トランプ政権100日経過…これからどうなる?

先月29日で第2次トランプ政権は発足から100日を迎えました。強気の政権運営を続けるものの、各国への関税措置を巡って方針が二転三転したことで先行きへの不透明感が見え、人気に陰りが出始めています。4月30日放送『CBCラジオ #プラス!』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員がトランプ政権の100日間を評価するとともに、今後考えられる動きについて解説しました。聞き手は永岡歩アナウンサーと三浦優奈です。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く100日間で行なってきたこと
ワシントンポストの世論調査ではドナルド・トランプ大統領の支持率は39%で、就任直後から6ポイント下落となり、他の大統領の100日と比較しても低い値です。
しかし、トランプ大統領はアトランティック誌のインタビューで、「私はアメリカと世界を統治している」と答えるなど、自信を持っている様子。
これまで140もの大統領令にサインをしていて、近年で最多だったバイデン前大統領と比較しても3倍近くもの数にのぼり、これを行動力、政治力と素直に評価して良いかどうかは意見が分かれるところです。
移民政策に対してはある一定の評価はあるようですが、何といっても「アメリカ第1」という方針により世界経済を混乱に陥れた点は批判も多く、ドル安・債券安・株式安というトリプル安を生んでしまいました。
その他にも世界最大となる1割を拠出していた世界貿易機関(WTO)への拠出を凍結したり、ハーバード大学など有力大学への助成金も一部ストップ。
アメリカ航空宇宙局(NASA)の科学予算の半減を議論するなど、国外だけではなく国内にも厳しい対応を行なっています。
政権批判もフェイクだと反論
石塚はこれまでの100日間について、「あまりにもひどいなという感じがします」とキッパリ。
不法移民の数が減っていることは一定の評価がなされていますが、本当は追い返す必要がない人まで追い返し、呼び戻そうとしても呼び戻せないようにするなど、方法が良くないといわれています。
また、大統領の側近もあまりレベルが良くないと評価されていて、例えば安全保障についてやりとりする際も、誰でも見られるようなツールを利用。
そして、問題があっても謝罪しない、納得がいかない理由を並べて反論する、問題を指摘する側がフェイクだと言い返すといったことがあるようです。
ワシントンポストの世論調査によりますと大統領の支持率は39%で、就任直後から6ポイント下落、政権発足100日としては1945年以降で最低を記録していますが、こちらもフェイクだと反論しているそうです。
裏技で3期目も狙う?
番組では別のコーナーで、80年前の4月30日に亡くなったドイツのアドルフ・ヒトラーを特集しましたが、石塚はトランプ大統領とヒトラーとの共通点を挙げました。
石塚「エリートだとか知識のある人たちをとにかく嫌う、嫌っている人たちを味方にする。
それが似ているところが余計見えてきたかなと思って、ちょっと嫌ですね」
アメリカでは大統領の3選が禁止されていますが、副大統領になったあと大統領が辞めると自動的に大統領になれるルールがあるため、そのしくみを使って3選するのではないかという説もあります。
一方でカナダでは反トランプ派の与党が総選挙により政権を維持することになるなど、トランプ大統領に対して良くは思わない国も出てきています。
日本はアメリカにどう向き合うべきか、まだまだ悩ましい状況は続きそうです。
(岡本)
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