自民党総裁選告示、高市氏・小泉氏の二強構図で「変わる自民党」なるか

石破総理大臣の退陣表明に伴う自民党総裁選が9月22日に告示され、高市氏と小泉氏を軸とした5人が争う構図となりました。「変わる自民党」をスローガンに掲げながらも、少数与党という現実を前に候補者たちは慎重な姿勢を見せています。9月22日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、この日告示された自民党総裁選について、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が解説しました。
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自民党総裁選には、茂木敏充前幹事長、小林鷹之元経済安全保障担当大臣、林芳正官房長官、高市早苗前経済安全保障担当大臣、小泉進次郎農林水産大臣の5人が立候補を表明しています。
今回の総裁選は、全国一斉の党員投票を伴うフルスペック方式で実施され、10月4日に投開票されます。総裁選挙は、国会議員295票と同じ数の党員・党友による地方票、合計590票で争われることになります。
世論と党員票の微妙なズレ
毎日新聞の世論調査によると、次の自民党総裁にふさわしい人物として、高市氏が25%でトップ、小泉氏が21%で続いています。しかし、自民党支持層に限定すると結果は逆転し、小泉氏が40%、高市氏が22%となっています。
この結果について、高市・小泉両氏の二強構図は間違いないとしながらも、林官房長官も健闘していることから「軸が2.5ぐらいになっている」と石塚。
また、自民党支持層で小泉氏への支持が高い点について、石塚は「自民党支持層イコール自民党員ではない」と指摘します。支持政党を聞かれて「自民党」と答える人でも、実際に党費を払って党員になっているわけではなく、投票権を持たない人も少なくありません。
実際は、自分の選挙区にいる議員から勧誘されて党員になるケースが多く、世論とは異なる判断基準を持つ可能性があると石塚は分析しています。
日本テレビが実施した独自の電話調査では、自民党員・党友に限定した調査でも小泉氏への支持が高いという興味深い結果が出ています。
候補者たちの慎重な姿勢
こうした状況下で、候補者たちの発言も慎重になっています。ハト派もタカ派も、今回立候補している5人全体がそうした傾向にあります。
たとえば小泉氏は夫婦別姓問題について、以前は先進的な発言をしていたものの、今回は若干封印気味。全く否定しないが急ぐ問題でもないという姿勢を取っています。
これは自民党員の中に保守的な人もいるため、票が集まらない可能性や、嫌がる議員がいる可能性を考慮し、まず総裁選で選ばれることを優先しているためです。
高市氏についても同様に、とがったことは言わずオブラートに包んで慎重な姿勢を取っています。
「#変わる自民党」
今回の総裁選では、SNSで「#変わる自民党」がキャッチテーマとして掲げられています。
自民党はTikTokライブでこのテーマを発表し、ホームページには「国民の声を生かした総裁選になることを期待している」と記載しています。
しかし佐藤楠大アナウンサーは、このスローガンと実態の矛盾を指摘。候補者たちが変わることを言いづらい状況にあり、実際の政策発表を通じて党員や議員が判断していくことになるだろうと語りました。
これに対し石塚は、世論と自民党支持者、さらには党員の間で温度差がある可能性に言及。変革を求める方向性が、それぞれで異なる可能性があると述べました。
今後は「変わる自民党」がどのような形で実現されるのかが注目されます。
(minto)
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