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ドラゴンズ温故知新!01「先発投手」編~大野・柳の両輪で投手王国復活へ

ドラゴンズ温故知新!01「先発投手」編~大野・柳の両輪で投手王国復活へ
ドラゴンズ温故知新!
論説室コラム

ドラゴンズ温故知新!01「先発投手」編~大野・柳の両輪で投手王国復活へ

 2019年12月26日(木) 10:10
北辻 利寿
北辻 利寿

中日ドラゴンズは2020年に球団創設84年目を迎える。伝統あるその球団史は数多のスター選手に彩られ、熱き戦いの記録と記憶をファンの心に刻みつけてきた。筆者が独断で選んだ歴代ベストナインと現役選手を比較しながら、7年続くBクラスからの脱出に向けて、新たなシーズンへの期待と応援を届ける連載企画である。
第1回のテーマは「先発投手」。(敬称略)

歴代ベストナインは「杉下茂」

84年の伝統を誇るドラゴンズの先発マウンドには、これまで沢山の名投手が上がった。最も勝ち星をあげたのは50歳まで現役で投げ続けた山本昌、219勝は球団記録である。しかし、それに次ぐ211勝を挙げた杉下茂こそ、竜の絶対的エースであろう。“フォークボールの神様”と幼い頃から聞かされてきた。1954年(昭和29年)ドラゴンズに初めてのリーグ優勝、そして初の日本一をもたらしたエースである。そのシーズンに挙げた勝ち星は32勝、最多勝、最優秀防御率、最多奪三振など投手5冠を達成した。西鉄ライオンズとの日本シリーズでは7試合の内5試合に登板して完投が4試合、3勝を挙げた。

ベストナイン選考理由

背番号「20」をドラゴンズにとってのエースナンバーにした大投手である。ここぞという試合に先発し、そして勝った。先発投手の最高峰に与えられる「沢村賞」を実に3回も受賞している。金田正一さんらと並んでの最多タイ記録である。先発投手とは「かくありたい」、エースとは「かくあるべき」、そう思える名投手だった。
この背番号「20」を大きく育てたのが権藤博である。1961年(昭和36年)ルーキーとしていきなり35勝、毎試合のように投げて「権藤、権藤、雨、権藤」という言葉はすっかり有名だ。まさに先発投手の鏡とも言える存在だった。
もうひとり背番号「20」では1974年(昭和49年)に讀賣ジャイアンツの10連覇を打ち砕いて優勝した時のエース星野仙一も忘れえぬ投手だが、ここは初の日本一を勝ち取ったエースである大先輩・杉下茂に敬意を表しての歴代ベストナイン選出としたい。

2019年シーズンのドラゴンズには、投球回数170イニングを投げた2人の先発投手がいた。大野雄大と柳裕也である。

左腕・大野雄大の復活

復活のシーズンだった。背番号「22」大野雄大である。
2010年ドラフト1位でドラゴンズに入団した左腕は順調に“エースへの道”を歩んだ。3年目には初の2ケタ、10勝を挙げて、いよいよ投手陣の柱にと期待が高まったが、2015年の11勝を最後に2ケタ勝利からは遠ざかった。2018年は開幕ローテーションからも外れて無勝利、ファンもその存在をランクダウンさせていたが、2019年、大野雄大は見事に復活した。力強い速球で打者をねじ伏せる大胆不敵なマウンドさばきが蘇った。そして球団12人目となったノーヒットノーランの達成。さらに最優秀防御率のタイトル獲得。再び“エースへの道”を歩み始めたと言っても過言ではない。何より投球回数がリーグトップということの評価は高い。ただし通算成績は58勝61敗と3つの負け越し。この借金3を早く返済して貯金を積み重ねていくことが、2020年シーズンへの期待である。

右腕・柳裕也の台頭

3年目の2019年シーズン、チーム唯一の2ケタ勝利投手となった。背番号「17」柳裕也である。
170回以上のイニングを投げて、11勝7敗は立派な成績である。過去2年間で通算わずか3勝の柳裕也だが、前半戦だけで9勝を挙げた。セ・パ交流戦では、優勝したパ・リーグ最優秀選手に次ぐ「日本生命賞」にも選ばれた。新たに採り入れた二段モーションがうまく合い、また勝負どころでのコントロールは抜群だった。後半戦わずか2勝にとどまったことは残念だが、前半戦の破竹の勢いは、杉下茂、星野仙一、そして川上憲伸と、ドラゴンズ先発投手に受け継がれてきた“明治大学の系譜”を彷彿させた。
2020年シーズンは先発として200イニング登板、15勝を達成して、3人の大学先輩に続いての沢村賞をめざしてほしい。

2020年シーズン展望

大野そして柳、左右の両輪の他にも、先発投手陣の顔ぶれには期待が高まる。
同い年で大学を卒業するメンバーと並ぶ5年目の小笠原慎之介、3年目の清水達也と山本拓実、そこに同期の石川翔が加わってくればさらに楽しみだ。2年目の飛躍が期待される梅津晃大や2018年の開幕投手・笠原祥太郎ら若い力が目白押しである。15年目を迎える吉見一起も黙ってはいないだろう。さらに橋本侑樹や岡野祐一郎といった即戦力として期待の新入団投手が加われば楽しみが増す。
誰を先発させるのかと、与田剛監督と阿波野秀幸投手コーチを悩ませるシーズンになれば待望の「投手王国」復活だ。

【CBCテレビ特別解説委員・北辻利寿】

※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲  愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)ほか。

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