「トヨタ紡織」が3年ぶりV!昨年度の実業団駅伝日本一「トヨタ自動車」を下し中部の王座奪還!キーポイントは4区!?羽生拓矢選手の圧巻の走りとは
11月10日、愛知県田原市で第64回中部・第54回北陸実業団対抗駅伝競走大会が開催されました。7区間80.5キロを駆け抜けるこの大会で、トヨタ紡織が3年ぶりの優勝を果たし、中部の王座を奪還しました。昨年の覇者であり、今年のニューイヤー駅伝で日本一に輝いたトヨタ自動車は、惜しくも2位に甘んじる結果となりました。この結果は、多くの駅伝ファンにとって驚きとともに、今後の駅伝シーズンへの期待を高めるものとなりました。
激戦の幕開け、1区から熾烈な争い
午前9時、愛知県田原市のスタート地点には、各チームの選手たちが緊張感を漂わせながら集結しました。「中部・北陸実業団対抗 駅伝競走大会」の横断幕が掲げられ、スタートの合図とともに、選手たちは一斉に駆け出しました。1区12キロで区間賞を獲得したのはトヨタ自動車Bの丸山竜也選手。序盤から積極的な走りを見せ、ラストスパートをかけて2区へとタスキをつなぎました。この積極的な走りは、チーム全体に勢いを与えるものでした。
2区では、トヨタ自動車Aのサムエル・キバティ選手が快走を見せました。今年新加入ながら、その実力を如何なく発揮し、ベテラン田中秀幸選手にトップでタスキを渡すという見事な走りを披露しました。実況中継では「先頭が変わりました。先頭はトヨタ自動車Aのサムエル・キバティに変わりました」と視聴者の期待を一層高めました。
中盤戦、トヨタ紡織が猛追
3区では、北陸のYKKが綱島辰弥選手の区間新記録の走りで一気に追い上げを見せました。「YKKの綱島、全体でも区間賞っていうぐらいの走りをしている」とアナウンサーが興奮気味に伝える中、トヨタ紡織も着実に調子を上げていきました。特に4区でのトヨタ紡織の羽生拓矢選手の走りは圧巻でした。一気に先頭に踊り出て、「普通が1番と語っていた羽生。昨日は普通で行けたと。乗せると怖い男。今日は乗りました」というアナウンサーの言葉通り、その走りで観客を魅了しました。
終盤戦、トヨタ紡織が優位に
5区では、トヨタ紡織の西澤侑真選手が「前半は落ち着いて後半は追い上げる」という戦略通りの走りを見せ、リードを広げました。一方、トヨタ自動車は野中優志選手が苦しそうな表情で走り、追う立場に回りました。6区を終えた時点で、トヨタ紡織とトヨタ自動車の差は2分7秒に広がり、トヨタ紡織のエース聞谷賢人選手は拳を突き上げ、優勝を確信させる走りを見せました。
ルーキー小渕がアンカーでリードを守り切る
最終7区、トヨタ紡織はルーキーの小渕稜央選手がアンカーを務めました。「先頭を走る楽しみ」と語っていた小渕選手は、その言葉通り楽しそうに先頭を走り抜けました。ゴール前、小渕選手は2度のガッツポーズを見せ、トヨタ紡織に3年ぶりのチーム制覇をもたらしました。
結果
1位 トヨタ紡織
2位 トヨタ自動車A(1分9秒差)
3位 YKK(3分34秒差、北陸1位)
一方、YKKはこの駅伝での目標だった総合3位に入り、北陸地区33連覇。34年連続のニューイヤー駅伝出場を決めました。
ニューイヤー駅伝出場チーム
今回の結果により、以下のチームがニューイヤー駅伝への出場権を獲得しました。
トヨタ紡織
トヨタ自動車
トーエネック
愛知製鋼
NTN
愛三工業
中央発條
YKK
セキノ興産
今回の中部・北陸実業団駅伝は、トヨタ紡織の3年ぶりの優勝という大きな話題と共に、各チームの激しい競争、そして若手選手の躍進など、多くのドラマを生み出しました。この結果を受け、来年1月1日に行われるニューイヤー駅伝での各チームの戦いにも大きな注目が集まりそうです。特に、トヨタ紡織の若手選手たちの活躍は、今後の駅伝界に新たな風を吹き込むことが期待されます。彼らの成長とともに、チーム全体の結束力が試されるニューイヤー駅伝でのパフォーマンスに注目です。