定着したことだろう。3球団が競合したドラフト1位指名での入団から8年目。「今年こそ勝負」と本人も周囲も毎年のように口にしていた。それからも2~3年は経ってしまったと思うが、前年にセカンドのポジションで初めての規定打席に達したことを受け、2019年は堂々とサードのレギュラーを獲得した。5月には猛打賞を8回記録した。過去の記録保持者には、“打撃の神様” 讀賣ジャイアンツの川上哲治、初代「ミスター・ドラゴンズ」である西沢道夫、そしてイチローも名を連ねている。一流の仲間入りを果たしたシーズン。守備の勲章であるゴールデングラブ賞を「三塁手」部門で獲得した。ベストナインにも選ばれた。名実ともに“竜の三塁手”となった。

2020年シーズン展望

与田剛監督によって、キャプテンにも指名された高橋周平。2020年シーズンもサードのレギュラーとしてチームを引っ張ってほしい。前年はスライディングの際に右手小指を負傷して1か月以上欠場するアクシデントがあった。その直前まで首位打者を走っていただけに、本当に残念だった。是非、2020年はタイトルを取ってほしい。そんな高橋に挑戦状を叩きつけたのが、高橋と同じ3球団競合の末、ドラゴンズに入団した石川昂弥だ。背番号「2」を背負う大型ルーキーは、背番号「3」の先輩と同じポジションでの争いに名乗りを上げた。チーム内の切磋琢磨こそ、次世代ドラゴンズの幕を開ける起爆剤である。「ホットコーナー」と言われるサード、ますます熱くなりそうだ。

【CBCテレビ特別解説委員・北辻利寿】

※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲  愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)ほか。

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