身近すぎて意外と知らない!日本茶のこと

年度の下半期が始まった10月1日。さまざまな商品が値上げされたり、法律が施行されたりするタイミングですが、この日は日本茶の日でもあります。歴史上、お茶にまつわる大きなイベントが開催されたことから制定されましたが、日本茶は今、一部の国で空前のブームが起こっているそうです。そこでこの日に放送された『CBCラジオ #プラス!』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員がお茶に関するさまざまな情報を紹介しました。聞き手は永岡歩アナウンサーと三浦優奈です。
関連リンク
この記事をradiko(ラジコ)で聴く440年前に開催された大イベント
日本茶の日を制定したきっかけとなった歴史上のイベントとは、1587年(天正15年)に豊臣秀吉が京都の北野天満宮で開いた北野大茶湯(きたのおおちゃのゆ)のこと。
北野大茶会や北野の大茶会とも呼ばれますが、秀吉が権力を示すために行なわれたとされ、身分や道具の良し悪しに関係なく広く呼びかけたという点で画期的なイベントです。
また、10月31日にも日本茶の日が制定されていて、こちらは1191年(建久2年)に臨済宗の開祖である栄西が10月31日に帰国し、宋からお茶の種を持ち帰って栽培したのが日本での栽培の始まりとされています。
平安時代にはすでにお茶が日本に来ていた説もあるそうですが、日本に定着させたのは栄西といわれています。
お茶は冷たいのが前提に
今は煎じて飲むのが一般的ですが、最初は抹茶タイプで、一般庶民もお茶を飲むようになったのは江戸時代になってから。
その後は私たちの暮らしに浸透しましたが、それはさまざまな言葉に表れています。
例えば、お茶を飲むとは限らない家のスペースを「お茶の間」と呼んだり、「日常茶飯事」や「おちゃのこさいさい」などといったフレーズもあります。
最近まではお茶の形態といえば急須にお茶の葉を入れていましたが、それが缶に変わり、今はペットボトルが主流になっています。
また、急須で飲むお茶は熱いのが前提でしたが、今は冷たいものが主流になっていて、その点でもお茶の飲み方は大きく変わったといえそう。
実際、家庭で買うお茶の葉はこの15年間で3割減っているそうです。
日本茶と紅茶の違い
意外と知られていないのが、日本茶とウーロン茶、紅茶は、地域によって種類の違いはあるものの、基本的にどれも同じ茶葉から作られるということ。
お茶の葉は摘み取るとすぐに酸化、発酵が始まりますが、それをどのように利用するかによって、お茶の種類が変わります。
ざっくり言えば、摘み取ってすぐに蒸して発酵を止めて作るのが日本茶。
やや発酵させるのがウーロン茶で、時間をかけて発酵させてできるのが紅茶だそうです。
ただ同じ日本茶でも、お茶を育てている間に覆いをかけて遮断すると、渋みが抑えられてまろやかな玉露になったりと、途中の育て方によっても変わります。
世界の多くでは紅茶が嗜まれているということですが、外国で最近、日本茶、特に抹茶の人気が出てきたそうで、今まで甘くしていたお茶の新しい飲み方として注目されているようです。
(岡本)
番組紹介

読んで聴く、新しい習慣。番組内容を編集した記事からラジオ番組を聴いていただける”RadiChubu”。名古屋を拠点とするCBCラジオの番組と連動した、中部地方ならではの記事を配信する情報サイトです。