国道368号の酷道区間に眠る未成道 伊勢神宮に通じる古道と仁柿峠の歴史とは

2024年3月12日(火)放送
国道368号の酷道区間に眠る未成道 伊勢神宮に通じる古道と仁柿峠の歴史とは

全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』では、道マニアがイチオシの道をご紹介。今回は、三重県にある“伊勢神宮にまつわる道”を巡りました。(この記事では道情報だけをまとめてご紹介します)

国道368号は伊勢神宮の参道だった「伊勢本街道」

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

三重県伊賀市から奈良県を経由し、三重県多気町までをつなぐ国道368号。かつては伊勢神宮に通じる「伊勢本街道」として、多くの人に使われた重要な道でした。現在は国道に指定されており、松阪市の仁柿峠(にがきとうげ)に続く5kmほどの区間は、細くて険しい過酷な道“酷道”が続きます。

その道は飛鳥時代、当時の三重の名産“水銀”を運ぶための産業道路だったと言う道マニア。のちの「伊勢本街道」となるルートで三重から奈良まで水銀を運んだとされており、櫃(ひつ)に水銀を入れて運んでいたことから、「櫃坂道(ひっさかみち)」とも呼ばれているそう。

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

江戸時代には、「伊勢本街道」を利用して多くの伊勢神宮参拝者が往来。仁柿峠には複数の宿屋“旅籠(はたご)”が建ち並び、宿場町として栄えました。旅籠の名前が書かれた木製の看板が、今も仁柿峠に残されています。

2034年完成予定 仁柿峠の酷道区間に眠る未成道

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

仁柿峠には、国道368号の下を立体交差する未完成の道があります。1990年、酷道区間を解消するため、国道368号のバイパス化を計画。その際に、山の斜面に沿って道路を造るか、長大トンネルを建設するか、2つの選択肢があり、予算のかからない山の斜面に沿って道を造ることが決定。

しかし、工事を進めていくと問題が発生。仁柿峠付近を含めた一帯の地質は脆弱で、地滑りや斜面崩壊の恐れがあるため、道路の法面(のりめん)対策に費用と時間がかかり工事が中断することに。

その結果、新たにトンネルを造るルートに計画は変更。少しずつ工事は進んでいるものの、着工から34年経った今でも完成していません。順調に工事が進めば眠っている未成道とつながり、2034年に完成予定とのことです。

3月12日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より

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