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日本最古の円形歩道橋!?北海道札幌市にある「菊水歩道橋」 交差点が複雑化したワケとは

日本最古の円形歩道橋!?北海道札幌市にある「菊水歩道橋」 交差点が複雑化したワケとは
CBCテレビ『道との遭遇』

ミキの昴生と亜生がMCを務める、全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』。今回は、YouTubeチャンネル「おもしろ地理」でさまざまな道を紹介している道マニア歴23年のかずまるさんが、北海道札幌市にある道を巡りながら歴史を紐解きます。

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札幌の発展に大きく貢献!碁盤の目を貫く“斜めの道”

CBCテレビ『道との遭遇』

かずまるさんが訪れたのは、札幌駅の近く。一般の女性を旅のお供に迎え、一緒に道を巡ります。

(道マニア・かずまるさん)
「今日は札幌の道を紹介したい。150年前、札幌の人口がわずか数人だった状態から、ここまで大きな200万人都市になった理由が道路を通して紐解ける」

明治2年から開拓が始まり、わずか150年余りで今の姿へと発展してきた北海道。開拓始まりの地“札幌の道”を巡りながら、北海道が歩んだ近代化の歴史を紐解きます。

最初に2人が向かったのは、札幌駅の東エリア。「札幌の歴史を知る上で欠かせない道がある」とかずまるさんは言います。

CBCテレビ『道との遭遇』

(道マニア・かずまるさん)
「札幌って碁盤の目の町なんですけど、その中に斜めに走っている道路がある。何気ない交差点のように見えるが、これは札幌では非常に珍しい道路」

碁盤目状に整備された道路の中を、斜めに通る一本道。この道のことを、札幌市民は“ななめ通り”と呼ぶそうで…

(道マニア・かずまるさん)
「昔は街道だった。この道ができたのが明治初期の頃で、札幌から北へ行く道はこの道しかなかった」

CBCテレビ『道との遭遇』

この街道は、北海道の開拓が始まって間もない明治6年頃に造られました。当時、この周辺はぬかるみがひどく、まともな道がほとんどなかったため、札幌村から元村を通って石狩方面までをつなぐ、約25kmのメインルートとして整備。開拓初期の重要な役割を担い、長きにわたって住民の生命線となりました。

CBCテレビ『道との遭遇』

「当時は車を想定していなかったので道路の幅員は狭いが、道道に指定されている」とかずまるさん。街道沿いには寺社仏閣が立ち並び、中でも明治37年開教の「大覚寺(だいかくじ)」は、札幌に移り住んできた人の拠り所として多くの人が立ち寄る場所でした。

さらに…

(道マニア・かずまるさん)
「札幌の発展に欠かせない“玉ねぎ”を、この街道を通して運んでいた」

明治11年、街道の周辺一帯はすでに農地として整備されていました。そんな中、札幌農学校のアメリカ人農学者・ブルックスが玉ねぎの栽培法を伝え、日本で初めて収穫に成功。

CBCテレビ『道との遭遇』

その味は瞬く間に評判となり、街道には玉ねぎを積んだ馬車が行き交い、道内だけでなく道外にも運ばれていきました。その影響で、街道沿いには飲食店などが次々と誕生。のちに「元村街道」と改称され、札幌の産業の発展や人口の増加を支える重要な道となっていきました。

日本最古の円形歩道橋!六叉路にある「菊水歩道橋」

CBCテレビ『道との遭遇』

続いて訪れたのは、札幌市の南東に位置する白石区菊水(きくすい)エリア。かずまるさんイチオシの道へ。

(道マニア・かずまるさん)
「ここは、通称“円形歩道橋”。実は、日本最古の円形歩道橋」

地下鉄・菊水駅と東札幌駅の間にある、直径56m、全長176mの「菊水歩道橋」。50年以上の歴史があり、日本最古の円形歩道橋として有名です。かずまるさん曰く、円形歩道橋とその下を走る道路には興味深い成り立ちがあるそうで、その隠れた歴史を紹介したいと言います。

(道マニア・かずまるさん)
「この円形歩道橋がなぜできたかというと、下の六叉路になっている道路が関係している」

CBCテレビ『道との遭遇』

もともとこの場所には、札幌と白石村を結ぶ一本道が通っていましたが、徐々に道路は増えていき交差点は複雑化。通行のしづらさを解消するために、1971年に円形の歩道橋が造られました。

かずまるさんによると、複雑な六叉路になった理由は、“最初にできた道”に隠されているそう。

CBCテレビ『道との遭遇』

(道マニア・かずまるさん)
「六叉路の中で一番古いこの道には、変わった特徴がある。交差点から突き当りまでの約350mという短い道なのに、道道526号に指定されている。なぜ都道府県道に指定されたかというと、むかし突き当りの場所に駅があって、国鉄千歳線と定山渓(じょうざんけい)鉄道の分岐駅になっていた」

CBCテレビ『道との遭遇』

円形歩道橋から東に伸びる道道の突き当たりの先には、かつて国鉄東札幌駅(1926年~1969年)がありました。駅と主要道路を結ぶ道は“停車場線”と呼ばれ、この道は「東札幌停車場線」と名付けられた重要な道路だったため、道道に指定されました。

(道マニア・かずまるさん)
「古くからある六叉路を生んだ原点とも言える道。都道府県道に指定されているこの道に、たくさんの道が交わっていって六叉路になり、日本に誇る円形歩道橋ができた。もしここが六叉路じゃなかったら、円形歩道橋はなかったと思う」

CBCテレビ「道との遭遇」2025年7月8日(火)午後11時56分放送より

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