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木造復元は無理がある?未着工の名古屋城天守閣

木造復元は無理がある?未着工の名古屋城天守閣

名古屋市が進める名古屋城天守閣の木造復元事業で、これまでの支出額が2024年度決算時点で94億円に上ることがわかったと、中日新聞が報じました。施工を請け負う竹中工務店が2015年度に提案した総事業費は最大505億円でしたが、これを上回る可能性が懸念されています。名古屋城天守閣は2028年から館内への入場が禁止されていますが、なぜここまで復元の完成に時間がかかっているのでしょうか?6月24日放送『CBCラジオ #プラス!』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が名古屋城天守閣復元事業が抱える問題について解説しました。聞き手は永岡歩アナウンサーと山本衿奈です。

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最初の計画から20年

名古屋城の改築については、もともと名古屋市が2006年9月に策定した全体整備計画で現天守を耐震改修する方針を掲げていました。
これが2022年度の調査では事業費を約29億円と算定し、耐震改修によって名古屋城の寿命は約40年延びるとされていました。

その後、当時の河村たかし市長が主導し、木造復元へと計画が変更されましたが、2023年の市民討論会での差別発言が問題となり、事実上のストップとなりました。

「木造建築は昔の天守閣を復元することが大事なため、当時なかったエレベーターを設置すると再現にならない」という意見に対し、「バリアフリーの観点からエレベーターは必要」といった意見が交錯。

現在は小型昇降機を何階まで設置するのか、草案の検討が長引いているという状況。
完成時期はおろか着工時期も見通せず、未着工のまますでに94億円がかかっているのが問題視されています。

岡山城はすでに改修

なぜ何も作っていないのにこれだけお金がかかる理由は、工事をしていなくてもすでに人は投入していること、建築に使う木材もすでに用意しており、倉庫に保管するだけでもコストがかかるため。

一方、名古屋城と同じく戦後鉄筋コンクリートで復元した岡山城も老朽化の時期に来ていました。
木造復元ではなく耐震補強などを進め、エレベーターなどの設備や展示施設を新しくしたところ、改修前より入場者数は増加したとのこと。
復元は木造にこだわる必要はないという例といえそうです。

永岡は「確かに名古屋城が木造で建ったら感動はしますよね。犬山城は木造ですし、すごいなとは思いますけど、果たして名古屋のど真ん中にある観光資源を停止してまで揉める話なのかとは考えますね」

見通しが甘かった?

別の視点から木造復元の計画について解説する石塚。

石塚「(当時の河村市長が)選挙に勝ちたいため、何か目玉がいるんですよ。『木造天守閣にするぞ!』というのはひとつの目玉だったわけですよ。
面白いことを言うなあと。あの人は選挙に強い人だったから。

だけど、それをぶち上げる時にきちんとデータを取ったり調査したり、専門家が議論をしてできるかできないか、いくらでできるかというのをやったというわけでもない。
やりたいからやるのは決して悪い話ではないんだけど、その公約って裏付けが取れてますか?っていうのがないまま行くのは(良くない)」

この点では、各党が前回の衆院選で消費税ゼロ%の公約をどんどん出しながら、ふたを開けると「レジのシステムがどうこう」、「時間がかかるので給付つき税額のほうが良い」など、話が変わっているのと似ているかもしれません。

名古屋市民であれば、今秋開催のアジア競技大会・アジアパラ競技大会と合わせて見てほしかったところではないでしょうか。
(岡本)
 

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