暮らしにどう影響?ガソリンの補助金が段階的に縮小へ
2022年から支給されてきたガソリンの補助金が、19日から段階的に縮小されています。これにより、年明けには1リットル185円程度への価格上昇が見込まれています。12月21日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーが、今後のガソリン価格と暮らしへの影響について解説します。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く1リットル185円程度に?
2022年から政府により物価高対策として支給されてきたガソリンの補助金が、19日から段階的に縮小されています。
これまで1リットル175円程度に抑えられていたレギュラーガソリンの販売価格は、今後上がっていくとみられます。
大石「ガソリンの補助金って言われてますけども、燃料油に対する補助金なんですね」
原油価格高騰の緩和措置として、燃料油の元売りに支給されていたガソリンの補助金。
大石「これから少しずつ高くなりますよ、という話なんです」
今年は175円前後で推移していましたが、本来は1リットルが最高値で210円、最安値で185円と見込まれていました。
大石「だいたい15円程度安くなっていたわけですよ」
補助金がなくなると、ガソリン代は約5円ずつ高くなります。
年末年始にかけておよそ180円程度になるものの、これはあくまで第一弾。
来年1月16日以降は、1リットル185円程度でおそらく推移するのではないか、と大石は予測します。
大石「なので、ざっくり1月中旬以降になると10円くらい高くなりますよ、ということです」
あらゆる乗り物に影響が波及
ただし注意しなければならないのは、この補助金はガソリンだけでなく、軽油なども対象になっていること。
例えば軽油は、農業ではトラクター、物流ではトラック、家庭ではストーブなどに使われています。
大石「岐阜北部・飛騨の方はストーブ、手放せないでしょう?」
また、船の燃料に使用されているのは重油。
重油を利用する漁船の燃料が高くなると、魚の価格上昇が懸念されます。
さらに客船の燃料代や、飛行機の航空燃料にも上乗せされる可能性があります。
つまり自動車だけでなく、あらゆる乗り物に影響が出る見込みです。
大石「実は補助金が段階的に縮小されるというのは、我々の暮らしに全部乗っかってくると」
コストアップで家計負担も上昇
愛知県内のあるイチゴ農家を取材した大石。
ビニールハウス3棟を含めた敷地面積は4500平米。
暖房によって昼は20度、夜は10度にする必要があるそうです。
1日40リットルの重油を使用すると、1シーズンで6000リットル。
燃料代は200万円になり、人件費も上がっていることから、補助金が縮小されると厳しくなると話していました。
大石「農家は使うんですよ、重油を」
そうはいっても、「なかなか値上げに踏み切れず、非常に痛い」とイチゴ農家の方。
補助金の縮小が痛手となっている様子がうかがえます。
燃料代以外では、私たちの暮らしにとって間接的にどのような影響があるのでしょうか?
物流がコストアップすると食料費にしわ寄せがくるため、結果的に物価高につながりかねません。
では、どのくらいの物価高になるのでしょうか?
ガソリン価格が2段階で増えるとすると、1年間の家計負担はおよそ5000円から6000円くらい増えるようです。
大石「結構大きいですね。物価高はこれ以上、上がるときついな、というレベルにきているじゃないですか」
徐々に私たちの暮らしにのしかかるガソリン補助金の段階的縮小。
物価上昇に追いつくべく、来年は今年以上のさらなる賃上げを望む大石でした。
(nachtm)