今後交流が深まる?アフリカ開発会議が横浜で開催

20日から横浜でアフリカ開発会議(TICAD)が始まりました。日本などが主催する国際会議で、最近は3年に1度開催されていて今年で9回目となります。一見、日本とアフリカは距離的に遠く貿易が盛んなイメージもありませんが、なぜアフリカ諸国と国際会議を開いているのでしょうか?8月20日放送『CBCラジオ #プラス!』ではTICADの目的や重要性などについて、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が解説しました。聞き手は永岡歩アナウンサーと三浦優奈です。
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TICADはもともと1993年に日本が主導する形でスタートし、国連や世界銀行なども協力しています。
第5回までは5年ごとに日本で開催していましたが、最近は3年ごとにアフリカと日本の交互で開催し、前回はチュニジアで開催されました。
初回の1993年当時、東西冷戦が終了したことでアメリカもソ連もアフリカから手を引いていた状況。
当時世界2位の経済大国だった日本がアフリカの自立を支援することで「日本の国際的なステータスを高めようとしていたという背景がある」と説明する石塚委員。
ただ、これは表向きの理由であり、国連では小国でも大国でも同じ1票。
日本は国連の安全保障理事会の常任理事国になりたいという思いがあり、50近くあるアフリカの国が賛成してくれると大きなプラスに働くという考えもあったのではないかと言われています。
アフリカが注目される理由
ここで現在の日本との関係について解説する石塚委員。
第2次世界大戦までアフリカはエチオピアとリベリアを除いて、ほぼヨーロッパの列強国の植民地でした。
そして戦後は民族自決という動きが広まり独立したことで、たくさんの国ができました。
ただ、小国が多く経済的に低迷し、政情も不安定ということから投資のリスクは高いと思われていました。
しかし、ここへきてアフリカが注目されている理由は大きく2つあり、それは資源と人口。
原油や銅、レアアースが産出されるため、資源に向かって投資する動きがあります。
今後も人口増加の見込み
もう1つは人口で、現在はアフリカ全体で14億人と、これはインドや中国に匹敵します。
これが2050年には25億人で世界全体の4分の1程度になると推計されているため、膨大な消費市場として注目されています。
しかも現在の平均年齢がなんと20歳ほど。平均が50歳弱の日本に比べ、将来性が見込めます。
ただ、30年以上前から定期的に会議を開いているにもかかわらず、アフリカへの投資という点では中国やヨーロッパには劣り、さらに最近では中東も投資を増やしているという状況。
また、日本が投資をしているのも南アフリカやエジプト、ケニアなどに偏っているそうです。
それが今回の会議においてアフリカ全体の発展のために今回、どのような宣言がなされるのか。
地理的には遠い国ではありますが、今後の日本経済にも影響があるだけに注目されます。
(岡本)
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