CBC web | 中部日本放送株式会社 / CBCテレビ / CBCラジオ

MENU

中日OB・川上憲伸が解説。バンテリンドームが狭くなる影響

中日OB・川上憲伸が解説。バンテリンドームが狭くなる影響

来年からバンテリンドームナゴヤではホームランウイング(仮称)が作られます。中日ドラゴンズファンにとっては、これにより野球スタイルが変わるのか気になるところです。10月11日放送のCBCラジオ『若狭敬一のスポ音』では、中日OBで野球解説者の川上憲伸さんが、現役時代の経験を交えて来季以降のドラゴンズのスタイルについて予想しました。

関連リンク

この記事をradiko(ラジコ)で聴く

東京ドームと同じ形

ホームランウイング(仮称)は、ドラゴンズの野球スタイルにどう影響するのでしょうか?

まず両翼100メートルは来年も変わりません。センター122メートルも変わりません。
現在のバンテリンドームでは右中間・左中間の最も深いところが、116メートルですが、ホームランウイング(仮称)の設置によって、これが6メートルも前に来て110メートルになります。

両翼100メートル、センター122メートル、左中間・右中間の一番深いところが110メートルという構造となりますが、実はこれは東京ドームと同じ広さだそうです。

さらに現在4.8メートルあるフェンスは3.6メートルへと低くなります。ちなみに東京ドームのフェンスが4.24メートルです。
ホームランが出やすいと言われる東京ドームですが、バンテリンドームはフェンスがさらに低くなるのです。

ポール際に行く球場

川上さんは、まずライナー性の打球が吸い込まれるようにホームランになる可能性を指摘。
現役時代、東京ドームで投げた実感を語りました。

川上「東京ドームで、ホームランがポール際に吸い込まれるのを見たことありますか?」

若狭「そんなにイメージないかも」

ポール側に入っていく球場と、そうではない球場があるという川上さん。マツダスタジアム、バンテリンドームでもポール際に入っていくホームランはあまり見なかったとか。

その反対に、ポール際にホームランが飛んだ球場として横浜スタジアム、神宮球場、甲子園球場を挙げた川上さん。

一番打たれた球場は?

若狭「ちょっとマニアックな数字を調べてきました」

川上さんのNPB通算球場別被本塁打を調べた若狭。
球場は各球団のフランチャイズ。川上さんからするとビジターです。
広島東洋カープ戦は広島市民球場とマツダスタジアムの両方。それに加えてナゴヤドームでの成績も調べました。

二番目に打たれているのが広島市民球場。一番打たれていたのは東京ドームでした。

東京ドームはホームランが出やすく、さらに当時の読売ジャイアンツはホームランバッター揃い。

川上「あと結構投げてますもん。広島はあんまり投げてないくせして、打たれてるのは良くないですね」

ビジターで、川上さんが最も投げた球場は東京ドームで143回。32ホームラン打たれているので、4.4イニングに1本。

約4イニングに1本打たれています。完投するとするならば1試合2本ぐらい打たれている球場が東京ドーム。東京ドームの数字だけが極端に悪いそうです。

東京Dで打たれる理由

川上「高橋由伸、亀井(義行)、小笠原(道大)さんと、3打席連続ホームランも食らってますから」

若狭「高橋由伸、亀井と続いたんですよね 。連続で打たれるとどんな心境?」

川上「気分良く投げてるのが急に曇ってくるんですよ」

投球が攻められなくなり、一歩下がるようになってくるそうです。そこで冷静さを失い、調子を崩してしまうとか。

川上「とにかく腕を振っていこうっていっても、東京ドームの場合は許してくれないんです」

ホームランバッターに対し「ここぞ」という時には、基本的にアウトローに投げるという川上さん。

しかし東京ドームや横浜スタジアムのような狭い球場では、アウトコースを狙っても逆方向に打たれる可能性があるので、インコースのギリギリに投げなければいけなかったとか。

川上「そういうのを上手く意識してバッターが打つんですよ。そうしたら、ちょっと詰まりながらもポール際に吸い込まれていくんです」

インコースが肝

川上「ポール際のホームランって、なんで起きるかっていうと、詰まり気味のバッティングは意外と切れていかないんです」

今年までのバンテリンドームは詰まり気味で入らなかったそうですが、来年からは東京ドームと同じ大きさ。

川上「来年狭くなるとインコースが増えて来るので。インコースのコントロール、シュートを持ってるピッチャーがいればいいですけど」

アバウトに投げているピッチャーだったら、いざという時にインコースに投げた時に、持って行かれる可能性があると言う川上さん。

川上「僕はそうやって食らってるわけですから。例えば3打席連続食らった時の小笠原さんの3本目のホームランは、インコース、ギリギリのボールゾーンですよ。で、詰まりながらホームランです」

バッターは腹をくくれ

川上「広島市民球場で育ってるバッターってバッティングが良いんです。なんでかと言ったら、狭いので引っ張りだけじゃなく、逆方向にも打つ練習ができるんですよ」

バッティング練習の段階から四方八方上手に持って行く練習をしているんだとか。

しかし大きなバンテリンドームのように引っ張らないとホームランにならない球場だと、練習から一方通行のバッティングになるそうです。

ホームランウイングの設置は、ドラゴンズのバッターにも影響が出るということになります。

川上「ホームランバッターが腹くくって、バッティング練習からホームラン打ちませんっていうバッティングをすればいいですけどね」

来季以降のドラゴンズは、ピッチャー、バッターともに対応が求められそうです。 
(尾関)
 

この記事の画像を見る

オススメ関連コンテンツ

PAGE TOP