もうオワコンなのか?「紅白歌合戦」をあらためて観る意味
毎年大晦日に放送される『NHK紅白歌合戦』の出場歌手が先日、発表されました。今年はTikTokなどSNSでバズったアイドルユニットの初出場が目立ち、50代以上の世代には知らない歌手ばかり出ている印象があるかもしれません。しかし、今回の紅白はリバイバルブームとバズ文化という2つの現象がぶつかる面白いものとなり、むしろ音楽メディアの歴史を知っているアラフォー以上の世代が楽しめるものとなっているという意見があります。11月27日放送『北野誠のズバリ』(CBCラジオ)ではデイリー新潮などの記事を基に、今年の紅白についてパーソナリティの北野誠と加藤由香アナウンサーがトークを展開しました。
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ここ数年の紅白は、コア層(13~49歳の男女)を意識しているのか、K-POPのユニットを出場させたり、演歌の出場枠を減らしたりと、様変わりしています。
「もう何年も紅白を観ていない」と語る北野ですが、それには理由がありました。
毎年大晦日はこの番組のスペシャルを夕方まで放送し、番組の打ち上げをした後、新幹線に乗って東京に帰るため。
家に帰った頃にはもう『ゆく年くる年』(NHK総合)に変わっているというルーティンがここ何年も続いています。
紅白といえば、昔はその年を代表する歌手が世代を問わず出演し、家族揃ってゆっくり観るのが定番でした。
しかし最近の出場歌手は、TikTokの再生回数が多いアーティストなど、知っている人は知っているという顔触れ。
かつてはレコードやCDの売り上げや、テレビでのCM人気などが出演の基準でしたが、現在はいかにSNSでバズっているかも基準のひとつとなっています。
若い歌手が出演するメリット
以前は若い人の間で大人気のアーティストは、むしろ紅白に出ない傾向にありました。
ところが、最近は若者に人気のFRUITS ZIPPERやM!LKなどは積極的に出場するようです。
環境も音楽メディアも変わる中、かつてのように紅白出場が売り上げに繋がるわけでもないため、一見出場にメリットを感じられません。
ただ、現在視聴率を30%近く取る番組はなかなかありません。
「出場している歌手の家族や親戚が鼻高々になるという効果はあるのではないか」と北野。
北野「M!LKの関わってる親戚のおじさんが『〇〇ちゃん、大きなったなあ』ってまあまあ喜ぶんですよ。
だから『紅白歌合戦は辞めてもうたら?』っていう意見があるんですけど、紅白歌合戦を残してほしいなって思うのは、素直に出てくれる若いアーティストがいてくれたら、親戚が喜びますから」
流行りの曲を確認
中高年層からは「もっと知ってる曲が多い方がいい」という声が聞かれるものの、逆に普段聴かない楽曲に触れることで、「今はこういう曲が流行っているのか」と知れるのも紅白ならでは。
また中高年には逆に、自分にチャンネル権がないこどもの頃、親と一緒に歌番組を観ていて知らないうちに大人の歌を知った経験のある方も多いはず。
その点では、ある意味かつての紅白と同じ楽しみ方があるのかもしれません。
(岡本)
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