寒い季節にバチッとくる“静電気”!「起こりやすい人」と「起こりにくい人」の違いや、手軽にできる対策とは?
冬の寒い時期、ふとした瞬間に「バチッ!」とくる、いや~な静電気。車の乗降時、エレベーターのボタンを押す時など、様々なシチュエーションで発生する静電気ですが、街で調査をすると「バチッ」となりやすい人がいる一方で、あまり気にしたことがないという人もいます。今回は、タレントの山本真希調査員(以下、山本調査員)が「静電気がバチッとなりやすい人とならない人の違い」について調べました。
静電気が発生する人としない人の違いは「触り方」にあり?
今回、静電気について教えてくれるのは、静電気学会の会長も務めた、千葉大学の山野芳昭名誉教授。静電気は、物と物とが接触した時に発生します。
衣服の摩擦などで生じた電気が、体にたまる静電気。体に静電気がたまった状態で、ドアノブなど金属製の電気が流れやすいものを触ると、体にたまっていた静電気がドアノブに向かって一気に流れ、「バチッ!」という衝撃を感じるのです。
(千葉大学・山野芳昭名誉教授)
「夏は湿度が高いということと、人は汗をかいていますので、衣服にたまっても汗などの水分を伝わって逃げてしまう。冬場は乾燥していて、発生した静電気が逃げる場所がないので、人体にたまりやすくなる」
しかし、同じ乾燥した環境なのに「バチッとなりやすい人」と「ならない人」がいます。その理由の一つが“触り方”にあるのだとか。
静電気が起こりやすい人はバチッとくるのが怖くて、恐る恐るドアノブを触りますが、逆にほとんどバチッとこないという人は、躊躇なく大胆にドアノブを触っていました。なぜ、触り方でバチッとくるかこないかが別れるのでしょうか?
(千葉大学・山野芳昭名誉教授)
「指の先、とがったところから放電しやすいので、指先から触る人は放電が起きやすい。手のひらで触る場合、面積に対して流れる量が少なくなり起きにくい」
中には、「服の中に手を入れて触る」という人も。この触り方は、服を介しているため放電が起きず、静電気が起きないとのことでした。
静電気をためやすい人の原因は「動作の癖」と「体質」!
触り方の違いの他に、そもそも「静電気を体にためやすい」人が存在します。その原因は、主に「動作の癖」や「体質」にありました。
まずは「動作の癖」です。静電気は衣服の摩擦などで電気が生じ、体にたまっていきます。静電気をためやすい人は、衣服が擦れるような歩き方をしていたり、座面にお尻を擦るような癖があったり、すり足で歩いたりするなど、無意識に電気を発生させる動きをしていることが多くなります。
もちろん、衣服の素材も関係しています。天然素材より化学繊維の方が、静電気が起きやすいことはよく知られていますが、実は靴も革底よりもゴム製の方が、静電気をためやすくなるのだそうです!
(千葉大学・山野芳昭名誉教授)
「革は幾分、水分を含んでいるので静電気が逃げやすい」
静電気をためやすい「体質」についてはどうでしょうか。
(千葉大学・山野芳昭名誉教授)
「汗をかきにくい乾燥肌の人は静電気が逃げにくいので、静電気を余計ためやすくなる」
通常、体にたまった静電気は、空気中の水分や汗などを通じて自然と逃げていきます。しかし、乾燥肌の人は水分量が少ないため、静電気が逃げにくく体にたまりやすいのです。
水分やグッズで“体から静電気を逃がす”のがポイント!
では、あの嫌な「バチッ」から解放されるにはどうしたらいいのでしょうか?ポイントは「水分」にありました。水分によって徐々に体から静電気を外へ逃し、溜め込まないようにすればいいんです。
例えば、ドアに触る前にウエットティッシュなどで手を拭いたり、ハンドクリームなどで保湿したりすると、静電気が逃げやすくなるそう。このとき、ただ手のひらに塗るよりも肘の内側など汗をかきやすい場所から全体へ広げるように塗ると、静電気が体の外に出て行きやすくなります。
また、車から降りる時にバチッと来やすい人は、濡らしたタオルを車内に置くのもおすすめ。車内を乾燥させないことで、体から静電気を逃がしやすくできるそうです。対策グッズも多数販売されています。ちなみに、グッズがなくても身近な「あるもの」で対策できるんだとか!
(千葉大学・山野芳昭名誉教授)
「おもしろいのは、割り箸。割り箸も比較的、電気を通しやすい。割り箸を手で握ってドアノブなどに触れて、5秒くらいやれば静電気は逃げていく」
暮らしのギモンちょいと解決しましょう課、今回の報告は「バチッとくる痛みから逃れるためには、こまめな保湿が大切!そして服の上からドアノブを触るとバチッときにくい!」となりました。
CBCテレビ「チャント!」1月19日放送より