イスラエルがイランと対立。緊迫する中東情勢、日本への影響は?

イスラエルがイランの核関連施設などを空爆する一方、イランは弾道ミサイルなどで反撃しました。両国の応酬が続き、死者は多数に上っています。中東情勢が緊迫すると、日本にはどのような影響があるのでしょうか?6月21日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーがイスラエルとイランの対立について解説します。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く長年、友好関係にあった両国
イスラエルとイランの対立が激化しています。
13日、イスラエルがイランの核関連施設などを空爆すると、イランは弾道ミサイルなどを打ち込み、反撃しました。死者は多数に上っています。
大石「驚きましたね、このニュースはね」
イスラエルの建国は1948年。
大石「それからしばらく、両国は友好関係だったんですよね。敵対関係ではなかったんです」
その後、1979年に起きたのがイラン革命。
イランは以後45年間にわたり、イスラエルを「エルサレムを占領した敵」とみなします。
大石「イスラエルの存在すらも否定するようになってきた。1979年がターニングポイント」
また、根強く続いていたのはイスラエルとパレスチナの対立です。
イスラエルのバックは言わずと知れたアメリカ。
一方のパレスチナは、過激派組織ハマスが実効支配していました。
つまり、ハマスの後ろ盾であるイランと、イスラエル・アメリカは対立関係にあったわけです。
核合意からの離脱が引き金に
かねてから核開発をしていたイラン。
核保有が疑われることから、各国は歯止めをかけようとしていました。
その発端は2015年のイラン核合意。
アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・中国・ロシアが加わり、経済制裁解除の見返りとして、イランに核開発の制限を求めました。
その後、オバマ大統領からトランプ大統領に主導権が移ると、第1次トランプ政権は先の核合意に疑問符をつけます。
結局、2018年にトランプ大統領が核合意から離脱すると、イランは悠々と核開発を進めます。
危機感を強めるイスラエルのネタニヤフ首相に対し、イランの最高指導者ハメネイ師は核開発を「平和利用」と主張。
両国の対立が激化しているのが現状です。
中東の大国・イランの文化への理解を深めようと、名古屋市内でペルシャ絨毯を直輸入する専門店を取材した大石。
大石「ペルシャ絨毯ってしっかり見たことあります?アートですね」
ただし、畳3畳分で600万円するほど高価だったそうです。
お店の方は母国の状況が心配だと明かしていました。
ホルムズ海峡封鎖は日本に影響も…
遠く離れているとはいえ、中東情勢は日本にも大きな影響を及ぼしかねません。
陸と陸の間が狭い海になっているホルムズ海峡は「オイルロード」の要衝で、日本に輸入されるほとんどの原油タンカーがここを通過します。
クウェート、カタール、UAE、サウジアラビア、オマーンの各国から原油を輸入しています。
最も狭いところは34キロしかないホルムズ海峡。
イランのものではないにせよ、仮に海峡が封鎖されてしまうと、イランの意向がはたらく可能性があると大石は指摘します。
大石「やはり日本にも影響が出る。原油価格が上がりますよね?ガソリン高くなりますよ。電気、ガスどうなります?石油製品も上がる。物価高にもつながる」
イスラエルとパレスチナに加え、イスラエルとイランの間でも争いが勃発した今、生活への影響だけでなく、軍事的影響も懸念されます。
「世界の警察」と呼ばれるアメリカは立ち位置が定まっていませんが、どのように立ち回るのでしょうか?
近頃は中国機が日本の哨戒機に急接近したニュースもあり、かたや台湾有事の可能性を心配する大石。
イスラエルとイランの対立の1日も早い沈静化が望まれます。
(nachtm)
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