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雪と光が創る幻想の世界!秋田「横手のかまくら」 伝統職人が支える冬の風物詩

雪と光が創る幻想の世界!秋田「横手のかまくら」 伝統職人が支える冬の風物詩

秋田県横手市の「横手のかまくら」は、2月15・16日に開催される小正月の伝統行事で、みちのくの冬の風物詩として全国的に知られています。2月6日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、現在進められているかまくらの制作の様子について、横手市観光協会事務局次長の小西春奈さんに詳しく伺いました。

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かまくら職人になるには?

横手のかまくらは直径約3.5メートル、高さ3メートル、壁の厚さは70センチ、入口の高さは約1.5メートルで、大人4人ほどが入ることができる広さです。

この伝統行事を支えているのは、横手市観光協会所属の「かまくら職人」たち。普段は会社員や石屋など、様々な職業に就いている人々です。

かまくら職人になるには観光協会への応募が必要で、採用後は1年目を見習い期間として経験を積み、2年目以降は、その働きぶりによって本格的な職人として認められていくそうです。

雪を「寝かせ」て強度を確保

今年は、親方をはじめとした16名の職人が4人ごとの4班に分かれ、20トンもの雪を使って約60基のかまくらを制作します。1基あたり、雪の積み上げに1日、穴開けに1日を要する大変な作業です。

大量の雪が必要となりますが、今年は昨年よりも降雪が多かったため、雪不足の心配はないとのことです。

制作では、まず雪原にコンパスのように円を描き、その部分に専用の角型スコップを使って手作業で雪を積み上げていきます。特に壁部分は崩れないよう入念に踏み固めることが重要です。

かまくら完成後は、すぐに穴を開けずに3~4日かけて「寝かせ」を行ないます。横手の雪は水分が多く、夜間の冷え込みで雪が締まることで、強度のある建造物になるのだそうです。

このように、1基の制作に約1週間を要します。

「あまえこ」でおもてなし

祭り当日は、かまくらの中に七輪が置かれ、「あまえこ」と呼ばれるノンアルコールの甘酒を温めて振る舞われます。

地元の中学生たちが「入ってたんせー(どうぞお入りください)、あまえこ飲んでたんせー(あまえこを飲んでください)」と方言で来場者を温かく迎えます。入場は無料です。

小西さんの子ども時代は今よりも雪が多く、屋根から下ろした雪に穴を掘ってもらってかまくら遊びを楽しんでいたそうです。

このように「かまくら」は地元の人々にとって、幼い頃から親しんできた伝統行事であり、雪国の暮らしを身近に感じられる大切な文化です。

2日間限りの冬の祭典

「横手のかまくら」の開催期間は2月15日、16日の2日間です。1月15日から1か月かけて丁寧に作り上げられた60基のかまくらは、祭りが終わった翌日には重機を使って撤去されます。

かまくらの中は七輪が置いてあり、外気も遮断されるため、ほっこりと温かいのだそうです。

横手のかまくらは、雪国の知恵と技術、そして人々の温かい心が結集した貴重な文化遺産です。雪と光が織りなす幻想的な世界は、今年も訪れる人々の心に深い感動を届けることでしょう。
(minto)
 

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