もう1つのオリンピック、ワールドゲームズが開催!

世界的なスポーツの祭典といえば、オリンピックやパラリンピック。それに種目ごとに開催される時期はバラバラですが、ワールドカップなどが思い浮かびます。実はこれらと同じく4年に1度開かれる「ワールドゲームズ」という国際大会はご存知でしょうか?今回が12回目で、7日から17日まで中国の成都で開催されます。8月6日放送『CBCラジオ #プラス!』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員がワールドゲームズについて解説します。聞き手は永岡歩アナウンサーと三浦優奈です。
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今回は34の競技が行なわれ、117か国が参加し選手は4千人という結構大きな大会で、日本からも150名以上の選手が参加します。
ワールドゲームズの最大の特徴は、オリンピックに採用されていない種目をメインで集めているという点。
世界で結構競技人口がいるのに意外とオリンピックでは行なわれていない種目があります。
例えばエアースポーツという部門があり、そこにはスカイダイビングなどがありますが、イマドキのドローンレーシングもあります。
他にはアメリカンフットボールもありますが、これはフラッグフットボールというタイプのもので、フラッグつまり旗を左右の腰につけて、それを取るのがタックルという、一般的なアメフトよりも危なくないものとなっています。
身近なものが競技に
フライングディスクはいわゆるフリスビーのことで、アルティメットという競技はラグビーのように前に送ってゴールまで進むというもの。
実は永岡は、大学時代にフライングディスクのアルティメット競技のサークルに入っていたとのことで、ここは詳しい解説を…と思ったのですが、実は3か月で辞めてしまったそうです。
その他にも地図とコンパスを頼りに山を走り抜けてタイムを競うというオリエンテーリングという競技もあります。小中学校のレクリエーションで体験したという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、ビリヤードやチアリーディング、ライフセービングなど、私たちに馴染みがあったり目にしたりするものなどが多種多様に揃っています。
そして、ソフトボールも種目に含まれています。
ソフトボールはかつてオリンピック競技に含まれていましたが、今は除外されてしまいました。
日本ではよく女子代表が好成績を残していましたが、今回、ワールドゲームズに参加します。
イベントを作ったきっかけ
ではなぜ、オリンピックとは別の大会が開かれているのでしょうか?
オリンピックは昔からどんどん肥大化する中で、ある程度種目数を限定していました。
そこで1970年代に「オリンピック種目に採用されるにはハードルが高い」と思った各種競技の国際団体が集まって別の大会を作る動きが出てきました。
そして1981年(昭和56年)、アメリカのサンタクララという街で第1回大会が開かれました。
この時の参加国は9か国、1,200名ほどでしたので、今やかなりの規模にまで成長しました。
なお、国際オリンピック委員会(IOC)とは別に敵対関係ではなく、むしろIOCが後援しているという関係です。
中にはワールドゲームズで行なった競技が話題となって、後にオリンピック競技に採用されるというケースもあるそうで、バドミントンなどが当てはまります。
五輪とは大きく違う点
ワールドゲームズの大きな特徴はもうひとつあり、開催する街は新しく施設を作る必要はないということ。
オリンピックの場合は規定されている種目を全部実施するため、場合によっては施設を新たに作る必要があります。
しかし、ワールドゲームズの場合は施設がなければその種目は行なわなくて良いということになっています。
莫大なお金がなくても開催できるという点で、肥大化されたオリンピックに対するアンチテーゼともいえます。
また、意外と知らない競技を見つけるというのもワールドゲームズの楽しさ。
これをきっかけに、自分でもやってみようという人が増えるかもしれません。
(岡本)
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