健康的に体重を増やす・減らすのに適切な食材は?

世の中にはダイエットに苦労している人が多いですが、中には痩せすぎで困っている人もいます。10月10日放送のCBCラジオ『北野誠のズバリ』では、「痩せすぎているので太りたい」との悩みに、心療内科本郷赤門前クリニック院長で医学博士の吉田たかよし先生が答えます。今回の太る方法は、実は痩せる方法にも共通するそうです。痩せたい人もぜひ参考にしてください。
関連リンク
この記事をradiko(ラジコ)で聴く太りたいのに太れない
まずは相談内容からみてみましょう。
「私は身長170cm、体重が55キロです。痩せすぎだと思います。結婚した当時は50キロだったので5キロは太りましたが、それ以上はなかなか太れません。あと5キロ太って60キロになりたいです。
ほとんど好き嫌いはなく食事の量も普通です。ほぼ健康ですが、しいて言えば胃腸が弱いです。太る食事とか日頃の生活習慣を教えてください」(男性)
吉田「健康的に体重を増やす方法は、逆に健康的に痩せる秘訣と共通点が多いので、ぜひ痩せたい人にも注目していただきたいです。
まず痩せというのは。体重を身長で二回割り算した体格指数BMI、これが18.5未満が定義です。東北大学が行った研究でも体格指数が18.5を下回ると男性も女性も死亡率が高まるというデータが出ています。
ご相談者はBMI19.0でした。ぎりぎり標準体重。痩せてはないけど、かなり痩せ気味です。体脂肪率が低すぎると、免疫力低下、冷え性、倦怠感、疲労が回復しにくいといった健康上の問題が出やすいので、もしそういった症状があれば、体重を増やすのがいいです」
太らない三つの理由
「太らない体質」とは医学的にはどういう理由が考えられるのでしょうか?
吉田「3つあります。まず筋肉が多いと、当然筋肉がエネルギーを使うのでとてもよい痩せ方です。
二つ目が胃腸の働きが悪い。それで栄養の消化吸収が不十分だから痩せる。胃腸の炎症、腸内環境の乱れがあるかもしれません。
三つ目、これは現代人に多いですがストレスです。神経が緊張気味で交感神経が優位になると、食べ物の消化は副交感神経に支配されているので消化不良で痩せてしまう。ご相談者は胃腸の働きのタイプとストレスの可能性もあるかもしれないです」
皮下脂肪はある程度必要
最近は、ある程度皮下脂肪もつけておいた方が健康だという説も耳にするようになりました。
吉田「皮下脂肪からぺプチンとかアディポネクチンとか、健康にいい物質が分泌されています。皮下脂肪は女性ホルモンのエストロゲンの供給源で骨を丈夫にしたり、健康に心を保つ作用もあります。
あと脂肪酸とかケトン体という成分を脳に供給して集中力を高めてくれます。
ただ急激に脂肪を増やすと、皮下脂肪ではなく内臓脂肪が増えて、動脈硬化、高血圧、心筋梗塞、脳梗塞の原因になるので、痩せている方であっても、体脂肪は急激に増やすのではなくて、ゆっくりゆっくり増やすことが大事です」
ナッツ類がおすすめ
体脂肪を健康的に増やすという食べ物はあるのでしょうか?
吉田「ぜひおすすめしたいのがナッツ類です。食事にナッツ類を加えたり、間食で食べていただきたいです。カナダのトロント大学の研究ですが、ナッツ類に含まれる脂肪分は内臓脂肪になりにくく、痩せている人が食べると健康な皮下脂肪になりやすいです。
一日のカロリーが一定なら、ナッツ類を積極的に食べると皮下脂肪も含めて体脂肪が減って、体重も抑えられる傾向にあるというデータが出ています。
ナッツ類の中で一番おすすめしたいのはクルミです。
他にもカシューナッツ、ピスタチオ、アーモンドなど、ナッツ類をミックスで食べる、その中でクルミが多めがおすすめです。カロリーが一定ならダイエットにも役立ちます」
全体のカロリーに注意しながら積極的にとっていきましょう。
(みず)
番組紹介

読んで聴く、新しい習慣。番組内容を編集した記事からラジオ番組を聴いていただける”RadiChubu”。名古屋を拠点とするCBCラジオの番組と連動した、中部地方ならではの記事を配信する情報サイトです。