CBC web | 中部日本放送株式会社 / CBCテレビ / CBCラジオ

MENU

生成AIで悪用!俳優や声優の権利を守る取り組みは?

生成AIで悪用!俳優や声優の権利を守る取り組みは?

AIが人間の声を簡単に模倣できる時代。クリエイターの権利はどう守られるべきか、生成AIとクリエイターの権利をめぐる議論が世界的に活発になっています。Webメディア『リアルサウンド』は4日、日本でも権利を守るための新たな動きが始まっていると報じました。12月6日放送『北野誠のズバリサタデー』(CBCラジオ)では、角田龍平弁護士がクリエイターの権利をどう守ろうとしているのかについて解説しました。聞き手はパーソナリティの北野誠と加藤由香アナウンサーです。

関連リンク

この記事をradiko(ラジコ)で聴く

AIで勝手にCM利用

協同組合日本俳優連合(日俳連)と伊藤忠商事、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は先月、俳優や声優など実演家の音声を安全に保管、活用するための公式音声データベースを立ち上げると発表しました。

3者はこの推進に関する覚書を締結。

日俳連は実演家の権利保護と収益機会の拡大、伊藤忠商事は正規利用による新規事業の創出と対外展開、CTCはサービス開発を担うとのことです。

いま問題となっているのは、著名人自身が話していないことを生成AIに勝手に話させて、それをCMに悪用しているということ。

著名な経済評論家やコメンテーターが投資を勧めている動画CMの多くが、フェイク動画と言われています。

また声優やラジオパーソナリティなど、声を商売にしている著名人の場合、生成AIの無断利用によって、仕事の機会を失わせる可能性もあります。

今の法律で権利は守られる?

このような生成AIの不正利用に対し、「パブリシティ権」で保護できるのではないかという意見があります。
パブリシティ権は、顧客を吸引する力があるからといって人の氏名や肖像を商品の販売などに勝手に使うのを許さない権利です。

しかし「現時点では理論上、対処法が確立されていない」と語る角田弁護士。

音声もパブリシティ権に含めることができるのではないか、あるいは不正競争防止法に音声を入れることができるのではないか、という考えはあるものの、まだその理論を構築している段階とのことです。

ただ、顔写真や名前に比べると、声の場合は生成AIで悪用されてもわかりにくく、現状では抜け穴になっていると考えられます。

パブリシティ権を守るには

その不正を防止するため、データベースに声を登録しておき、声紋認証などのセキュリティ技術を活用するというのが、今回の3者の取り組み。

ただ、パブリシティ権は条文に明記されているわけではなく、これまでの判決の結果の積み重ねで確立したものです。
そのため、北野は「いま声を模倣されている人は裁判でガンガンに訴えるべきやと思いますよ」とコメント。

新たに裁判の結果で積み重ねられると、さらに権利が守られることになりそうです。
(岡本)
 

この記事の画像を見る

オススメ関連コンテンツ

PAGE TOP