CBC web | 中部日本放送株式会社 / CBCテレビ / CBCラジオ

MENU

可愛いラスボス?奈良国立博物館の誕生釈迦仏立像

可愛いラスボス?奈良国立博物館の誕生釈迦仏立像

毎週木曜日の『ドラ魂キング』では、CBCの佐藤楠大アナウンサーが仏像に関するトピックを紹介します。10月9日の放送で紹介したのは、奈良国立博物館にある誕生釈迦仏立像。佐藤曰く「ありのままな仏像」。いったいどんな仏像なのでしょうか?(画像はイメージです/写真AC)

関連リンク

この記事をradiko(ラジコ)で聴く

誕生シリーズ

佐藤「ありのまま、かつミニサイズな仏像を紹介します。ありのままとは何ぞや?ありのままとは生まれた瞬間なんです」

誕生釈迦仏立像とは、その名前の通り、仏陀の生まれた瞬間を切り取った仏像だそうです。誕生仏立像には様々な種類があり、今後はシリーズ化していく予定と語る佐藤。

この仏像を紹介するにあたって、大前提として、釈迦がどのようにして生まれたかを知る必要があります。
諸説ある中で有名なものが、母親の右の脇から生まれたという説。

佐藤「お母さんが綺麗な花を摘もうとした時に、右腕を上げたら仏陀がポコンと生まれてきたんです」

決めポーズが特徴

生まれてきた釈迦は、そのまま七歩歩いて、天上天下唯我独尊と言いました。その場面を切り取った仏像が誕生釈迦仏立像。

「天上天下唯我独尊」とは「全ての人が尊い目的を持って生まれた」という仏教の平等な思想を表しているフレーズだそうです。
文字の並びを見ると「他人と比べて、私が一番優れている」と取れそうですが、そうではなりません。

この仏像の特徴は、何も身に着けていなくて、生まれたままの肌感をしていることと、「天上天下唯我独尊」と言いながら右腕を頭の上にあげているポーズ。

他の誕生仏立像も、ほとんどが同じように右腕を上げているポーズをとっているそう。

小さくてシンプル

今回紹介する奈良国立博物館の誕生釈迦仏立像は、推定制作年代が7世紀。飛鳥時代にあたります。

この時代の仏像の特徴は、胸元や背中が人間離れしたシンプルな作りであること。
関節もはっきりしておらず、頭上にあげている右腕は滑らかに湾曲し、あたかも漫画のキャラクターのよう。

これまで佐藤は人の身長の3~4倍や、何十メートルもある大きな仏像を紹介してきましたが、奈良国立博物館の誕生釈迦仏立像は9.1センチと人差し指ぐらいの高さ。

佐藤「このサイズ感で可愛いとなると一周回った存在感を感じませんか?映画の中で、実は最後のボスは可愛いアイツだったりとか、でっかいのを操ってた小さいのがいた、みたいな感覚になりました」

成長シリーズ

この仏像は釈迦の生まれた瞬間を切り取ったものですが、釈迦はどんどん成長して、悟りを得た者、仏陀になっていきます。

仏像の中には釈迦の修行中の姿など、釈迦の一生の一場面を切り取った仏像があるそうです。

佐藤「釈迦の成長シリーズとしても仏像は楽しめると思います。今日はミニサイズ、かつありのままの仏像を紹介しました。仏像の世界は奥が深いですね」

奈良国立博物館を訪れた際は、ぜひ誕生釈迦仏立像をじっくり鑑賞しましょう。
(尾関)

この記事の画像を見る

オススメ関連コンテンツ

PAGE TOP