金丸投手「ドラゴンズからの愛が一番だった」病院訪問で語った入団秘話と決意
入院患者たちにエールを送り、そしてエールをもらった。クリスマスを前にして、中日ドラゴンズの5選手が、日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院(八事日赤病院)を激励訪問した。
5人の竜戦士が激励に集結

八事日赤病院へのシーズンオフの訪問は、もう30年もの歴史がある。窓口の幹事役は、中村武志さん、立浪和義さん、荒木雅博さんと受け継がれて、現在は大島洋平選手が務めている。
「今は入院中でも、元気になったらドームに来て応援してほしい」
そんな大島選手の熱い思いに賛同した藤嶋健人投手と村松開人選手、そしてルーキー年で活躍した石伊雄太選手と金丸夢斗投手が、2025年(令和7年)12月3日、正面玄関にクリスマスツリーが飾られた病院を訪れた。
子どもたちからの直球質問

小児科病棟では、病室を回って入院中の子どもたちに、5人全員がサインした色紙や応援グッズをプレゼントした。病棟の廊下には、子どもたちが工夫を凝らした手作りの飾りが用意されて、選手たちをにぎやかに迎えた。プレイルームでの「ふれあいタイム」では、子どもたちから選手たちに次々と質問が飛んだ。
「カップラーメンとカップ焼きそば、どちらが好きですか?」という、大人だと実はなかなか聞かない質問などの他、「どうしてドラゴンズの選手になったのですか?」という、これもストレートな質問も飛び出した。
「ドラゴンズからの愛が一番だったからです」
ドラフトで4球団が1位指名で競合した金丸投手のこの言葉には、竜党のひとりとして震えた。クジを引き当てた井上一樹監督には、是非、聞いてほしい名言だった。
トークショーでの決意表明

小児科病棟での時間が盛り上がり過ぎて、予定より10分ほど遅れて始まったクリスマストークショーには、大人の患者さんや病院関係者も加わって、病院ホールは熱気に包まれた。
リーダーの大島選手は40歳を迎えた。「1年1年が勝負」と語った。選手会長の藤嶋投手は「チームのみんなを鼓舞する会長になる」と宣言。けがなどで活躍できなかった村松選手は「悔しいシーズン」と何度も口にして、体力とメンタルを鍛え直して来季をめざすと笑顔なく語った。石伊選手は「盗塁阻止率1位」を目標に挙げて“正捕手”宣言をした。
物真似クイズに挑戦!

トークショー後半の質問コーナーでは、ひとりの男の子が、5人の選手たちに“物真似クイズ”を挑んだ。ある選手の投球フォームを見せて「誰でしょうか?」と出題した。男の子が来ているユニホームの背中には背番号「19」。しかし、大きく振りかぶったピッチングのスタイルを見て、真っ先に回答したのは金丸投手。自分の名前を挙げた。
「金丸投手!」
「正解です!」
金丸投手の心に残ったこと

初めての病院への激励訪問を終えた後、金丸投手に最も心に残ったことを尋ねたら、「物真似クイズです」と即答だった。
「自分の物真似してくれるのに、なぜ背番号が19なの?と突っ込もうと思ったけれど」
背番号「19」は、同い年である高橋宏斗(※「高」は「はしごだか」)投手である。楽しそうに、いたずらっぽい表情で語った金丸投手。ひょっとしたら、高橋宏斗ファンがひとり減って、金丸夢斗ファンがひとり増える、そんなきっかけになったトークショーだったかもしれないと思ったら、何だかこちらまで、温かい気持ちになった。
トークショーの最後に、ひとりひとり来季への決意を語った5選手からは、「優勝」という言葉が次々と出た。リーダーである大島選手が紹介したように、来季は球団創設90周年の大切な年、ユニホームも3年ぶりに新しくなる。
プロ2年目を迎える金丸投手は、こう締めくくって大きな拍手を浴びた。
「個人としては規定投球回と2ケタ勝利、チームとしては優勝です!」
【CBCマガジン専属ライター・北辻利寿】
※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲 愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)『屈辱と萌芽 立浪和義の143試合』(東京ニュース通信社刊)ほか。










