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中高年の女性は要注意!「むずむず足症候群」とは

中高年の女性は要注意!「むずむず足症候群」とは

9月26日放送のCBCラジオ『北野誠のズバリ』のコーナー「中高年よろず相談室」では、リスナーからの健康の悩みを解決しています。この日の相談者は、なんとパーソナリティの北野誠自身。北野の質問に、心療内科本郷赤門前クリニック院長で医学博士の吉田たかよし先生が答えます。

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足の内部がむずむず

北野誠さん(66歳)からの相談です。

「最近左足のふくらはぎがむずむずする感じがします。過去にむずむず足症候群になった娘を持つお母さんに症状を聞いていたときに、『もしかして私も?』と思いました。もしかして、私はむずむず足症候群でしょうか?」

北野によれば、前日のオンエアでこの話をしたら、リスナーから多くの反響が寄せられたとか。そのひとつを紹介します。

「私の場合は下肢静止不能の名前通り、虫がむずむずする感覚はないんですが、とにかく眠くなると脚がだるくなってじっとしていられないのです。一度この症状が出ると、歩き回ったり、脚を屈伸しないと治りません。

学生時代は授業中に眠くなると、脚を動かしたくなる衝動にかられても歩きまわるわけにもいかず、脚を組み替えたり、イスの上で正座をしたり、脚を叩いたりして、結局眠気が醒めると治ります。

夜も眠たくなると脚を動かさざるを得なくなり、眠気と戦いながら運動しなくてはならないのです」(Aさん)

不快感はいろいろ

Aさんの症状にこう回答する吉田先生。

吉田「これは症状として典型的です。多くて当然で、人口の2~4%です。あと病気だと気付いていない人もいます。女性の方、50歳以上の中高年の方は特に発症しやすいので、注意していただきたいです」

具体的な症状について、北野は「僕の場合はむずむずですが、人によっては虫が這っているような感じがあるようです」とフォロー。

吉田「そうなんです。重要なのは脚の表面ではなくて、太もも、ふくらはぎの内部に不快感を感じることです。

その感じ方はバラバラで、ピリピリとか、チクチクとか、痛いとか、熱いとか、ひっぱられるとか、電気が走るとか、虫が這っているという言い方も多いです。感じ方はさまざまで、むずむずだけではないです。
病名のイメージで『むずむずではないから大丈夫』と決めつけている人もいますが、これは注意していただきたいです」

また症状が出やすい時間帯についても続けます。

吉田「一日の時間帯でいうと、夕方から夜間に悪化しやすいですが、それに加えて、特徴としては足を動かさないときに不快な感覚が表れて、動かすと軽減します。だから、時間帯も含めてダブルで睡眠を妨げる要因になります」

減員は鉄分不足?

どのような原因が考えられるのでしょうか?

吉田「原因のひとつとして特に多いのは、脳内で鉄が欠乏していて、それで神経の活動に異常が生じることですね。

実際アメリカのジョンズ・ホプキンズ大学の研究で、MRIで脳を調べるとドーパミンを作りだす黒質という部分などで、鉄が不足しているというデータが出ています。
その結果、ドーパミンと調節に不具合が生じて神経が暴走するから不快な感覚がでるということです。

ドーパミンの働きにブレーキをかけるアデノシンという物質の働きが弱っている場合も結構あります。

また、遺伝の影響も大きくて、イギリスの研究では遺伝率54%というデータもでています。原因となる遺伝子も発見されています」

薬が効果的

治療方法はあるのでしょうか?

吉田「マッサージやストレッチを行うと不快な感覚が軽くなることが多いですが、それに加えて治療の中心は神経の過敏性を抑えるアルファ2デルタ薬という薬で、これはかなりよく効くし、長期に服用しても、副作用が少ないのでとても優秀な薬です。

あと鉄が不足しているという血液検査でデータが出たら、鉄剤を飲んでいただきます。
鉄のサプリとカルシウムのサプリを同時に飲むと、互いに吸収率を低下させますので、これは違う時間帯に飲んだ方がいいです。

逆にビタミンCは鉄の吸収率を上げるので一緒に飲んだ方がいいです」

カフェインとお酒

その他、自分でできる対処方法はあるのでしょうか?

吉田「寝る30分くらい前にふくらはぎや太ももに振動を与えると、不快な感覚が出にくくなることがわかっています。
むずむず足症候群に専用の振動装置もありますが、家庭用のブルブル震えるマッサージ器の強度を軽いモードにすれば、十分それで代用できます」

またカフェインの摂取、寝酒は良くないようです。

吉田「カフェインは神経を刺激します。むずむず足症候群はそもそも脳内で神経が暴走するわけです。コーヒー、緑茶は正午まで。注意していただきたいのはチョコレート。これも正午までにしていただきたいです。

寝酒は最悪です。寝つきはよくなりますが絶対にやめてください。
飲んだ直後はいいけれど、寝てしばらく経つと脳を刺激して、正反対の覚醒させる効果が出てきます。
夜中に目が覚めて、かつ、むずむず足症候群の症状が悪化させるから不快な感覚で明け方まで眠れないという方もいるので、お酒は夕方に少しだけ飲むのがいいですね」

この説明に「ああ、耳が痛い」と嘆く北野。

吉田「いま治療薬が非常によくなっているので、前向きに取り組んでいただきたいです」
(みず)
 

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