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竜の明日へ投げろ!山本、梅津そして小笠原 ドラゴンズ若手投手陣への熱援

竜の明日へ投げろ!山本、梅津そして小笠原 ドラゴンズ若手投手陣への熱援
論説室コラム

竜の明日へ投げろ!山本、梅津そして小笠原 ドラゴンズ若手投手陣への熱援

 2019年8月9日(金) 10:10
北辻 利寿
北辻 利寿

「本当に頭の良い子だよ」と入団発表を見つめながら、中日ドラゴンズの球団幹部がつぶやいた。「投げっぷりがいいね」とプロ初登板の後に、野球評論家が分析した。「チーム1の負けず嫌いだよ」と、この夏にもうひとりの球団幹部が微笑んだ。
山本拓実、19歳、ドラゴンズ2年目の投手である。

小さな投手の大きな初勝利

山本投手が7月31日の阪神タイガース戦でプロ初勝利を挙げた。
兵庫県西宮高校から入団した山本投手は宝塚市出身とあって子どもの頃からタイガースファン、甲子園球場での虎相手の登板には、地元ということ以上に万感の思いがあったことだろう。山本投手が注目されるのは身長167センチとプロ野球選手としては小柄ながら、その堂々とした投げっぷりであろう。見ていて実に気持ちがいい。
初勝利の後にこれも初めてのヒーローインタビューで、「身体の大きい人に負けたくない。野球少年たちの希望になれるよう頑張る」と語った“大局観”に感動した。自分の言葉を持っている19歳、入団発表時のフロント幹部の言葉を思い出した。

思い出すドラゴンズ平成のアノ投手

山本投手は現在プロ野球界で活躍する小兵選手たちと共に語られることが多いが、ふと、かつてドラゴンズで活躍したひとりの投手を思い出す。森田幸一投手。1990年(平成2年)にドラフト5位で入団し、ルーキーだった翌年は現監督の与田剛投手のけがもあって、いきなりストッパー役をまかされた。2日連続で勝ち投手になるなど衝撃のデビュー、1年目は10勝3敗17セーブで新人王にもなった。
森田投手を思い出すとき「投げっぷりが良かったよね」と感想を語る長年のドラゴンズファンは多い。山本投手よりも身長は少しだけ高かったと記憶するが、決して大柄ではないもののピンチでも動じない堂々としたマウンドさばきと小気味よいピッチングが好きだった。
山本投手は、8月7日ナゴヤドームでの讀賣ジャイアンツ戦で本拠地初登板、残念ながら勝利で飾ることはできなかったが、猛暑の中ドームにつめかけた多くのファンは、その若さあふれる投球に温かい声援を送った。

若竜投手たち続々と台頭

2019年シーズンの与田采配で評価したいのは、若い戦力の積極的な登用である。
山本投手と同期、花咲徳栄高校から入団2年目の清水達也投手、こちらも19歳。5月に甲子園球場でプロ初勝利を飾った。山本投手の初勝利と同じ、舞台は甲子園球場だった。2017年夏の甲子園の優勝投手だった清水投手、この日が「母の日」だったこともあって、ヒーローインタビューで母親に対し「産んでくれてありがとう!」と語った言葉が印象深い。
この清水投手と7月にバッテリーを組んだのが18歳の石橋康太捕手。関東第一高校から入団したルーキーである。ドラゴンズにとって「10代バッテリー」はドラフト制度が始まった1965年(昭和40年)以降では初めてのこと、83年の球団史に若い息吹を吹き込んだ。
ドラフト3位で社会人から入団した勝野昌慶投手も21歳でデビューしプロ初勝利もつかんだ。ここ数年、いやもう少し長い間、ドラゴンズではこうした若手起用はなかった。それが今季は次々と実現している。

梅津と小笠原も今季初登板へ!

中日・梅津晃大選手©CBCテレビ

お盆にかけて9連戦を戦っている最中のドラゴンズ、さらに2人の若い投手が1軍に合流した。梅津晃大投手、そして小笠原慎之介投手である。
梅津投手はドラフト2位で入団したルーキー、22歳。7月のフレッシュオールスターゲームでの活躍が記憶に新しい。ウエスタン・リーグで好投し続けての1軍入り。東洋大学の同期である上茶谷大河投手(横浜DeNAベイスターズ)と甲斐野央投手(福岡ソフトバンクホークス)がすでに活躍しているだけに、本人も「待ちに待った」初登板となるだろう。

中日・小笠原慎之介投手©CBCテレビ

そして小笠原投手、21歳。東海大相模高校時代は夏の甲子園優勝投手。2018年の開幕投手もつとめたが、肘の故障による手術などでつらい日々を送ってきた。しかし2軍での好投からいよいよ1軍マウンドへの復帰である。山本と清水19歳、小笠原21歳、そして梅津と勝野22歳、こんな顔ぶれが先発に並んでくるならば、ファンならずともドラゴンズの新時代到来を十分に予感させる。
さらに血行障害から復帰した藤嶋健人投手も救援陣の一角でナイスピッチングを続けている。ドラゴンズの地元、愛知の東邦高校出身の21歳だ。竜のマウンドは若返りつつある。

何もプロ野球の世界だけではない。若さは時に何かを引き起こす。若竜のパワーによって2019年ペナントレース終盤戦で何かを起こすことができるのか。与田采配からまだまだ目が離せない。

【CBCテレビ論説室長・北辻利寿】

※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲  愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)ほか。

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