学生納付特例で未納期間の年金、後から払った方がいい?

日本では20歳から年金を払わなければなりませんが、多くの人が学生である20歳でなかなか毎月年金を払うのは難しいでしょう。では学生の時に払わないと、後の年金支給の際に何か不都合が生じるのでしょうか?9月29日放送『北野誠のズバリ』(CBCラジオ)では、「学生の時に未納だった年金は社会人になってからさかのぼって払った方がいいのか」をテーマに、小宇佐・針田(こうさ・はりた)FP事務所のファイナンシャルプランナー、徳山誠也さんが解説しました。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く学生時代の国民年金は払うべき?
今回番組に、「長男の国民年金未納分」についての相談が寄せられました。
「長男は現在社会人2年目で、九州(親元と離れたところ)におります。コロナの影響で主人の収入が激減し、20歳からの国民年金を払うのも難しく、本人のバイト代から払うのも難しかったので、学生納付特例申請をしました。
7月生まれなので、32か月分未納になっていると思われます。
今はまだ大学生の長女がいるので、未納分を払う余裕はないのですが、再来年の3月に長女が卒業なので、その後お金を貯めて未納分を支払いたいと思っています。
その時親から支払うのがいいのか、その分のお金は贈与税がかからないのでこれを本人に渡し、本人から支払うのがいいのか。
そもそもこの先年金がどうなるのかわからないので、未納状態にしても大して問題はないのか、一番良い方法を教えてください」(Aさん)
学生納付特例の期間はどんな扱い?
Aさんの長男が申請したのは学生納付特例制度によるものですが、これは申請すると学生の間は年金を払わなくてもいいという制度です。
年金がもらえるかどうかの判断となる加入期間にはカウントされますが、気をつけなければならないのは、支払いが免除されるわけではないという点。
滞納ではないものの、あくまでも未納という扱いになり、将来の年金受給額はそれだけ減ることにはなります。
国民年金は20歳から60歳までの40年間、480か月支払う義務があるのですが、そのうちの32か月が未納の場合、将来もらえる老齢基礎年金が480分の32、およそ6.7%減らされることになります。
仮に65歳からの基礎年金部分が月7万円の場合、約5千円ほど少なくなります。
年金を追納するとお得
Aさんの長男はすでに卒業しているので、学生納付特例は終わっていますが、もしこれから学生納付特例制度を利用しようという方は、注意すべき点があります。
それは毎年度申請が必要であることと、卒業後は未納状態にならないように年金を払うことです。
会社員や公務員などであれば、就職した時に厚生年金に加入することで対応は可能です。
Aさんの質問に話を戻すと、保険料を親が肩代わりすることはもちろん可能である上、実は親御さんにとっては税制上のメリットがあります。
それは家族の分であれ、国民年金保険料を支払うと、社会保険料控除として親御さんの所得から引かれるため、所得税や住民税を軽くできる場合があるのです。
当時、扶養していればいいということですが、年金の追納には期限があり、納付特例が終わってから10年以内でなければできませんので、注意が必要です。
(岡本)
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