CBC web | 中部日本放送株式会社 / CBCテレビ / CBCラジオ

MENU

みんな節約してるのに…エンゲル係数、過去最高へ

みんな節約してるのに…エンゲル係数、過去最高へ

家計の支出に占める食費の割合「エンゲル係数」を5年ごとに平均化した結果が、2020年から昨年までの5年間、37都市で最も高い値を更新し、歴史的な高水準となっていることがわかりました。異例の値上げラッシュを受けて食費を抑えられるよう努力している家庭も多いはずですが、そんな現状にも関わらず支出は過去最高となっているようです。9月2日放送のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、つボイノリオと小高直子アナウンサー、水分貴雅アナウンサーが、この結果に至るまでの背景にも触れながら分析します。

関連リンク

この記事をradiko(ラジコ)で聴く

下がらないモノの値段

今回の調査では、近年にみられる食品の値上げラッシュが生活の重荷になっているという現状が、改めて浮き彫りになりました。
これは総務省が公表している家計調査のデータを共同通信が分析したもので、全国47都市の過去40年にわたるエンゲル係数を5年ごとに平均化したものとなっています。

今年においては半年分しか公表されていないようですが、それでもコメの値上がりが大きく響き、エンゲル係数は高止まりしているようです。他の食品も相変わらず値上がりが続いており、今後も高い水準で推移しそうだと予想されています。

エンゲル係数が高いということは、すなわち生活のゆとりが少ないということで、娯楽、教養、貯蓄などその他の支出を削らざるを得ない状況であることを意味しています。

ゆとりのない生活

小高「値が高ければ高いほど、生活水準が低くなっているということですからね」

つまり食べることで精一杯の家庭が増えているということ。食費の上昇は低所得者にとっては特に死活問題であり、高齢者や若者世代が大きなあおりを受けていると思われます。

水分「理想は15~20%だと言われていますが、全国平均は27.5%、大阪府にいたっては31%となっています」

地域によっても差はありますが、本来理想とされる値の倍近くになってしまっています。今後食品の値段が下がる見込みは果たしてあるのでしょうか。

水分「しかも今年の夏場に大きく上がったコメの価格は今回の調査結果に入っていないので、本当ならさらに高い数値のはずです」

日々の食事に欠かすことのできないコメの価格も非常に大きく影響していると思われます。コメ価格の推移については今後も注目が集まりそうです。

回復しない経済

小高「政治などで左右できない要因が偶然重なってしまった部分もあるとは思うんですけど、それにしてもここ30年ぐらいで変わりすぎではないでしょうか」

コロナの流行や異常気象など政治の介入する余地のない要因はあるかもしれませんが、それでもここ30年程ずっと、日本経済はゆるやかに衰退の一途をたどっています。

小高「日本って前までは海外にも頻繁に行っていたし、モノをたくさん買っていたと思うんですが、それがここまで生活水準が下がってしまった。
一体何が原因で、どこがきっかけだったのかということについては、一度ちゃんと検証した方がいいと思います」

変わる日本社会

つボイ「年功序列の制度、終身雇用の制度も変わってきて、結構国民は苦労していますよね。だんだん能力主義になってきていると思います」

一度会社に入ってしまえば、老後までずっと安泰だった時代はとうに終わり、個々人の能力によって左右されるようになってきました。
しかしつボイは「一体どのくらいの人が能力だけで生きて行けるのか?」と心配している様子。

水分「昔は中間層が多かったんですけどね」

小高「『1億総中流』なんて言葉もありましたが、今はものすごく富める人とそうでない人とで二分化してきているように感じますね」

日本だけではなく世界全体の傾向ではありますが、このままいけば日本も中国の都市部と農村部のように、大きな経済格差のある国になっていくのかもしれません。

水分「決して外食を増やしているわけではなく、節約をしているにもかかわらずエンゲル係数が高いというのは切ないですね」

どうせなら、美味しいものをたくさん食べてエンゲル係数を上げたいものです。終わりの見えない経済の停滞に危機感を覚えるニュースでした。
(吉村)
 

この記事の画像を見る

オススメ関連コンテンツ

PAGE TOP