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「心筋梗塞」1年で最も危険な時期…死亡者数は12月に急増!?リスクが高い“魔の時間帯”と対策

「心筋梗塞」1年で最も危険な時期…死亡者数は12月に急増!?リスクが高い“魔の時間帯”と対策
CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは、北里大学病院 循環器内科 講師 医学博士 南尚賢先生です。

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今回のテーマは「〜冬に危険な心筋梗塞〜生死を分ける魔の時間帯」

いよいよ本格的な冬到来。これからの時期に気をつけたいのが、突然激しい胸の痛みなどに襲われる恐ろしい病「心筋梗塞」。心筋梗塞は、心臓にある冠動脈が詰まり心臓の筋肉が壊死してしまう病気。心筋梗塞による月別の死亡者数は、12月に急増し1〜3月まで多いというデータがあります。つまり、これからが1年で最も危険な時期。しかも、起床時の朝と帰宅後の夜は、1日の中でも特に心筋梗塞のリスクが高く“魔の時間帯”と呼ばれているそうです。そこで今回は、魔の時間帯の恐ろしさとその対策を専門医に教えてもらいました。

心筋梗塞は冬が一番多い?

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

心筋梗塞の発症者数は夏も冬も多く、夏場は脱水が原因で発症することが多いそうです。それに対して、冬場の心筋梗塞は血管の中に血栓ができ、血管を詰まらせるタイプが多いのだとか。そのため、重症化しやすく命を落とすケースも多いそうです。

「魔の時間帯」朝の心筋梗塞の原因とは?

<血圧の急上昇を招く「モーニングサージ」>
血圧は1日の中で変動しており、起床時はこれからの活動に備えて誰でも血圧がある程度上昇します。ところが様々な要因が重なると、さらに血圧の急上昇を招いてしまう場合があるそうです。これが「モーニングサージ」。加齢などの影響で血管が脆くなっている人がモーニングサージを起こすと、血管壁が傷ついて血栓が作られやすく、心筋梗塞への危険が増してしまうのだとか。実際に、急性心筋梗塞の時間帯別発症数を表すグラフでは起床後の時間帯と重なる時間に急増しています。

<血圧の急上昇を招く落とし穴(1)起きてすぐ布団を片付ける>
そもそも起床時は温かい布団から出るため、寒さを感じやすい場面。冬場の寝室の平均温度は12.6℃に対し、布団の中の温度は約33℃と言われています。つまり、冬場は布団から出るだけで20℃以上もの温度差が生じる可能性があるのだとか。人は寒さを感じると体温を逃がさないように血管が収縮し、血圧の急上昇を招きます。この急激な温度差による血圧の大きな変動が「ヒートショック」と呼ばれるもの。そして、起き上がった直後に布団を持ち上げるといった力作業は、身体の活動量を上げるため、さらなる血圧の急上昇に繋がってしまうそうです。

<朝の血圧の急上昇を防ぐ方法>
モーニングサージを防ぐには、目が覚めたら布団の中で2〜3分手足をバタバタさせ、身体を少し温めてから活動することが大切だそうです。

<血圧の急上昇を招く落とし穴(2)防寒対策をせずに外出>
冬場の最適な室内温度は18〜21℃と言われています。そのため、寒い日に防寒対策をせず出かけると屋外との温度差でヒートショックを起こす危険があるそうです。

<朝の血圧の急上昇を防ぐ方法>
外出時は首元のマフラーと厚手の上着で防寒対策をしっかりと行いましょう。首には太い血管が通っており、寒さを感じると血圧が上がりやすいので、外気から守ることが大切だそうです。

<朝8〜10時は特に注意!>
朝の魔の時間帯で、発症数が最も多いのが朝8〜10時の間。通勤などで寒さの影響を受けやすい時間帯なので、心筋梗塞の発症数が増えやすいそうです。

<高齢者に多い心筋梗塞の原因となる朝の行動>
ジョギングなど朝の寒い時間帯に外で運動をすると、身体が冷えて心筋梗塞につながることがあるそうです。冬に運動を行う際は、1日の中でも暖かい午後にして、寒さによる血圧上昇を避けましょう。

「魔の時間帯」夜の心筋梗塞の原因とは?

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

<夜の心筋梗塞を招く「浴室でのヒートショック」>
家の中でも浴室は寒暖差が生まれやすくヒートショックを起こしやすい場所。実際、夜の「魔の時間帯」は一般家庭の入浴時間と重なるように発症数が増加しています。入浴時の血圧の動きは、脱衣後や身体を洗うタイミングで急上昇し、湯船に浸かると急降下。こうした血圧の乱高下により心筋梗塞の危険につながってしまうそうです。

<見落としがちな危険スポット「浴室の床」>
浴室の床は、タイルやプラスチックなど冷えやすい材質のものが多いのに加え、濡れていることが多く、素足が必ず触れる場所。足元の気温が室温よりも10℃下がると、血圧が約9mmHg上昇することが研究で明らかになっています。足元の冷えは血圧の急上昇を招いてしまうため、入浴する前に衣服を着た状態でシャワーなどを使い、床にお湯をかけて温めるなどしてヒートショックを予防しましょう!

<見落としがちな危険スポット「トイレ」>
冬場のトイレの平均気温は12.4℃。冬場の脱衣所とほぼ変わらない寒さがあります。寒さに加えて、いきむことで血圧がさらに急上昇してしまうため注意が必要だそうです。

自宅内に潜むヒートショックの危険スポット

お風呂やトイレ以外にも、ヒートショックの危険があるのがキッチン。キッチンは、換気などの関係で家の構造上比較的外気に触れやすいところに配置されているのだとか。そのため、火の元に注意しながら足元にヒーターなどを使い、冷えないように工夫をすることが大切だそうです。他にベランダや玄関も外の冷たい空気に触れやすく、ヒートショックの危険があります。暖かい部屋から移動する際は常に上着を羽織るよう心がけましょう。

心筋梗塞の危険を増す!就寝前の飲酒

就寝前の飲酒は、睡眠中にアルコールの分解などが行われることで睡眠が浅くなり、睡眠の質が悪くなりやすいことがわかっているそうです。すると、翌朝モーニングサージになって血圧が上がってしまうのだとか。晩酌をする際は、眠るまでの時間を置くようにすると良いそうです。

心筋梗塞の危険を増す!「血圧と注意すべき数値」

血圧の他に注意したい数値がコレステロール。特に悪玉と言われる「LDLコレステロール」や「中性脂肪」には注意が必要。LDLコレステロールが過剰な状態が続くと、血管の内側にプラークと呼ばれるコブが作られ、血管が狭くなり心筋梗塞を起こしやすくなってしまうそうです。

心筋梗塞前に現れる!?予防につながるサイン

<心筋梗塞の前に現れる「放散痛」>
心臓の血管が一時的に詰まっている時に「放散痛」という痛みが現れるそうです。放散痛とは、痛みの原因が心臓にあるにもかかわらず、神経を通して別の所に現れる痛みのこと。心臓の血流が復活すると痛みが引くという特徴もあるそうです。一時的な痛みなので放置してしまいがちですが、放散痛の直後に心筋梗塞を発症する可能性があるため、見逃してはいけない危険なサインだそうです。

<心筋梗塞が起こる可能性がある放散痛>
放散痛が現れる主な場所と症状は下記の通りです。
◎歯や顎・左肩・食道・肺の痛み
◎首や喉の違和感
◎胃の不快感
など
歯の痛みや肩こりなどと勘違いしやすいものが多いため要注意。このような症状に加え、下記の条件に当てはまる場合は、すぐに近くの医療機関に相談しましょう。
□重い鈍痛感や締め付けられる感じ
□冷や汗や不安感が伴う
□痛みが5〜30分以内の短い間だけ続く

健康診断を受けて心筋梗塞を予防しましょう

心筋梗塞を防ぐには、健康診断や人間ドックを定期的に受けることが大切だそうです。血圧やコレステロールなどの診断結果に異常がある場合は、放置せずに再検査や精密検査を受けましょう。

(2025年12月7日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)

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