順風満帆の船出となるか?日本初の女性総理誕生への期待と不安

10月4日に行なわれた自民党総裁選の投開票の結果、高市早苗氏が新たな総裁に就任しました。高市新総裁は党役員や閣僚の人事に着手し始めましたが、その一連の流れで不安の声が上がっています。6日放送のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、つボイノリオと小高直子アナウンサーが、リスナーの意見を紹介します。
関連リンク
この記事をradiko(ラジコ)で聴く女性首相、ようやく誕生なるか
「政治とカネ」問題を始めとして諸々の課題を抱える自民党ですが、小泉進次郎氏を抑えて支持を伸ばした高市氏へは多くの期待が集まっています。
「日本初の女性総理が誕生するのでしょうね。いよいよ日本も世界並みに女性が国を引っ張っていく時代となりました。
イギリス初の女性首相であるマーガレット・サッチャー氏を崇拝してきたとおっしゃっていたので、きっと鉄の女として活躍してくれるでしょうね」(Aさん)
小高「青いスーツを着ていたのが、そのリスペクトの表れなんじゃないかと言われていますね」
「高市さんでよかったと素直に思いました。女性が国のトップとなって、良い方向へ導いてくれることを強く願います」(Bさん)
つボイ「政治の世界は男社会でガラスの天井だと言われていましたが、今回女性がなったことでひとつの段階を超えたような気がしますね」
小高「何かがぐっと変わるような、そんなターニングポイントになるかもしれないですね」
女性ならではの視点、女性特有の気づきが政治に大きく影響を与えることで、長らく停滞気味であった日本の政界に新しい風が吹き込むことを期待する声が多いようです。
人事はどう出る
気になるのは首相を取り巻く人達です。高市氏が党役員の人事や組閣に対してどう動くか注目が集まっています。
まず高市氏は、麻生派幹部の鈴木俊一総務会長を、党運営の要である幹事長に起用する方針を固めました。
関係者によれば、総裁選挙で高市氏が支援を受けた麻生派会長の麻生太郎元総理大臣を副総裁に、旧茂木派の木原稔前防衛大臣を要職に充てる案も浮上しているとのこと。
鈴木総務会長は麻生氏の義理の弟であり、麻生氏に近い鈴木総務会長を要職に起用することで、政権運営に協力を求める狙いがありそうです。
一方、木原氏は総裁選挙では茂木前幹事長を支援しましたが、高市氏と保守的な政治信条が近く、官房長官などへの起用が取り沙汰されています。
派閥が物を言う?
この流れの中で懸念の声が上がっています。
「まるで麻生内閣の誕生のように麻生さんの意向で選挙が動き、そして選挙後は麻生さんのご意向を拝聴して麻生派の幹部を中心において、結局覇権争いは麻生さんの全面勝利で終わりになったということなのでしょうか?」(Cさん)
小高「ここに来て存在感が大きかったですね」
つボイ「票の取りまとめをしていましたね。自民党の中で唯一派閥を持っているのは麻生さんですから、その影響力はありました」
これまでの自民党内部のしがらみや派閥ありきのやり方に人々の不信感が募った結果が、現在の自民党の立ち位置です。
再び派閥が見え隠れしていることに不安を抱いている人が多いようです。
なぜ少数与党になったのかを忘れず
麻生氏の影響は、今後の政局にも大きく関わってきそうです。
「こういう形のトップの決まり方も、自民党離れが起きた原因のひとつなのではないでしょうか。高市さんが総理になった後も、何か重要な判断をするたびに麻生さんの許しを請うという構造が想像されるのですが、そうならないことを願うばかりです」(Dさん)
小高「やっぱり麻生さんの影響が随分と人事に出てきているので、そういったしがらみを抱えながら、高市さんは本当にやりたいことをやれるのかな。がんじがらめにならざるを得ないような人事になってしまうと、高市さんにとってもしんどいですよね」
つボイ「なぜ自民党が少数与党になったのかということを忘れないで、人事・組閣をしていただきたい」
裏金問題や旧統一教会との関係についても、いまだすっきりと解決はされていません。それらのことも踏まえた上で、国民が納得する人事がなされるのか。自民党が国民の不信感を払しょくできるかどうかは、ここに大きくかかってきているような気がします。
(吉村)
番組紹介

読んで聴く、新しい習慣。番組内容を編集した記事からラジオ番組を聴いていただける”RadiChubu”。名古屋を拠点とするCBCラジオの番組と連動した、中部地方ならではの記事を配信する情報サイトです。