「イシイのミードボール」の会社に秘められた、風通しのいい会社の魅力。

ひとつのことばが人を救ったり、勇気づけたり、生きる指針になることがあります。CBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』のコーナー「賢者の言葉」では、いろいろな心に残ることば、名言を紹介しています。9月29日の放送では、石井食品の代表取締役社長執行役員・石井智康さんの言葉「ひとりがいなくなったら回らない組織はそれこそ危険です」を、つボイノリオと小高直子アナウンサーが紹介します。
関連リンク
この記事をradiko(ラジコ)で聴く入社のいきさつ
石井さんは2006年早稲田大学を卒業後、総合コンサルティング企業である、現在のアクセンチュアに就職。エンジニアとして働いた後、フリーランスのITエンジニアになりました。
2017年祖父が創業した石井食品に入社。2018年に現在の役職に就きました。
もともと石井食品の跡取りにはなりたくないという考えだったのですが、奥様の病気がきっかけで、食生活習慣を見直していたら、食べることに興味が出てきたそうです。
そこで、早くから無添加調理の加工品事業に乗り出した家業のよさに気付きました。
石井食品では業界の先頭に立って、製造過程で食品添加物を使わない取り組みをしてきました。また、2000年からはすべての食品におけるトレーサビリティシステムを確立しました。消費者は商品に表示された品質保証番号によって簡単に原材料の履歴情報を知ることができるシステムです。
ファミリーデー
石井さんは社長に就任して2年目で1か月間の男性育休を取得しました。社内の男性で育休を取得したのは2人目でした。
その後も奥様の病気もあって、こどもが生まれてから0歳の娘さんを抱えながら会議に出席したこともあります。
残念ながら、奥様は亡くなられたため、その後はシングルファーザーとして、9時~5時勤務で社長業と子育てを両立させています。
出張先には車に娘さんや犬を連れて行くこともありました。そこには親が子に働くところを見せることも大切だという信念があるからです。
こどもを連れて行くことで仕事がうまくいくこともあるそうです。そして、毎年、社員の家族が工場見学をするファミリーデーも企画しています。
“育児修行”
現在、石井食品の男性育休取得率は100%と、上場企業として異例の数字です。従業員も役員も同じように取得しています。
石井さんは“男性育休”という言葉がよくないと考え、“育児修行”だと話します。
休みをとる従業員には「修行する覚悟で行ってこい。経験値を上げると思って頑張って!」と声をかけるそうです。
食にかかわる企業に勤めている人として、男性社員にも子育て中になるべく料理を作ることでお客さんの気持ちがわかったり、仕事に生かすことが出てくると考えているそうです。
情報共有の仕組みを
石井食品では育休だけでなく、長期休暇の取得も推進していて、全社員に毎年2週間程度の休暇をとることを推奨しています。
常日頃から、個人に依存しない体制と、情報共有の仕組みを作っておかなければ長期休暇をとることはできません。社内で働く人たちが普段から意識的にコミュニケーションをしっかりとることが、風通しのよい職場を作るコツであり、仕事が潤滑にまわっていく秘訣だといえそうです。
「私がいなければこの会社は回らない」ということにプライドを持つ人もいますが、今はそれはむしろ危険な考えで「みんなで会社を回していく」ことが大事なようです。
(みず)
番組紹介

読んで聴く、新しい習慣。番組内容を編集した記事からラジオ番組を聴いていただける”RadiChubu”。名古屋を拠点とするCBCラジオの番組と連動した、中部地方ならではの記事を配信する情報サイトです。